
昔、兄弟(ちょーでー)の爺さん二人がうやびたしが。長男の爺さんや金持ち、次男の爺さんや貧乏者(むぬ)やてぃ。 そして、しょっゅー、正月とか、あーいうときにや、兄(しーざ)ぬ爺さんがめーん行(ん)じぇ、物借(むぬか)てぃ来(ち)、銭(じぬー)ん借てぃち、あんし、暮しがたそーたしが。 なー、ある、また、次ぬ正月にや、旅人(たびんちゅー)ぬ巡(みぐ)てぃ来(ち)、「あー、今晩は。」んでぃ言ち、なー、旅ぬ者(むぬ)やしが、泊(とぅ)みてぃくぃりよー。」んでぃ、う願(ぬげ)ぇしちゃんとぅくる、くぬぅ爺さんや、「あー、私(わねー)なー家(やー)に食べ物(むぬん)無(ねー)らん、何(ぬー)ん無(ねー)らん。」でぃ言ち、断(くとぅ)わたしが、あー、旅ぬ人(ちゅ)や、「あー、是非とも一晩やくとぅ、何(ぬー)ん無(ねー)んてぃしむくとぅ。」んでぃ言ち、なーう願(ぬげ)ぇさくとぅ、「なー、あんしぇーなー、泊(とぅま)いみそーり。」りちぃ、なー泊(とぅま)たんくとぅくる、今度(くぅんどぅ)食べ物(むぬ)無(ねー)らん、何(ぬー)ん無(ねー)らんくとぅ、囲炉(じーろ)うてぃ、薪(たむん)とぅちきてぃ、火小(ふぃーぐゎー)燃(めー)ち、火正月(ひーしょーがち)しちゃんでぃぬくとぅ、うりぃが世(ゆ)ぬ中ぬ火正月(ひーしょーがち)ぬ起(う)くりぃあらんがやーんでぃいち、自分(どぅー)ん思(うむ)むとーんばーやいびん。考(かんげ)ぇとんばーやびしが。 あんさーに、うまうてぃ泊(とぅま)やーに、朝起(う)きてぃ立ち行(い)ちゅぬちふぁ、今度(くぅんどー)、うぬ旅ぬ人(ちゅ)や、ひき臼小(うーしぐゎー)持(む)っちょーてーん。「うりぃや、う土産(みやげ)とぅしぃうさぎぃくとぅ、うぬ臼(うーしぃ)や、銭小(じぬぐゎ)出(ん)じりぃんでぃ言ち、右んかい回(みぐ)らち、また、出(ん)じじゅさるや、また止まれぇんでぃ言ち、左(ひじゃ)いんかい回(みぐ)らしぃんね、うりぃや止(とぅ)まいぐとぅあいびん。」 うりぃ次男の爺さんや貰(いー)やーに、今度、御馳走ん作(ちく)てぃ、近所(きんじゅ)ぬ人(ちゅん)案内(あんねー)し、うぬ夜(ゆる)や、ゆぅえいしちぇん。 さくとぅ、今度(くんどー)、長男の爺さんや、うりぃ見(ん)じゃーに、「ひるましむんやさ。」んでぃ言ち、次男ぬくぬ爺さんが寝(にぃ)しじまたぬ頃(くる)、えー、うぬ臼小(うしぐゎー)や盗(にし)でぃ行(ん)じ、舟(ふに)かい乗(ぬ)してぃ、「なー、旅渡(わた)いすん。」でぃ言ち、なーうりぃかい逃ぎてぃ行ちゅぬ途中うてぃ、「あー、塩出(ん)じりぃ、出(ん)じぃ。」
んでぃ言ち、さくとぅ、なー、塩(うーす)ぬどぅーく出(ん)じじゅーさぬ、舟(ふに)までぃ沈(しじ)ざくとぅ、な、止(とぅ)みぬ技(わじゃ)ならん、止(とぅ)みんでぃぬくとぅわからんあくとぅ、止(とぅ)みぬくとぅんならん、な、舟共(ふにとぅむ)に沈(しじ)でぃんじ、な、海ぬ中うてぃ、なーだ、うぬ臼(うーし)ぬ、ちゃー回(みぐ)いし、なま、うぬ海ぬ塩(うす)ぬ出(ん)じとーぬふーじやいびぃん。 なー、世(ゆ)ぬ中ぬ兄貴(しでー)から一言(ひとぅくとぅ)、うっささーに、うぬ話や聞(ち)ちるそーびくとぅ、くりが本当(ふんとー)やあらんがやーでぃ言いぬ事(くとぅ)、なぁまちきてぃ、海ぬ塩(うーす)ぬあいしや、うぬ関係あらんがやでぃ思(うむ)とーいびん。おわり。
| レコード番号 | 47O380704 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C035 |
| 決定題名 | 塩吹臼(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与那覇守助 |
| 話者名かな | よなはしゅすけ |
| 生年月日 | 19100501 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村田名 T01 B04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P158 |
| キーワード | 兄弟,爺さん,金持ち,貧乏者,正月,旅人,囲炉,火正月,臼,舟,塩 |
| 梗概(こうがい) | 昔、兄弟(ちょーでー)の爺さん二人がうやびたしが。長男の爺さんや金持ち、次男の爺さんや貧乏者(むぬ)やてぃ。 そして、しょっゅー、正月とか、あーいうときにや、兄(しーざ)ぬ爺さんがめーん行(ん)じぇ、物借(むぬか)てぃ来(ち)、銭(じぬー)ん借てぃち、あんし、暮しがたそーたしが。 なー、ある、また、次ぬ正月にや、旅人(たびんちゅー)ぬ巡(みぐ)てぃ来(ち)、「あー、今晩は。」んでぃ言ち、なー、旅ぬ者(むぬ)やしが、泊(とぅ)みてぃくぃりよー。」んでぃ、う願(ぬげ)ぇしちゃんとぅくる、くぬぅ爺さんや、「あー、私(わねー)なー家(やー)に食べ物(むぬん)無(ねー)らん、何(ぬー)ん無(ねー)らん。」でぃ言ち、断(くとぅ)わたしが、あー、旅ぬ人(ちゅ)や、「あー、是非とも一晩やくとぅ、何(ぬー)ん無(ねー)んてぃしむくとぅ。」んでぃ言ち、なーう願(ぬげ)ぇさくとぅ、「なー、あんしぇーなー、泊(とぅま)いみそーり。」りちぃ、なー泊(とぅま)たんくとぅくる、今度(くぅんどぅ)食べ物(むぬ)無(ねー)らん、何(ぬー)ん無(ねー)らんくとぅ、囲炉(じーろ)うてぃ、薪(たむん)とぅちきてぃ、火小(ふぃーぐゎー)燃(めー)ち、火正月(ひーしょーがち)しちゃんでぃぬくとぅ、うりぃが世(ゆ)ぬ中ぬ火正月(ひーしょーがち)ぬ起(う)くりぃあらんがやーんでぃいち、自分(どぅー)ん思(うむ)むとーんばーやいびん。考(かんげ)ぇとんばーやびしが。 あんさーに、うまうてぃ泊(とぅま)やーに、朝起(う)きてぃ立ち行(い)ちゅぬちふぁ、今度(くぅんどー)、うぬ旅ぬ人(ちゅ)や、ひき臼小(うーしぐゎー)持(む)っちょーてーん。「うりぃや、う土産(みやげ)とぅしぃうさぎぃくとぅ、うぬ臼(うーしぃ)や、銭小(じぬぐゎ)出(ん)じりぃんでぃ言ち、右んかい回(みぐ)らち、また、出(ん)じじゅさるや、また止まれぇんでぃ言ち、左(ひじゃ)いんかい回(みぐ)らしぃんね、うりぃや止(とぅ)まいぐとぅあいびん。」 うりぃ次男の爺さんや貰(いー)やーに、今度、御馳走ん作(ちく)てぃ、近所(きんじゅ)ぬ人(ちゅん)案内(あんねー)し、うぬ夜(ゆる)や、ゆぅえいしちぇん。 さくとぅ、今度(くんどー)、長男の爺さんや、うりぃ見(ん)じゃーに、「ひるましむんやさ。」んでぃ言ち、次男ぬくぬ爺さんが寝(にぃ)しじまたぬ頃(くる)、えー、うぬ臼小(うしぐゎー)や盗(にし)でぃ行(ん)じ、舟(ふに)かい乗(ぬ)してぃ、「なー、旅渡(わた)いすん。」でぃ言ち、なーうりぃかい逃ぎてぃ行ちゅぬ途中うてぃ、「あー、塩出(ん)じりぃ、出(ん)じぃ。」 んでぃ言ち、さくとぅ、なー、塩(うーす)ぬどぅーく出(ん)じじゅーさぬ、舟(ふに)までぃ沈(しじ)ざくとぅ、な、止(とぅ)みぬ技(わじゃ)ならん、止(とぅ)みんでぃぬくとぅわからんあくとぅ、止(とぅ)みぬくとぅんならん、な、舟共(ふにとぅむ)に沈(しじ)でぃんじ、な、海ぬ中うてぃ、なーだ、うぬ臼(うーし)ぬ、ちゃー回(みぐ)いし、なま、うぬ海ぬ塩(うす)ぬ出(ん)じとーぬふーじやいびぃん。 なー、世(ゆ)ぬ中ぬ兄貴(しでー)から一言(ひとぅくとぅ)、うっささーに、うぬ話や聞(ち)ちるそーびくとぅ、くりが本当(ふんとー)やあらんがやーでぃ言いぬ事(くとぅ)、なぁまちきてぃ、海ぬ塩(うーす)ぬあいしや、うぬ関係あらんがやでぃ思(うむ)とーいびん。おわり。 |
| 全体の記録時間数 | 3:58 |
| 物語の時間数 | 3:17 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |