
阿麻和利という人は、親から産れると、這ってばかりで、年は七歳か八歳くらいになっても歩くことができないで、いつも寝てばかりいて、寝てばかりいるので、「いつまでも、こんなに寝ているのはおかしい。この阿麻和利は人間ではない。」と言って、それで、山の中へ連れて行って捨てたって。それで、何か、捨てられると、クバの葉の下で這っていた。(その上で)蜘蛛といういきものが、巣をつくるのを見て、魚を取る網を考え出したのは、この阿麻和利という人で、年頃になってとても偉い人になった。それからまた、大きくなってから、りっぱな武士になった。そして、阿麻和利はもう、昔の沖縄の、ここ首里に来ていて、首里の御城の娘を妻にして、按司になった。昔は、按司というのがあったでしょう。今の王と同じ位の。そんなにしながら、あとは、首里城にいる沖縄の王の、首里城の王の娘を妻にして、そうして、王の娘を按司である阿麻和利の妻にさせた。これは、こうして、「もう、私はぜひ上の位につかないといけない。」と、自分の妻の親を……。首里城の王だけど、「王のところに行って、王をどうにかして殺してから、そして、私が、今の王の代りに、王にならないといけないなあ。」と考えて、それで、すぐ戦をおこそうと。戦をしない限りは、どんなことをしても、王の位を奪うことはできないと思った。こうして、また、部下の前に立って行こうとしたら、護佐丸という人が、そこ那覇にいたので、そこに上ることはできなくて。始めは首里に上っていって、もう全く、自分の妻の親である王をだまして、うそをついて 護佐丸という人を殺させた。こうして、護佐丸を殺したので、それから那覇に上って越えようとしたが、ほら、あそこ、首里は力も強いのだから、どうとう阿麻和利は殺された。あれほどの阿麻和利という人は、終ってなくなったって。
| レコード番号 | 47O382994 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C154 |
| 決定題名 | 阿麻和利(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊是名千松 |
| 話者名かな | いぜなせんまつ |
| 生年月日 | 18920323 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字勢理客 |
| 記録日 | 19810404 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T14 B19 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P233 |
| キーワード | 阿麻和利,クバの葉,蜘蛛,巣,網,武士,沖縄,按司,首里城,戦,護佐丸 |
| 梗概(こうがい) | 阿麻和利という人は、親から産れると、這ってばかりで、年は七歳か八歳くらいになっても歩くことができないで、いつも寝てばかりいて、寝てばかりいるので、「いつまでも、こんなに寝ているのはおかしい。この阿麻和利は人間ではない。」と言って、それで、山の中へ連れて行って捨てたって。それで、何か、捨てられると、クバの葉の下で這っていた。(その上で)蜘蛛といういきものが、巣をつくるのを見て、魚を取る網を考え出したのは、この阿麻和利という人で、年頃になってとても偉い人になった。それからまた、大きくなってから、りっぱな武士になった。そして、阿麻和利はもう、昔の沖縄の、ここ首里に来ていて、首里の御城の娘を妻にして、按司になった。昔は、按司というのがあったでしょう。今の王と同じ位の。そんなにしながら、あとは、首里城にいる沖縄の王の、首里城の王の娘を妻にして、そうして、王の娘を按司である阿麻和利の妻にさせた。これは、こうして、「もう、私はぜひ上の位につかないといけない。」と、自分の妻の親を……。首里城の王だけど、「王のところに行って、王をどうにかして殺してから、そして、私が、今の王の代りに、王にならないといけないなあ。」と考えて、それで、すぐ戦をおこそうと。戦をしない限りは、どんなことをしても、王の位を奪うことはできないと思った。こうして、また、部下の前に立って行こうとしたら、護佐丸という人が、そこ那覇にいたので、そこに上ることはできなくて。始めは首里に上っていって、もう全く、自分の妻の親である王をだまして、うそをついて 護佐丸という人を殺させた。こうして、護佐丸を殺したので、それから那覇に上って越えようとしたが、ほら、あそこ、首里は力も強いのだから、どうとう阿麻和利は殺された。あれほどの阿麻和利という人は、終ってなくなったって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:36 |
| 物語の時間数 | 3:22 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |