
沖縄では、美人というのにツラーというんです。この謝名のツラーという人は、この辺では、そうとう名の売れた美人であったらしいんです。そう古いことじゃなくして、二百年前ぐらいじゃないかと思いますが。昔は、どこでも綺麗な人は奉公に出しよったんですよね。いわば、御殿(うどぅん)に奉公に連れられて行ってね。それで、この辺で綺麗という人だから、御殿でもそうとうもてはやされたんです。ところが、謝名のツュラーの親兄弟は、「これは他の男と連れ添って遊んでいるんだ」と誤解してね。「これは家の恥、親の恥である。」という事で、謝名のツラーをくり舟に乗せて、東のミドゥチという瀬に連れて行って立たせて、自分らは家へ帰ったわけです。そしたら、謝名のツラーは、そんな遠いところに立たされて、泳ぐという力はないし、死を待つというほか道はないと悲しんでいたそうです。そこへ、漁を終えた宮城の人が通りがかって、謝名のツラーを助けて宮城に連れて行ったわけです。そして、食事を与え、介抱していたんですが、それが、平安座の家族に知れたんですね。謝名のツラーの家族は、親子で宮城の人のところへ行って、「どうして助けたか。元のところへ連れて行け。」と迫ったそうです。それから、また今度も、ミドゥチの瀬に連れて行って立たせてから、自分らは家へ帰ったんです。それで、謝名のツラーは潮が満つと同時に溺れ死んだそうです。こういう悲劇があったといいます。それで、今に至って、この人の美を讃えて、美神として、門中で崇めています。
| レコード番号 | 47O410380 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C004 |
| 決定題名 | 謝名のツラー(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 弥保三郎 |
| 話者名かな | やほさぶろう |
| 生年月日 | 18960211 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | - |
| 記録日 | 19720808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 与那城村T6B2 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 美人,謝名のツラー,奉公,御殿,舟,東のミドゥチ,漁,宮城の人 |
| 梗概(こうがい) | 沖縄では、美人というのにツラーというんです。この謝名のツラーという人は、この辺では、そうとう名の売れた美人であったらしいんです。そう古いことじゃなくして、二百年前ぐらいじゃないかと思いますが。昔は、どこでも綺麗な人は奉公に出しよったんですよね。いわば、御殿(うどぅん)に奉公に連れられて行ってね。それで、この辺で綺麗という人だから、御殿でもそうとうもてはやされたんです。ところが、謝名のツュラーの親兄弟は、「これは他の男と連れ添って遊んでいるんだ」と誤解してね。「これは家の恥、親の恥である。」という事で、謝名のツラーをくり舟に乗せて、東のミドゥチという瀬に連れて行って立たせて、自分らは家へ帰ったわけです。そしたら、謝名のツラーは、そんな遠いところに立たされて、泳ぐという力はないし、死を待つというほか道はないと悲しんでいたそうです。そこへ、漁を終えた宮城の人が通りがかって、謝名のツラーを助けて宮城に連れて行ったわけです。そして、食事を与え、介抱していたんですが、それが、平安座の家族に知れたんですね。謝名のツラーの家族は、親子で宮城の人のところへ行って、「どうして助けたか。元のところへ連れて行け。」と迫ったそうです。それから、また今度も、ミドゥチの瀬に連れて行って立たせてから、自分らは家へ帰ったんです。それで、謝名のツラーは潮が満つと同時に溺れ死んだそうです。こういう悲劇があったといいます。それで、今に至って、この人の美を讃えて、美神として、門中で崇めています。 |
| 全体の記録時間数 | 6:21 |
| 物語の時間数 | 6:21 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |