
尚円王は、伊是名では、伊是名の生まれだというが、我々は、尚円王の生まれは、今帰仁王の方になるという話を聞いていますがね。それは、今帰仁王様(なきんおうさま)の娘さんがとんでもない地位の低い人との子供ができたために、「これは面目ない。按司の娘としての面目のない子供ができた。」という理由で、その子供を小さいくり舟に乗せて押し流したと。それが今度は伊是名の方に流されたから、伊是名の銘刈御殿の祖先の人がその子供さんが拾われて、育てられて偉い人になった。育てたら非常に男前できれいな人でもあるし、また頭もいいし、まったくまあ神のような智恵があった。だから当時の伊是名の若い娘たちが非常にこの人について来た。そして、伊是名の逆田という田んぼは、実は、伊是名の娘さんが尚円王を非常に愛していたわけですから、その娘さんらが夜隠れて行って、よその人の田んぼの水を尚円王の田んぼに水を流したらしいですよ。だから、みんな不思議に考えたというわけですな。「尚円王の田んぼは逆水を飲む。下の田んぼの水はないんだが、あの田んぼだけは、毎日水が一杯しておる。不思議だなあ。これはよその田んぼの水を尚円王がみな取ったんだ。」と言うんで、何でも部落民が怒りをこめて尚円王を追い払ったそうです。後は、尚円王は今帰仁に渡って、そこから今帰仁王様の娘さんを嫁さんにもらって、それで、今度は内間大主(うちまうふぬし)という名を名乗って、首里城に仕えていたんだが、そのころの尚徳王は、あんまり体が弱いから、あまり琉球王として政治はとれないでおった。そしたら、その当時の三司官の方々が一つの何かを企(たくら)んだわけですな。久高島には、きれいな娘さんがいたから、久高島と話し合って、尚徳王には、「ちょっとあんたは体が弱いし、向こうで静養してくれ。」というふうなことで、向こうへやったと。その後いろいろ三司官らが集まって話をして、沖縄の王政を握るのは、この内間大主という人が適任者ということで、今度はこの尚円王を推薦して王様に仕立てあげたという話を聞いておりますがね。だから、向こうでも内間大主のちゃんとした祭りがあるらしいですよ。そのくらい認められて、尚徳王の次の王様として持ち上げられたのが尚円王だそうです。
| レコード番号 | 47O380697 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C035 |
| 決定題名 | 尚円王の話(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 前原三郎 |
| 話者名かな | まえはらさぶろう |
| 生年月日 | 19080313 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊平屋村字田名 |
| 記録日 | 19800907 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊平屋村田名 T01 A14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 伊平屋村民話集 P72 |
| キーワード | 尚円王,伊是名,今帰仁王,按司,くり舟,銘刈御殿,逆田,逆水,内間大主,首里城,尚徳王,琉球王,三司官,久高島 |
| 梗概(こうがい) | 尚円王は、伊是名では、伊是名の生まれだというが、我々は、尚円王の生まれは、今帰仁王の方になるという話を聞いていますがね。それは、今帰仁王様(なきんおうさま)の娘さんがとんでもない地位の低い人との子供ができたために、「これは面目ない。按司の娘としての面目のない子供ができた。」という理由で、その子供を小さいくり舟に乗せて押し流したと。それが今度は伊是名の方に流されたから、伊是名の銘刈御殿の祖先の人がその子供さんが拾われて、育てられて偉い人になった。育てたら非常に男前できれいな人でもあるし、また頭もいいし、まったくまあ神のような智恵があった。だから当時の伊是名の若い娘たちが非常にこの人について来た。そして、伊是名の逆田という田んぼは、実は、伊是名の娘さんが尚円王を非常に愛していたわけですから、その娘さんらが夜隠れて行って、よその人の田んぼの水を尚円王の田んぼに水を流したらしいですよ。だから、みんな不思議に考えたというわけですな。「尚円王の田んぼは逆水を飲む。下の田んぼの水はないんだが、あの田んぼだけは、毎日水が一杯しておる。不思議だなあ。これはよその田んぼの水を尚円王がみな取ったんだ。」と言うんで、何でも部落民が怒りをこめて尚円王を追い払ったそうです。後は、尚円王は今帰仁に渡って、そこから今帰仁王様の娘さんを嫁さんにもらって、それで、今度は内間大主(うちまうふぬし)という名を名乗って、首里城に仕えていたんだが、そのころの尚徳王は、あんまり体が弱いから、あまり琉球王として政治はとれないでおった。そしたら、その当時の三司官の方々が一つの何かを企(たくら)んだわけですな。久高島には、きれいな娘さんがいたから、久高島と話し合って、尚徳王には、「ちょっとあんたは体が弱いし、向こうで静養してくれ。」というふうなことで、向こうへやったと。その後いろいろ三司官らが集まって話をして、沖縄の王政を握るのは、この内間大主という人が適任者ということで、今度はこの尚円王を推薦して王様に仕立てあげたという話を聞いておりますがね。だから、向こうでも内間大主のちゃんとした祭りがあるらしいですよ。そのくらい認められて、尚徳王の次の王様として持ち上げられたのが尚円王だそうです。 |
| 全体の記録時間数 | 5:29 |
| 物語の時間数 | 4:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |