
サンアイイソバが異国、大国人の海賊を退治する話は、賊をここに来らさないようにってお願いをする久部良祭の由来なんですよね。昔はね、毎年のように海賊船がきてこの島に上がって人間を殺して逃げては行き行きするもんだから、サカイイソバは、どこから海賊が来ても按司達を指揮できるように、島の真ん中に自分の地盤をつくってそこにいたそうだ。ある日、久部良のティバル按司が、久部良の向こうの水平線を見ると、もう船がいっぱいこうしてから並んで来てるもんだからね、「ああ、確かにこれは海賊だ。」と思って、そこからサカイイソバのとこまで慌てて走って行って、「今、ここに向かって遠くから船がいっぱい並んで来てる。あの海賊船が来たらもう私達の命がないが、どうするか。」って来たもんだから、「心配するな。どこから来たか。」っちたらね、「向こうの方。」って言ったから、サカイイソバは馬に乗って、今の西崎(にしざき)灯台のあるところ辺に行って見たら、地平線のところからもういっぱい船が並んで来るもんだから、「やはり来たんだな。」ちゅうことで、サカイイソバは、今の西崎(いりんさてぃ)っていうところはビロウの山でよ、もう大変な深山だったらしいだよね。だからそのビロウを根こそぎ引き抜いては海に投げ投げ、引き抜いては海に投げ投げね、その山が禿げ山になるまでみんな投げて、元々大きな草鞋(わらじ)を作っておいてあるもんだから、その草鞋を一緒に投げて、海賊達が島に上がってくるかと思って隠れて見とったら、島に接近してきた海賊船は、その海に投げ込まれたビロウを見て、「はあ、こんな大木を根こそぎ引くような力持ちがいるんだ。」と言って、また、大きい草鞋を見ると、この草鞋は、「ものすごいおっきい草鞋だ。こんな大きな人がいる島に上がったら大変だ。かえって自分達が殺される。」とやっぱりうろうろしよって、そのまま戻って逃げたらしいですよね。サカイイソバはそれ程までに力のある大の女で島を守ったっという話なんだよ。これが久部良祭の由来の話だが島仲でもその人の誕生した屋敷を基にして島仲祭っちって世果報の豊年の願いを二五日間やるの。だけど、その人は宮古から来た人がよ、ここでサンアイイソバに一升酒を飲まして酔っぱらわしてからここで退治したって話だけど、四年前かな私が役場にいる頃、宮古の人が二人で、わざわざ家(うち)まで訪ねてきて、「サカイイソバの話聞かしてください。」ってから、「どういうことですか。」って言ったらね、その人は、「サカイイソバは宮古の人が多良間に連れて行って退治したと自分達は言ってる。」って言うからね、私は、「違うよ。帰ってきたから、ここで酒を飲ましてさんざん酔っぱらわしてから、殺されたという話を昔から聞いておるさ。だから、ちゃんとここにサカイイソバの墓はあるじゃないか。」って言ったら、その人は、「そうじゃない。いや違うんだ、違うんだ。」って争うからさ、私は別にこれは争うわけはないし、「もう昔ながらの話を聞いておるから、島誌をつくったんじゃないかと思うんだね。だけど、私は目の前で見たんじゃないからさ、違ったら違うようにあんた方考えたらいいんじゃない。みなさんにまかそう。」って言ったんです。
| レコード番号 | 47O341851 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C137 |
| 決定題名 | サンアイイソバ(方言と共通語) |
| 話者がつけた題名 | サカイイソバ |
| 話者名 | 冨里康子 |
| 話者名かな | ふさとやすこ |
| 生年月日 | 19160723 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡与那国町祖納 |
| 記録日 | 19970312 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那国町祖納 T11 B07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | サンアイイソバ,サカイイソバ,久部良祭,海賊船,按司,ビロウ,大きな草鞋,島仲祭,世果報,宮古,退治,多良間 |
| 梗概(こうがい) | サンアイイソバが異国、大国人の海賊を退治する話は、賊をここに来らさないようにってお願いをする久部良祭の由来なんですよね。昔はね、毎年のように海賊船がきてこの島に上がって人間を殺して逃げては行き行きするもんだから、サカイイソバは、どこから海賊が来ても按司達を指揮できるように、島の真ん中に自分の地盤をつくってそこにいたそうだ。ある日、久部良のティバル按司が、久部良の向こうの水平線を見ると、もう船がいっぱいこうしてから並んで来てるもんだからね、「ああ、確かにこれは海賊だ。」と思って、そこからサカイイソバのとこまで慌てて走って行って、「今、ここに向かって遠くから船がいっぱい並んで来てる。あの海賊船が来たらもう私達の命がないが、どうするか。」って来たもんだから、「心配するな。どこから来たか。」っちたらね、「向こうの方。」って言ったから、サカイイソバは馬に乗って、今の西崎(にしざき)灯台のあるところ辺に行って見たら、地平線のところからもういっぱい船が並んで来るもんだから、「やはり来たんだな。」ちゅうことで、サカイイソバは、今の西崎(いりんさてぃ)っていうところはビロウの山でよ、もう大変な深山だったらしいだよね。だからそのビロウを根こそぎ引き抜いては海に投げ投げ、引き抜いては海に投げ投げね、その山が禿げ山になるまでみんな投げて、元々大きな草鞋(わらじ)を作っておいてあるもんだから、その草鞋を一緒に投げて、海賊達が島に上がってくるかと思って隠れて見とったら、島に接近してきた海賊船は、その海に投げ込まれたビロウを見て、「はあ、こんな大木を根こそぎ引くような力持ちがいるんだ。」と言って、また、大きい草鞋を見ると、この草鞋は、「ものすごいおっきい草鞋だ。こんな大きな人がいる島に上がったら大変だ。かえって自分達が殺される。」とやっぱりうろうろしよって、そのまま戻って逃げたらしいですよね。サカイイソバはそれ程までに力のある大の女で島を守ったっという話なんだよ。これが久部良祭の由来の話だが島仲でもその人の誕生した屋敷を基にして島仲祭っちって世果報の豊年の願いを二五日間やるの。だけど、その人は宮古から来た人がよ、ここでサンアイイソバに一升酒を飲まして酔っぱらわしてからここで退治したって話だけど、四年前かな私が役場にいる頃、宮古の人が二人で、わざわざ家(うち)まで訪ねてきて、「サカイイソバの話聞かしてください。」ってから、「どういうことですか。」って言ったらね、その人は、「サカイイソバは宮古の人が多良間に連れて行って退治したと自分達は言ってる。」って言うからね、私は、「違うよ。帰ってきたから、ここで酒を飲ましてさんざん酔っぱらわしてから、殺されたという話を昔から聞いておるさ。だから、ちゃんとここにサカイイソバの墓はあるじゃないか。」って言ったら、その人は、「そうじゃない。いや違うんだ、違うんだ。」って争うからさ、私は別にこれは争うわけはないし、「もう昔ながらの話を聞いておるから、島誌をつくったんじゃないかと思うんだね。だけど、私は目の前で見たんじゃないからさ、違ったら違うようにあんた方考えたらいいんじゃない。みなさんにまかそう。」って言ったんです。 |
| 全体の記録時間数 | 6:11 |
| 物語の時間数 | 6:08 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◯ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |