1. 重要文化財に指定された琉球王国時代の石碑

重要文化財に指定された琉球王国時代の石碑

最終更新日:2021.03.16

 今からおおよそ1年半前の令和元年7月23日付けで、「琉球国時代石碑」25基が国の重要文化財に指定されました。博物館常設展示室内にある歴史部門展示室では、令和3年3月5日(金)より、重要文化財に指定された資料を中心に、石碑・拓本をテーマとした展示を開催しています。
 琉球王国時代、社会的な記念事業等の記録を後世に伝えるため、記念碑や国王の業績を讃える碑、墓碑、伝来や由来記、名所碑等、石を素材とした多くの碑が造られました。
 現存する最古の石碑は、1427年に首里城近くの安国山に建立された「安国山樹花木之記碑(安国山樹華木之記)」です。石碑に刻まれた漢文には、尚巴志王の政治顧問だった中国人の懐機による指導で首里城の外に人口の池(龍潭)を掘り、周囲に木や花を植え、太平の世の象徴として永遠に記念することが記されています。一方、石碑の中には、国場川に架けられた真玉橋の建設や由来等を記した真珠湊碑文(1522年)のように、文章に仮名文字が使われているものもあります。また、上部に太陽や鳳凰、雲、周囲には菊や唐草等の文様が刻まれている石碑もあり、丁寧に石を成形し、文字や文様を彫った職人の高い技術力もうかがえます。
 しかし石碑の多くは沖縄戦によって破壊され、中には亡失してしまったものもあります。重要文化財に指定された25基のほとんども破片ですが、沖縄戦後、瓦礫の中から拾い集められたり、土の中から発掘されたりして、沖縄県立博物館・美術館や沖縄県立埋蔵文化財センターで保管されてきました。
失われた部分は琉球王国時代の記録や破損前の文字・文様を写し取った拓本で補いつつも、これらの石碑は、琉球王国時代の歴史や出来事、書の文化、石を彫る職人の技等を知ることができる貴重な文化財です。
 
展示テーマ:「刻まれた歴史-石碑・拓本-」
開催場所:博物館常設展示室内 歴史部門展示室
開催期間:令和3年3月5日(金)~5月23日(日)※予定

 
展示風景(1)             展示風景(2)
 

重要文化財「琉球国時代石碑」25基(指定年月日:令和元年7月23日)

番号 名称 建立年
安国山樹華木之記 1427年
官松嶺記 1497年
円覚禅寺記 1497年
国王頌徳碑 1498年
真珠湊碑文 1522年
崇元寺下馬碑(西) 1527年
一翁寧公之碑 1539年
添継御門之北之碑文 1546年
ようとれのひのもん・極楽山碑文 1620年
10 壺川松尾墓碑 1679年
11 板敷橋記 1689年
12 勢理客橋碑 1691年
13 新濬那覇港碑文 1718年
14 琉球新建儒学碑記 1719年
15 琉球国創建天尊廟天后宮竜王殿関帝祠総記 1731年
16 板良敷村墓碑 1737年
17 龍潭浚渫碑 1754年
18 重修天女橋碑記 1798年
19 琉球国新建国学碑文 1801年
20 改造池城橋碑文 1821年
21 梵字碑 1827年
22 首里新建聖廟碑文 1837年
23 竜樋之碑(源遠流長) 1838年
24 竜樋石額(飛泉漱玉) 1838年
25 竜樋之碑(霊脈流芬) 1866年
   ※記載事項の出典:文化庁文化財第一課『琉球国碑目録』(2019年)一覧表

 

主任学芸員 崎原恭子

シェアしてみゅー

TOP