多くの三線は無銘であるが、一部の三線棹(心部分)には銘書きが記されています。また、従来消耗品と扱われてきた胴(チーガ)の木枠内側にも銘書きがあることから、歴史資料の価値があることがわかってきました。胴内の銘書き三線は3件確認されています。
筆頭開鐘盛嶋の胴には、「咸豊十年(1860)庚申八月吉日/渡慶次筑親雲上」、源河ウェーキには、「咸豊三年(1853)/癸丑二月吉日/蒙氏糸数作/糸数昌常」、昨年発見された徳之島に伝来する三線胴には、「道光乙酉 渡慶次作」と記されています。
本講座では、これまで確認された銘書きの三線棹21件と銘書き胴3件などを通して、その内容や書き方の規則性、三線製作者の系譜など、三線の最新研究からその正体に迫ります。
※講座終了後、企画展「家宝の三線展」の展示解説会 (1時間程度)を予定しています。(当日有効の本展観覧券が必要)
キーワード:
開鐘(けーじょー)、三線胴(チーガ)、文化財三線、家宝、渡慶次筑親雲上、蒙氏糸数、伝統的工芸品
講師:園原 謙(博物館班長)