
これは私らが、七、八歳のときの話だよ。ある男の人が野原へ出たときに、林の木の枝にハブが下がっていて、尻尾を何回も巻いてね。道の高さを測るような姿で、上がったり下がったりしていた。男は、「珍しいこともあるもんだなあ。」と言って傍で見ていたが、「これは今日は、不思議なハブを見た。ただごとではないぞ。一歩も動いてはならん。」と思って、そこに立っていたって。案の定、そこへ、二、三日後には結婚式をあげるという綺麗な娘が、籠を持っていそいそやってきた。ハブは待っていたとばかりに、がん首を上げて攻撃をくわえる姿勢になった。娘が気づかずにそこを通ろうとしたので、男は、「お嬢さん、待て。」と声をかけた。娘が、「はっ。」と言って立ち止まったら、「お前、上におるものを見ておるか。」と。ハブが、今にも娘に向かって攻撃しようと、木から下がっていた。男は、「この野郎。」と言って、持っていた天秤棒でハブを叩いて殺した。それでこの娘は、そのときは命びろいをして、家へ帰った。いよいよ結婚式の日になった。昔は、ちっちゃな使い古し フザルに茅を入れて鶏の巣を作り、そこに卵を産ませていた。夜になってから、娘が卵を取ろうと思って鶏の巣に手を入れた。手を入れたらハブがいてね、娘はハブに噛まれて死んだそうだ。だから、いっぺんはある人のおかげで助かったけれど、どうしても死の運命からのがれることができなくて、そのハブにやられて死んだという話。
| レコード番号 | 47O410505 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C011 |
| 決定題名 | ハブにねらわれた娘(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮里三郎 |
| 話者名かな | みやざとさぶろう |
| 生年月日 | 19011217 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 与那城村上原 |
| 記録日 | 19720806 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T12B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | よなぐすくの民話P245 |
| キーワード | 男の人,野原,ハブ,結婚式,綺麗な娘,命びろい,ザル,鶏の巣,娘はハブに噛まれて死んだ,死の運命 |
| 梗概(こうがい) | これは私らが、七、八歳のときの話だよ。ある男の人が野原へ出たときに、林の木の枝にハブが下がっていて、尻尾を何回も巻いてね。道の高さを測るような姿で、上がったり下がったりしていた。男は、「珍しいこともあるもんだなあ。」と言って傍で見ていたが、「これは今日は、不思議なハブを見た。ただごとではないぞ。一歩も動いてはならん。」と思って、そこに立っていたって。案の定、そこへ、二、三日後には結婚式をあげるという綺麗な娘が、籠を持っていそいそやってきた。ハブは待っていたとばかりに、がん首を上げて攻撃をくわえる姿勢になった。娘が気づかずにそこを通ろうとしたので、男は、「お嬢さん、待て。」と声をかけた。娘が、「はっ。」と言って立ち止まったら、「お前、上におるものを見ておるか。」と。ハブが、今にも娘に向かって攻撃しようと、木から下がっていた。男は、「この野郎。」と言って、持っていた天秤棒でハブを叩いて殺した。それでこの娘は、そのときは命びろいをして、家へ帰った。いよいよ結婚式の日になった。昔は、ちっちゃな使い古し フザルに茅を入れて鶏の巣を作り、そこに卵を産ませていた。夜になってから、娘が卵を取ろうと思って鶏の巣に手を入れた。手を入れたらハブがいてね、娘はハブに噛まれて死んだそうだ。だから、いっぺんはある人のおかげで助かったけれど、どうしても死の運命からのがれることができなくて、そのハブにやられて死んだという話。 |
| 全体の記録時間数 | 5:02 |
| 物語の時間数 | 4:57 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |