
モーイ親方は、とっても頓智のすばらしい人だったそうです。カンターのことをモーイカンカンと言って、髪(からじ)がモーイカンカンしているので、モーイ親方といわれているそうです。ある日、お父さんが、首里の王様から大変な難問題を持ちかけられたそうです。最初は、薩摩の国から沖縄の王様に難問題が持ちかけられて、沖縄の王様はまたこのモーイ親方のお父さんにこの問題の回答を依頼されたそうです。お父さんは困りはてて、子供のモーイカンターに相談しますと、「まかせておけ。心配する必要はない、私が考えます。これはとってもたやすい御用である。」と言いました。「じゃあ、どんな問題か。」と、子供のモーイカンターが聞きますと、「大変なことになったんだよ。雄鳥の卵を持ってこいと言うんだよ。」また、もう一つは、灰でなった灰縄(へーじな)を持って来いということだったそうです。もう一つは、首里城を薩摩に持ってこいということで、「これは大変な問題だなあ。」と親は考えてます。子供のモーイカンターはこれを聞いて、「ははあ、こんなたやすい問題なのか、心配無用だ。」と言ってね。そして、モーイカンターは薩摩の殿様に呼ばれたので、「私が沖縄から来た者です。」と言うて、「じゃあ、この問題の雄鳥の卵持ってきたか。」と言ったら、「私のお父さんは男だけれども、卵を産むって裏座(くちゃ)ぐまいして、大変苦しんでおります。」と言うたそうですよ。「まあこれもよかろう。」と。また次は、「はい、灰縄持ってきたか。」と言われたら、焼いた縄をそのまま皿に移して持っていって、「はい、持って参りました。」もう、灰になってしまったかと思ったんでしょうね、薩摩の藩士は。そいで、この灰縄も持っていった。「はい、今度は首里城持ってきたか。」と言われたら、「首里城を乗せる船を造って沖縄に送ってくれたら、これはたやすい御用。首里城もすぐ持って参上します。」と、この三つの難問題をたやすく解いたので、殿様も大変お褒めになって、「うん、今日はあなたが殿様だから、一日薩摩藩士として、あなたの望みの物をなんでもいいから言ってほしい。」と言われました。すると、モーイカンターは、沖縄の人民のことを考えて、「沖縄では、非常に税が高くて困っております。食うにも困っておるのに、税を払うのはまかりならない。この税の契約書類があったら、持ってこい。」と言ったそうですよ。この契約書類を見てね、この税はなくしてくれということで、一日殿様だから書類を破って捨てたそうですよ。
| レコード番号 | 47O411382 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C048 |
| 決定題名 | モーイ親方(共通語) |
| 話者がつけた題名 | モーイカンター |
| 話者名 | 山根ヨネ |
| 話者名かな | やまねよね |
| 生年月日 | 19141214 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 与那城村内間 |
| 記録日 | 19861214 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T21A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P132 |
| キーワード | モーイ親方,頓智,モーイカンカン,父,首里の王様,難問題,薩摩の国,雄鳥の卵,灰縄,首里城,一日殿様 |
| 梗概(こうがい) | モーイ親方は、とっても頓智のすばらしい人だったそうです。カンターのことをモーイカンカンと言って、髪(からじ)がモーイカンカンしているので、モーイ親方といわれているそうです。ある日、お父さんが、首里の王様から大変な難問題を持ちかけられたそうです。最初は、薩摩の国から沖縄の王様に難問題が持ちかけられて、沖縄の王様はまたこのモーイ親方のお父さんにこの問題の回答を依頼されたそうです。お父さんは困りはてて、子供のモーイカンターに相談しますと、「まかせておけ。心配する必要はない、私が考えます。これはとってもたやすい御用である。」と言いました。「じゃあ、どんな問題か。」と、子供のモーイカンターが聞きますと、「大変なことになったんだよ。雄鳥の卵を持ってこいと言うんだよ。」また、もう一つは、灰でなった灰縄(へーじな)を持って来いということだったそうです。もう一つは、首里城を薩摩に持ってこいということで、「これは大変な問題だなあ。」と親は考えてます。子供のモーイカンターはこれを聞いて、「ははあ、こんなたやすい問題なのか、心配無用だ。」と言ってね。そして、モーイカンターは薩摩の殿様に呼ばれたので、「私が沖縄から来た者です。」と言うて、「じゃあ、この問題の雄鳥の卵持ってきたか。」と言ったら、「私のお父さんは男だけれども、卵を産むって裏座(くちゃ)ぐまいして、大変苦しんでおります。」と言うたそうですよ。「まあこれもよかろう。」と。また次は、「はい、灰縄持ってきたか。」と言われたら、焼いた縄をそのまま皿に移して持っていって、「はい、持って参りました。」もう、灰になってしまったかと思ったんでしょうね、薩摩の藩士は。そいで、この灰縄も持っていった。「はい、今度は首里城持ってきたか。」と言われたら、「首里城を乗せる船を造って沖縄に送ってくれたら、これはたやすい御用。首里城もすぐ持って参上します。」と、この三つの難問題をたやすく解いたので、殿様も大変お褒めになって、「うん、今日はあなたが殿様だから、一日薩摩藩士として、あなたの望みの物をなんでもいいから言ってほしい。」と言われました。すると、モーイカンターは、沖縄の人民のことを考えて、「沖縄では、非常に税が高くて困っております。食うにも困っておるのに、税を払うのはまかりならない。この税の契約書類があったら、持ってこい。」と言ったそうですよ。この契約書類を見てね、この税はなくしてくれということで、一日殿様だから書類を破って捨てたそうですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:15 |
| 物語の時間数 | 4:02 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |