
この二人は、昔の言わば上流階級の方でしょう。一人は支那に行く途中にね、自分の友人に、「私の家内を三ケ年預かってくれ。」というような約束で支那に行ったんです。 そうしたところが、友人というのは、またとっても義理堅い人で、それから、いつも支那に行った人の奥さんがこっちに寝ておって、その奥さんを毎晩手がさわって守っていたそうです。そしたら、手で奥さんの腹をさわるでしょう。もう長年になりますから、友だちの奥さんは、手で妊娠したらしいです。 そして、旦那さんは三ケ年終えて帰っ来たらしいんですね。そうしたところがもう妊娠しておるからね、「こいつは、売女(ばいた)め。」と言ってね、怒って奥さんを殺そうとしたらしいんです。 ところが、まあ後でつくづく考えてみるとね、決して自分の友だちは、そんな人間じゃないというようなことで、「とにかく、まあ産んだ場合にはわかるでしょう。」と言って、臨月になったんでしょう。そうしたところが、あにはからんね、生まれたのは、子どもじゃなくて、手(てー)が生まれてきたという。そういうような話。 だから、これは僕たちの想像ですがね、例えば友人が守った手の霊が腹にうつったんじゃないかな。
| レコード番号 | 47O380744 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C037 |
| 決定題名 | 手の子(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 手が妊娠した話 |
| 話者名 | 上原忠信 |
| 話者名かな | うえはらちゅうしん |
| 生年月日 | 19121130 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県糸満市町端 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村前泊 T03 A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 15 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P162 |
| キーワード | 上流階級,支那,妊娠,手 |
| 梗概(こうがい) | この二人は、昔の言わば上流階級の方でしょう。一人は支那に行く途中にね、自分の友人に、「私の家内を三ケ年預かってくれ。」というような約束で支那に行ったんです。 そうしたところが、友人というのは、またとっても義理堅い人で、それから、いつも支那に行った人の奥さんがこっちに寝ておって、その奥さんを毎晩手がさわって守っていたそうです。そしたら、手で奥さんの腹をさわるでしょう。もう長年になりますから、友だちの奥さんは、手で妊娠したらしいです。 そして、旦那さんは三ケ年終えて帰っ来たらしいんですね。そうしたところがもう妊娠しておるからね、「こいつは、売女(ばいた)め。」と言ってね、怒って奥さんを殺そうとしたらしいんです。 ところが、まあ後でつくづく考えてみるとね、決して自分の友だちは、そんな人間じゃないというようなことで、「とにかく、まあ産んだ場合にはわかるでしょう。」と言って、臨月になったんでしょう。そうしたところが、あにはからんね、生まれたのは、子どもじゃなくて、手(てー)が生まれてきたという。そういうような話。 だから、これは僕たちの想像ですがね、例えば友人が守った手の霊が腹にうつったんじゃないかな。 |
| 全体の記録時間数 | 2:12 |
| 物語の時間数 | 1:31 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |