
首里の仲村渠(なかんだかり)マカテーという人がある家に嫁いだんだが、長男もできなくて家から出されてしまった。それで、崇元寺(そうげんじ)橋という橋の下で豆腐売(とうふう)やぁしているときに、再婚した。それから男の子ができたんだが、マカテーは自分が腹を痛めて産んだ長男だからと、この子を大切に育てたそうだ。ある日、その子がマカテーに言った。「私が死ぬときは外には出さないで、ぜひ家に葬って下さい。」と。「どうしてお前、そんなことを言うのか。」「私はお母さんの子供だから遠くには行きません。ぜひお母さんの孝行をしたいから、家に葬って下さい。」それから、その子が死んだので、マカテーは家の後ろ側に葬ってやった。ところが、三ヵ月ぐらいして、その子を葬ったところから煙草の木が一本生えてきた。「お母さん、その木の葉で煙草を吸って毎日暮らしなさい。」と言ってね。マカテーは煙草の葉を吸ったそうだ。それで、煙草は仲村渠マカテーの子供の胸から出たもんだから、吸ってもいいということになったそうだ。そして、また子供が亡くなってから仲村渠マカテーのところに前の夫がやって来た。マカテーは、「いや、もう絶対にいやです。あなたとはできません。」と追い返したけど、毎晩来たらしい。昔は子供が亡くなったら、夜は苧を紡いだ。マカテーは前の夫が来たときに、紡いだ糸を後ろにして、首里から普天間まで歩いて逃げて、普天間権現の穴に入った。夫もまた糸をたどって普天間宮に入った。そうしたら、普天間宮の中にはアカマターがおった。仲村渠マカテーがアカマターになって前の夫はそのアカマ ^ーに騙されて夫婦になったという。それで、あのときから普天間権現を拝むようになったそうだ。
| レコード番号 | 47O410719 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C022 |
| 決定題名 | 仲村渠マカテーと煙草の木(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 喜納松三 |
| 話者名かな | きなまつぞう |
| 生年月日 | 19021205 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 与那城村宮城島桃原 |
| 記録日 | 19741118 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T22B10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P396 |
| キーワード | 首里の仲村渠マカテー,、崇元寺橋,豆腐売り,再婚,男の子,お母さんの孝行,家に葬って下さい,煙草の木,苧,普天間権現の穴 |
| 梗概(こうがい) | 首里の仲村渠(なかんだかり)マカテーという人がある家に嫁いだんだが、長男もできなくて家から出されてしまった。それで、崇元寺(そうげんじ)橋という橋の下で豆腐売(とうふう)やぁしているときに、再婚した。それから男の子ができたんだが、マカテーは自分が腹を痛めて産んだ長男だからと、この子を大切に育てたそうだ。ある日、その子がマカテーに言った。「私が死ぬときは外には出さないで、ぜひ家に葬って下さい。」と。「どうしてお前、そんなことを言うのか。」「私はお母さんの子供だから遠くには行きません。ぜひお母さんの孝行をしたいから、家に葬って下さい。」それから、その子が死んだので、マカテーは家の後ろ側に葬ってやった。ところが、三ヵ月ぐらいして、その子を葬ったところから煙草の木が一本生えてきた。「お母さん、その木の葉で煙草を吸って毎日暮らしなさい。」と言ってね。マカテーは煙草の葉を吸ったそうだ。それで、煙草は仲村渠マカテーの子供の胸から出たもんだから、吸ってもいいということになったそうだ。そして、また子供が亡くなってから仲村渠マカテーのところに前の夫がやって来た。マカテーは、「いや、もう絶対にいやです。あなたとはできません。」と追い返したけど、毎晩来たらしい。昔は子供が亡くなったら、夜は苧を紡いだ。マカテーは前の夫が来たときに、紡いだ糸を後ろにして、首里から普天間まで歩いて逃げて、普天間権現の穴に入った。夫もまた糸をたどって普天間宮に入った。そうしたら、普天間宮の中にはアカマターがおった。仲村渠マカテーがアカマターになって前の夫はそのアカマ ^ーに騙されて夫婦になったという。それで、あのときから普天間権現を拝むようになったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:16 |
| 物語の時間数 | 4:54 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |