1933年、日本統治下の台湾――。
僕たちは日曜日、台南の街を散歩しながら詩を語る。
日本語で新しい台湾文学を作ろうとした、僕たちの時代。
「本作は、詩の朗読、過去の写真やシュルレアリスム芸術作品を多用した貴重な資料映像、前衛的な手法の再現パートの、3つの要素で構成されている。
台湾でも歴史の波に埋もれ、忘却の彼方に置き去りにされていたモダニズム詩人団体「風車詩社」の文学を通して、当時の台湾と日本の関係や、政治弾圧という社会的な側面が浮かび上がる。日本語で創作する事への葛藤を抱きながらも、ジャン・コクトーや西洋モダニズム文学への憧れを、美しく軽やかな日本語で昇華させた文学作品は、純粋なまでの芸術性と語感を持って、80年以上の時を経ても色褪せない独自の文学として私たちを魅了する。」
映画*日曜日の散歩者より一部抜粋
上映作品 |
《日曜日の散歩者 わすれられた台湾詩人たち》
2015年、162分、監督:黄亜歴 (ホアン・ヤーリー) |
トーク |
真喜屋 力氏(シネマ沖縄プロデューサー)
豊見山 愛(展覧会企画者/主任学芸員) |
歴史的観点で沖縄と台湾との美術動向を紹介する「彷徨の海」展。
この映画を通して台湾との関連性を考えます。さらに本編終了後のトークショーでは、シネマ沖縄プロデューサー真喜屋力氏と本展覧会企画担当の豊見山愛が、台湾そして沖縄の美術史を解き明かしていきます。