
昔、あるところにとっても仲良しの友達がいた。そのうちの一人はまじめで、とっても働き者で、生活も安定していた。もう一人は、「仕事なんてなんだ」と言って、怠け者で、仕事もせず、いつも生活に困っていた。ある日、怠け者の男は、「あいつはあんなに幸せに暮らしているのに、なんで自分は生活に苦しんでいるのかなあ」と考えて、働き者の友達の所に行ったって。そして、「あんたは、こんなに幸せに暮らしているのに自分はこのさまだ。どうか、金持ちになるコツを教えてくれないか」と聞いた。働き者は「じゃあ、あんたは私がいう事を守れるか」と。「守れるよ」「じゃあ、あんたの鍬を持ってきなさい。柄をつけてあげるから」と言ったので、怠け者は、言われるままに鍬を持ってきた。その鍬に、働き者は柄をつけてやった。けれども、それは、握れないほどの大きな鍬の柄だった。怠け者は、「あんたは人をバカにしているのか。握ることもできないこんな鍬の柄で、どうして仕事ができるか」と、たいへん怒った。けれど、働き者が、「あんたはそう言うけれども、私の鍬の柄も最初はこうだった。毎日毎日働いて、一年、二年と年月がたつうちに、今の鍬のように細くなってしまった。」と言ったので、怠け者は、「そうか。なるほどなあ」と言って、黙っていたそうだ。それから働き者は、「それだけではない。もう一つあるから、行こうか」と言って、自分の小屋からロープを取り出してきた。「さあ、このロープを担げ」と言って、歩いて行った。そして、高い、高い崖の上まで行ったって。そこで、ロープの片口を崖の上の松の木に括って、片口は崖の方に投げつけてから、怠け者に言った。「さあ、このロープから降りて行きなさい」と。「うん」と言って行ったものの、途中まで行ったら、上の方から、「さあ、このロープから手をはなせ」と言われた。誰が考えてもロープから手をはなせば、下の方に落ちて死ぬのはあたりまえでしょう。それでまた怠け者は怒ってね。「大変だこやつは私を殺すために連れてきたんだ」と言って上に上がってきて、働き者に文句を言った。ところが、働き者は、言われるままに怒られていったって。そして、言ったそうだ。「あんたはそういうけれどもね、人間とういうのは、毎日が毎日、崖であのロープをつかんで下がっておるのと同じだよ。これは、毎日仕事から離れてはいけないという意味だよ。まじめに仕事をやりなさいということなんだよ」と、言い聞かせた。「なるほど、そうかなあ」と、怠け者も考え直して、それからはよく働いて成功したという話もありますよ。
| レコード番号 | 47O411316 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C045 |
| 決定題名 | 金持ちの教訓(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 平安座蒲安 |
| 話者名かな | へんざかまやす |
| 生年月日 | 19100702 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 与那城村屋慶名 |
| 記録日 | 19861214 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T18B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 友達,まじめ,働き者,怠け者,金持ちになるコツ,鍬の柄,ロープ,崖 |
| 梗概(こうがい) | 昔、あるところにとっても仲良しの友達がいた。そのうちの一人はまじめで、とっても働き者で、生活も安定していた。もう一人は、「仕事なんてなんだ」と言って、怠け者で、仕事もせず、いつも生活に困っていた。ある日、怠け者の男は、「あいつはあんなに幸せに暮らしているのに、なんで自分は生活に苦しんでいるのかなあ」と考えて、働き者の友達の所に行ったって。そして、「あんたは、こんなに幸せに暮らしているのに自分はこのさまだ。どうか、金持ちになるコツを教えてくれないか」と聞いた。働き者は「じゃあ、あんたは私がいう事を守れるか」と。「守れるよ」「じゃあ、あんたの鍬を持ってきなさい。柄をつけてあげるから」と言ったので、怠け者は、言われるままに鍬を持ってきた。その鍬に、働き者は柄をつけてやった。けれども、それは、握れないほどの大きな鍬の柄だった。怠け者は、「あんたは人をバカにしているのか。握ることもできないこんな鍬の柄で、どうして仕事ができるか」と、たいへん怒った。けれど、働き者が、「あんたはそう言うけれども、私の鍬の柄も最初はこうだった。毎日毎日働いて、一年、二年と年月がたつうちに、今の鍬のように細くなってしまった。」と言ったので、怠け者は、「そうか。なるほどなあ」と言って、黙っていたそうだ。それから働き者は、「それだけではない。もう一つあるから、行こうか」と言って、自分の小屋からロープを取り出してきた。「さあ、このロープを担げ」と言って、歩いて行った。そして、高い、高い崖の上まで行ったって。そこで、ロープの片口を崖の上の松の木に括って、片口は崖の方に投げつけてから、怠け者に言った。「さあ、このロープから降りて行きなさい」と。「うん」と言って行ったものの、途中まで行ったら、上の方から、「さあ、このロープから手をはなせ」と言われた。誰が考えてもロープから手をはなせば、下の方に落ちて死ぬのはあたりまえでしょう。それでまた怠け者は怒ってね。「大変だこやつは私を殺すために連れてきたんだ」と言って上に上がってきて、働き者に文句を言った。ところが、働き者は、言われるままに怒られていったって。そして、言ったそうだ。「あんたはそういうけれどもね、人間とういうのは、毎日が毎日、崖であのロープをつかんで下がっておるのと同じだよ。これは、毎日仕事から離れてはいけないという意味だよ。まじめに仕事をやりなさいということなんだよ」と、言い聞かせた。「なるほど、そうかなあ」と、怠け者も考え直して、それからはよく働いて成功したという話もありますよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:50 |
| 物語の時間数 | 5:28 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |