夫振岩(共通語)

概要

羽地(はねじ)の源河(ぎんか)の北側のすぐ沖に夫婦岩(めおといわ)というて、二つ並んでひっついている岩があるんですよ。この岩の由来の話です。この話の女は非常に裕福な家の娘で、男は今帰仁(なちじん)の湧川(わくがー)から来て働いておったが、働き者だから、それで、二人を夫婦にしようと親と親の仲で結んだわけ。そしたら、その女が、「いや。」と言って、承知しないわけ。そしたら、「こんな立派な男を夫に持つのは、非常に幸福なのに、いやと言っているから何とかしよう。」と言って、両方の親が考えて、「さあ、私らは夜釣りに行くから、一緒に観光しよう。」と言うて、その女と男を船に乗せて、その岩に連れて行ってね、「はい、ゆっくり廻ってあたりを見なさいよ。」と岩の両端に女と男を下ろして、親父なんかはすぐに逃げたわけ。だけど、その岩は非常に小(こま)いからね、ゆっくり廻ってあたりを見るほどの石じゃないですよ。そしたら、冬の寒い時期だからね、夜になって北風も吹くし、潮もふるんだから、寒いでしょう。女は一重物(ひとえもの)だけをつけて連れて行かれているから、ガタガタこんなに震えておるのに、男はまた寒くないように自分の上着をつけて、その上にそこの名産着物を二枚着けて連れて行っておるわけさ。それで、この女のところに男が行ってね、「寒いか。」と言っても、女は返事をしない。それが、ぬくもるまでですね、男もそこに座っておるわけ。そしたら、とうとう後は女が根負けしてね、「こんなに親切にしてくれてありがとう。二人、一緒になろう。」と言ってね、男を抱いてしまったと。そして、あくる日、親なんかが連れに行ったらね、二人ともお互い寒いでしょう。朝まで、こんなに抱き合っているのを見てですね、「はあ、もうこれで満足いった。」と言って、それから帰って行って、二人は夫婦の縁を結んで、非常に裕福に暮らしたという話。

再生時間:3:35

民話詳細DATA

レコード番号 47O380868
CD番号 47O38C044
決定題名 夫振岩(共通語)
話者がつけた題名 夫婦岩
話者名 宮城松助
話者名かな みやぎまつすけ
生年月日 19000204
性別
出身地 沖縄県島尻郡伊平屋村字前泊
記録日 19800907
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 島尻郡伊平屋村前泊 T07 B02 
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情 集まりの時や船員だった頃におもに年寄りから聞いた。
文字化資料
キーワード 羽地,源河,夫婦岩,夫婦,夜釣り,着物,根負け
梗概(こうがい) 羽地(はねじ)の源河(ぎんか)の北側のすぐ沖に夫婦岩(めおといわ)というて、二つ並んでひっついている岩があるんですよ。この岩の由来の話です。この話の女は非常に裕福な家の娘で、男は今帰仁(なちじん)の湧川(わくがー)から来て働いておったが、働き者だから、それで、二人を夫婦にしようと親と親の仲で結んだわけ。そしたら、その女が、「いや。」と言って、承知しないわけ。そしたら、「こんな立派な男を夫に持つのは、非常に幸福なのに、いやと言っているから何とかしよう。」と言って、両方の親が考えて、「さあ、私らは夜釣りに行くから、一緒に観光しよう。」と言うて、その女と男を船に乗せて、その岩に連れて行ってね、「はい、ゆっくり廻ってあたりを見なさいよ。」と岩の両端に女と男を下ろして、親父なんかはすぐに逃げたわけ。だけど、その岩は非常に小(こま)いからね、ゆっくり廻ってあたりを見るほどの石じゃないですよ。そしたら、冬の寒い時期だからね、夜になって北風も吹くし、潮もふるんだから、寒いでしょう。女は一重物(ひとえもの)だけをつけて連れて行かれているから、ガタガタこんなに震えておるのに、男はまた寒くないように自分の上着をつけて、その上にそこの名産着物を二枚着けて連れて行っておるわけさ。それで、この女のところに男が行ってね、「寒いか。」と言っても、女は返事をしない。それが、ぬくもるまでですね、男もそこに座っておるわけ。そしたら、とうとう後は女が根負けしてね、「こんなに親切にしてくれてありがとう。二人、一緒になろう。」と言ってね、男を抱いてしまったと。そして、あくる日、親なんかが連れに行ったらね、二人ともお互い寒いでしょう。朝まで、こんなに抱き合っているのを見てですね、「はあ、もうこれで満足いった。」と言って、それから帰って行って、二人は夫婦の縁を結んで、非常に裕福に暮らしたという話。
全体の記録時間数 5:00
物語の時間数 3:35
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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