
(兄弟が)三人いてね、それで親がね、「私が生きているときは、何ごともないけど、この弟の二人は…。」長男に遺言しているわけさあね。「この弟二人は、これたちはもう、すぐ私が死んだら、『財産は全部分けなさい。親の財産だから、全部分けなさい』と、言って必ず言い出すから、ほかの財産は分けても、もう、この家は弟たちには、親が分けてやるな(と言ったと言いなさい)。」と、いう遺言だったってね。それで、親が言った通りに、この親が死んだのでね、すぐ、次男と三男は、すぐ言い出してきて、次男、三男はすぐ、「財産は親のものだから、私たちにも同じように分けてくれ。」と言ってね、すぐ長男に申し出て来てね、それでもう、「これは、仕方がないから、親のものだから分けてあげるよ。」と言って、分けてあげたみたいだけど、「これだけでは納得できない。家も売って、家も親が造ったのだから、売って同じように分けてくれ。」と言って、また言い出してきてね、それで、「いや、それは絶対できない。」と言って、はねつけたけどね。長男は、ほら、親が言い聞かせてあるからね、「家は、これたちに分けてあげるなよ。」と、言って。(だけど、弟たちは)言っても聞かない。合点しないで、「全部、平等に全部、親の財産分けてくれ。」と言った。昔の公儀というのは、現在の警察だよね。昔は公儀といってたわけさ。それで警察に訴えたからね、警察で問題になって、ちょうど三人座らせて、裁判するわけね。すると、長男が申し出て、「親がね、『財産は、弟たちが言い出してきたら分けてあげなさい。でも、この家は、弟たちに分けてあげるなよ』と言ったのに、弟たちが言い出してきたので、警察の方で裁判して下さい。」と言って、願ったらしいね。願ったので、「もう、これはやっかいなことになっているね。」と、警察も、公儀も、「これは、やっかいなことになっているね。これは。」「それならもう、誰にも取らせることはできないからね、この家はね、すぐ、警察を前にして、公儀を前にして、焼くからね、焼くから、おまえたちも立ち合わせて焼くから、見なさい。」と言って、そして、火をつけて焼いたってよ。焼いていると、半分も燃えないうちにね、半分も燃えないうちに、あれだけの家がすぐ、逆さまになって、倒れたってよ。それで、とても警察も、公儀も(びっくりして)「不思議なことだ。早く調べなさい。これは、早く調べなさい。これは、何かわけがある。家も焼けないうちに、もう、ひっくりかえって、すぐ逆さまになって。」調べたら、家の棟は金だけ。黄金で造ってあったってよ。ん。黄金で造ってあったので、警察は、「これは、もうわかった。」それで、次男、三男に、「お前たちが取るのではない。これは、長男一人が取るものだから。」そうして、長男に黄金は渡して、取らせて示談したって。これが昔話。これで終わりです。
| レコード番号 | 47O383028 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C156 |
| 決定題名 | 金の棟木(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊礼亀助 |
| 話者名かな | いれいかめすけ |
| 生年月日 | 19021124 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字諸見 |
| 記録日 | 19820908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T16 A14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P48 |
| キーワード | 兄弟,長男,遺言,財産,家,公儀,裁判,逆さま,棟,黄金,示談 |
| 梗概(こうがい) | (兄弟が)三人いてね、それで親がね、「私が生きているときは、何ごともないけど、この弟の二人は…。」長男に遺言しているわけさあね。「この弟二人は、これたちはもう、すぐ私が死んだら、『財産は全部分けなさい。親の財産だから、全部分けなさい』と、言って必ず言い出すから、ほかの財産は分けても、もう、この家は弟たちには、親が分けてやるな(と言ったと言いなさい)。」と、いう遺言だったってね。それで、親が言った通りに、この親が死んだのでね、すぐ、次男と三男は、すぐ言い出してきて、次男、三男はすぐ、「財産は親のものだから、私たちにも同じように分けてくれ。」と言ってね、すぐ長男に申し出て来てね、それでもう、「これは、仕方がないから、親のものだから分けてあげるよ。」と言って、分けてあげたみたいだけど、「これだけでは納得できない。家も売って、家も親が造ったのだから、売って同じように分けてくれ。」と言って、また言い出してきてね、それで、「いや、それは絶対できない。」と言って、はねつけたけどね。長男は、ほら、親が言い聞かせてあるからね、「家は、これたちに分けてあげるなよ。」と、言って。(だけど、弟たちは)言っても聞かない。合点しないで、「全部、平等に全部、親の財産分けてくれ。」と言った。昔の公儀というのは、現在の警察だよね。昔は公儀といってたわけさ。それで警察に訴えたからね、警察で問題になって、ちょうど三人座らせて、裁判するわけね。すると、長男が申し出て、「親がね、『財産は、弟たちが言い出してきたら分けてあげなさい。でも、この家は、弟たちに分けてあげるなよ』と言ったのに、弟たちが言い出してきたので、警察の方で裁判して下さい。」と言って、願ったらしいね。願ったので、「もう、これはやっかいなことになっているね。」と、警察も、公儀も、「これは、やっかいなことになっているね。これは。」「それならもう、誰にも取らせることはできないからね、この家はね、すぐ、警察を前にして、公儀を前にして、焼くからね、焼くから、おまえたちも立ち合わせて焼くから、見なさい。」と言って、そして、火をつけて焼いたってよ。焼いていると、半分も燃えないうちにね、半分も燃えないうちに、あれだけの家がすぐ、逆さまになって、倒れたってよ。それで、とても警察も、公儀も(びっくりして)「不思議なことだ。早く調べなさい。これは、早く調べなさい。これは、何かわけがある。家も焼けないうちに、もう、ひっくりかえって、すぐ逆さまになって。」調べたら、家の棟は金だけ。黄金で造ってあったってよ。ん。黄金で造ってあったので、警察は、「これは、もうわかった。」それで、次男、三男に、「お前たちが取るのではない。これは、長男一人が取るものだから。」そうして、長男に黄金は渡して、取らせて示談したって。これが昔話。これで終わりです。 |
| 全体の記録時間数 | 4:48 |
| 物語の時間数 | 4:15 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |