
これはね、首里の金城(かなぐしく)にあった話かわかりませんけれどもね、本当は首里金城のホーハイ餅といいますよね。なぜ、これはこんな名をつけておると言ったら、兄妹二、三名おったそうですね。だが、そのうちに一人はね、鬼になってですね、自分の兄妹はかたっぱしから、一人一人喰ってしまいよったそうです。そして、後の終わりにはね、妹が一人残ってね、「今度は、私の番になるが、どうしたらいいかね。」と非常に心配しておるときにね、誰か知らないお爺さんが現れてですね、「なんで、こんなに心配しているか。」と言ったら、「ああ、実はこうこうと、こんな次第で、兄妹二、三名おりますけれども、もうかたっぱしから、一人の鬼に喰われてしまって、私一人残っていますが、今日は私を喰うはずと思って、私はどんなふうにしたらいいかと非常に心配しているよ。」と言うたらね、このお爺さんの教え方がね、「じゃあね、私がいい教え方をやってあげますから、私が言うとおりにやってみなさい。」と言うたそうです。そしたら、「お願いします。どういうふうにしたらようございますか。」と言ったら、お爺さんが言うには、師走にね、師走といったら旧の十二月八日にね、鬼餅ね、カーサ餅よ、あれ作ってね、今度は餅をはずしてね、このお餅は人の舌に似ているでしょう。平たくこんなにして長いでしょう。これをカーサからはずして、この鬼餅を口にくくんでね、真っ裸になってよ、そして、鬼が食べに来たならばね、この鬼餅を口にはさんで、そして、全く着物を着けずに丸裸になって、鬼のところに進んで行きなさいと。鬼は、これを見てね、これ人の舌と思っているはず。じゃあ、私より勝る鬼がおると、だから、この鬼はね、この自分の妹であるけれども、こんな妹と別れて、口に餅はさんでいるから、驚いて後ずさり、後ずさりして、次第にこんなね、もう逃げるように後ずさりしたそうですよ。妹は、鬼が後ずさりしたら、前に進んで行って、とうとうこの鬼のね、後ろはね、崖になっておったそうですよ。崖も分からずに後は、この鬼はね、崖に落ちて死んだと。これで、この師走八日は鬼餅(おにむーちー)と言って、昔は本島では、鬼餅ね、鍋に蒸すでしょう。この蒸して残った鍋の水をね、戸口の方にかけましたよ。熱いお湯をこんなにして、「鬼の足を焼く。」言うて、意味がありましたがね。これは本当か嘘かわかりませんけれども、とにかく、こういうお話があるということを聞きましたがね。
| レコード番号 | 47O380815 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C041 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山川オト |
| 話者名かな | やまかわおと |
| 生年月日 | 18871206 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市小禄 |
| 記録日 | 19800908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村我喜屋 T05 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12,80 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P191 |
| キーワード | 首里金城,ホーハイ餅,兄妹,鬼,師走,旧の十二月八日,鬼餅,カーサ餅,丸裸,崖,戸口 |
| 梗概(こうがい) | これはね、首里の金城(かなぐしく)にあった話かわかりませんけれどもね、本当は首里金城のホーハイ餅といいますよね。なぜ、これはこんな名をつけておると言ったら、兄妹二、三名おったそうですね。だが、そのうちに一人はね、鬼になってですね、自分の兄妹はかたっぱしから、一人一人喰ってしまいよったそうです。そして、後の終わりにはね、妹が一人残ってね、「今度は、私の番になるが、どうしたらいいかね。」と非常に心配しておるときにね、誰か知らないお爺さんが現れてですね、「なんで、こんなに心配しているか。」と言ったら、「ああ、実はこうこうと、こんな次第で、兄妹二、三名おりますけれども、もうかたっぱしから、一人の鬼に喰われてしまって、私一人残っていますが、今日は私を喰うはずと思って、私はどんなふうにしたらいいかと非常に心配しているよ。」と言うたらね、このお爺さんの教え方がね、「じゃあね、私がいい教え方をやってあげますから、私が言うとおりにやってみなさい。」と言うたそうです。そしたら、「お願いします。どういうふうにしたらようございますか。」と言ったら、お爺さんが言うには、師走にね、師走といったら旧の十二月八日にね、鬼餅ね、カーサ餅よ、あれ作ってね、今度は餅をはずしてね、このお餅は人の舌に似ているでしょう。平たくこんなにして長いでしょう。これをカーサからはずして、この鬼餅を口にくくんでね、真っ裸になってよ、そして、鬼が食べに来たならばね、この鬼餅を口にはさんで、そして、全く着物を着けずに丸裸になって、鬼のところに進んで行きなさいと。鬼は、これを見てね、これ人の舌と思っているはず。じゃあ、私より勝る鬼がおると、だから、この鬼はね、この自分の妹であるけれども、こんな妹と別れて、口に餅はさんでいるから、驚いて後ずさり、後ずさりして、次第にこんなね、もう逃げるように後ずさりしたそうですよ。妹は、鬼が後ずさりしたら、前に進んで行って、とうとうこの鬼のね、後ろはね、崖になっておったそうですよ。崖も分からずに後は、この鬼はね、崖に落ちて死んだと。これで、この師走八日は鬼餅(おにむーちー)と言って、昔は本島では、鬼餅ね、鍋に蒸すでしょう。この蒸して残った鍋の水をね、戸口の方にかけましたよ。熱いお湯をこんなにして、「鬼の足を焼く。」言うて、意味がありましたがね。これは本当か嘘かわかりませんけれども、とにかく、こういうお話があるということを聞きましたがね。 |
| 全体の記録時間数 | 4:27 |
| 物語の時間数 | 3:58 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |