
昔、ウブデイ原という丘の上に何だか分からない山みたいなものが、天から舞い落ちて転がってきたので、村の人たちは、珍しいものだとよく見ると、それはただ物でなく宝の山なので村の人たちは、「我が島に銭丘(でぃんだぎー)ができた。」と皆で大事に扱うことにして、毎日番を付けていたという。ところがそれをアンドの島の人が聞きつけて、どうにかしてこの島の人の目を盗み、その宝を盗んでわが物にしようと企みから渡来して来たって。そのとき、シタブルにあった俵から笠を被(かぶ)った武士が生まれ出て宝の山を守ろうとしたが、片腕だけがなかなか抜け出せず、「俺のこの腕を早く出せ。俺が出ないとこの島は大変なことになる。この片腕を出すには赤丸牛を一頭殺し、そこに埋めたら俺は出ることができる。早く、早く。」と叫んでも、そこにいる人々はどうすればよいのか、さっぱりわからずあっち行き、こっち行きしていたが、この武士が言っていることを全く聞いてくれず、とうとうその武士は生まれ出ることができず、「もう駄目だ。やられた。どうにもならない。」と叫びながら、そのまま地下に引込んでしまった。島の宝である銭丘は、企んでいたアンドの島の人が、これ幸いと盗み出し、「誰にも見られず、俺はでかした。」と持ち帰ってしまった。島の人たちは、「あの武士が叫んだあの言葉は、もしや銭丘のことではないか。」と大あわてで銭丘にかけつけたが、銭丘は影もなく、島の宝は持っていかれてしまっていた。そこで島人たちは、「残念だ。あの武士の叫んだのは、このことだったのか。」と後悔し、「私たちはこれからどうしよう。今さら言ったって始まらないが早く気が付けばよかった。」と落胆し、残念がって泣いた。銭丘がなくなってから島は衰微し、貧乏となり、一方盗んで運びこんだアンドの島はたちまち富み栄え、今もその状態が続いているという話。
| レコード番号 | 47O341583 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C122 |
| 決定題名 | ディンダギ伝説(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 銭丘由来 |
| 話者名 | 蔵元ナサマ |
| 話者名かな | くらもとなさま |
| 生年月日 | 18960527 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県八重山郡与那国町 |
| 記録日 | 19760803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那国町祖納 T55 A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 昔話は夕食前や遊んでいる時に年寄りから聞いたり、或いは年寄りが4,5人集まって蓑笠や籠を作ったり、麻を紡いだりしているのを手伝いなら昔話をせがんだ。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | ウブデイ原,山みたいなも,舞い落ちて転がってきた,珍しいもの,宝の山,銭丘,でぃんだぎー,アンドの島,企み,渡来,シタブル,俵,笠,武士,片腕,赤丸牛,地下,後悔,島,衰微,貧乏 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ウブデイ原という丘の上に何だか分からない山みたいなものが、天から舞い落ちて転がってきたので、村の人たちは、珍しいものだとよく見ると、それはただ物でなく宝の山なので村の人たちは、「我が島に銭丘(でぃんだぎー)ができた。」と皆で大事に扱うことにして、毎日番を付けていたという。ところがそれをアンドの島の人が聞きつけて、どうにかしてこの島の人の目を盗み、その宝を盗んでわが物にしようと企みから渡来して来たって。そのとき、シタブルにあった俵から笠を被(かぶ)った武士が生まれ出て宝の山を守ろうとしたが、片腕だけがなかなか抜け出せず、「俺のこの腕を早く出せ。俺が出ないとこの島は大変なことになる。この片腕を出すには赤丸牛を一頭殺し、そこに埋めたら俺は出ることができる。早く、早く。」と叫んでも、そこにいる人々はどうすればよいのか、さっぱりわからずあっち行き、こっち行きしていたが、この武士が言っていることを全く聞いてくれず、とうとうその武士は生まれ出ることができず、「もう駄目だ。やられた。どうにもならない。」と叫びながら、そのまま地下に引込んでしまった。島の宝である銭丘は、企んでいたアンドの島の人が、これ幸いと盗み出し、「誰にも見られず、俺はでかした。」と持ち帰ってしまった。島の人たちは、「あの武士が叫んだあの言葉は、もしや銭丘のことではないか。」と大あわてで銭丘にかけつけたが、銭丘は影もなく、島の宝は持っていかれてしまっていた。そこで島人たちは、「残念だ。あの武士の叫んだのは、このことだったのか。」と後悔し、「私たちはこれからどうしよう。今さら言ったって始まらないが早く気が付けばよかった。」と落胆し、残念がって泣いた。銭丘がなくなってから島は衰微し、貧乏となり、一方盗んで運びこんだアンドの島はたちまち富み栄え、今もその状態が続いているという話。 |
| 全体の記録時間数 | 2:18 |
| 物語の時間数 | 2:08 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◯ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |