
昔、ずっと昔、何百年先大昔にね、田名部落にさ、新垣マジルーという大変容姿が美しい娘がいてね、もう田名部落の青年たちが、「自分の妻にしょう。」と言ってさ、すごく望んでからさ、夜、この娘の家に通ったみたいさ。だけどさ、この新垣マジルは、「絶対にこの島の若い青年たちの妻にはならない。」と、青年たちを嫌い嫌いして、もう家にこもっているみたいだが、ある日、沖縄本島から田名部落に小舟に乗った若い男が着いたみたいさ。舟を止めて、もう田名部落に入って来たら、ちょうどこの青年が行った家は、新垣マジルの家だったみたいさ。それで、この青年はさ、この家でさ、ひと月も暮らしたからさ、生活しているうちに、お互いにさ、一家の人と知り合いになったみたいさ。それから、この若い青年は、ある日、海に出て釣りに行ったたみたいだが、嵐にあってからさ、この新垣マジルーの家に帰ってこなくなってしまったさ。ひと月待っても来ない、ふた月待っても来ないのでさ、字の若い青年たちは、「お前の夫はもう今までたっても帰ってこないのだから、もう死んでいる。もう私の妻になれ。」とあれこれ、紹介しているみたいさ。しているがさ、新垣マジルは、「絶対、私の夫は、どこかにいるはずだから、必ず帰って来る。」と言ってさ、この田名部落の後ろの方の海に、ちょうど無蔵水という大きな岩があるさ。新垣マジルは、この無蔵水の石の上に行ってさ、「必ず自分の夫は、帰って来るはず。」と、ここに機織りしていたみたい。それで、ある日、この新垣マジルが無蔵水で機織りをして見ていると、ずっと遠い沖からさ、葵蒲(くば)の笠が見えてきたって。この新垣マジルはさ、これをずっと見つめていると、それは、次第に自分の近くの無蔵水のところに寄って来たってさ。近くになってきたら、小舟には、男が一人乗っていたってさ。したらさ、それが自分の待っていた夫になっていたって。それで、ここで二人は、もうお互いに縁結びしてから、夫婦になったという、この話だけど。それでさ、歌も書かれているが、歌にはさ、「大田名(うふだな)ぬ後(くし)に 無蔵水(ん ぞ みじ)ぬあしが〔田名の後ろに無蔵水があるが〕夫(うとぅ)振(ふ)ゆるあんぐゎ ありに浴(あ)みし〔夫に尽くさない女は、あの水で浴びなさい〕」「夫(うとぅ)ん振(ふ)やびらん里(さとぅ)振(ふ)やびらん〔私は夫をふったわけでもない。里をふったわけでもない〕今(なま)童(わらび)やてぃる一人(ちゅい)や振(ふ)たる〔私はまだ子供なので、一人の人をふっただけです〕。」と、これはいつまでも話はある。
| レコード番号 | 47O381330 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C068 |
| 決定題名 | 無蔵水の話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉ハル |
| 話者名かな | なかはる |
| 生年月日 | 19160325 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字我喜屋 |
| 記録日 | 19850226 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村我喜屋 T27 A14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P 23 |
| キーワード | 田名部落,新垣マジルー,嵐,無蔵水,機織り,葵蒲の笠,夫婦,歌だ子供なので、一人の人をふっただけです〕。」と、これはいつまでも話はある。 |
| 梗概(こうがい) | 昔、ずっと昔、何百年先大昔にね、田名部落にさ、新垣マジルーという大変容姿が美しい娘がいてね、もう田名部落の青年たちが、「自分の妻にしょう。」と言ってさ、すごく望んでからさ、夜、この娘の家に通ったみたいさ。だけどさ、この新垣マジルは、「絶対にこの島の若い青年たちの妻にはならない。」と、青年たちを嫌い嫌いして、もう家にこもっているみたいだが、ある日、沖縄本島から田名部落に小舟に乗った若い男が着いたみたいさ。舟を止めて、もう田名部落に入って来たら、ちょうどこの青年が行った家は、新垣マジルの家だったみたいさ。それで、この青年はさ、この家でさ、ひと月も暮らしたからさ、生活しているうちに、お互いにさ、一家の人と知り合いになったみたいさ。それから、この若い青年は、ある日、海に出て釣りに行ったたみたいだが、嵐にあってからさ、この新垣マジルーの家に帰ってこなくなってしまったさ。ひと月待っても来ない、ふた月待っても来ないのでさ、字の若い青年たちは、「お前の夫はもう今までたっても帰ってこないのだから、もう死んでいる。もう私の妻になれ。」とあれこれ、紹介しているみたいさ。しているがさ、新垣マジルは、「絶対、私の夫は、どこかにいるはずだから、必ず帰って来る。」と言ってさ、この田名部落の後ろの方の海に、ちょうど無蔵水という大きな岩があるさ。新垣マジルは、この無蔵水の石の上に行ってさ、「必ず自分の夫は、帰って来るはず。」と、ここに機織りしていたみたい。それで、ある日、この新垣マジルが無蔵水で機織りをして見ていると、ずっと遠い沖からさ、葵蒲(くば)の笠が見えてきたって。この新垣マジルはさ、これをずっと見つめていると、それは、次第に自分の近くの無蔵水のところに寄って来たってさ。近くになってきたら、小舟には、男が一人乗っていたってさ。したらさ、それが自分の待っていた夫になっていたって。それで、ここで二人は、もうお互いに縁結びしてから、夫婦になったという、この話だけど。それでさ、歌も書かれているが、歌にはさ、「大田名(うふだな)ぬ後(くし)に 無蔵水(ん ぞ みじ)ぬあしが〔田名の後ろに無蔵水があるが〕夫(うとぅ)振(ふ)ゆるあんぐゎ ありに浴(あ)みし〔夫に尽くさない女は、あの水で浴びなさい〕」「夫(うとぅ)ん振(ふ)やびらん里(さとぅ)振(ふ)やびらん〔私は夫をふったわけでもない。里をふったわけでもない〕今(なま)童(わらび)やてぃる一人(ちゅい)や振(ふ)たる〔私はまだ子供なので、一人の人をふっただけです〕。」と、これはいつまでも話はある。 |
| 全体の記録時間数 | 1:27 |
| 物語の時間数 | 1:26 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |