
昔、十二月八日の エータイムッチーの話だけど、ほんとうのことかうそなのか、それは知らないけど、昔からの話なんですが、おとぎ話なのか、何なのかわからないけれど。(話してみましょうね)姉と弟がいたという話ですけど、両親に捨てられて、姉弟で暮しているうちに、弟は恐ろしい鬼になって、毎日、人を殺したり、人を食ったりして、始末におえないので、村中の人が、「どうにかして、この弟をもう……。この弟を先に殺してしまわないと、大変なことになる。」と、相談するけど、この弟は力も強くて、これに勝てるような人はいないので始末することができない。それで、この姉は、もう、「どうにかして、私が、私がはかりごとを出して、始末しないといけないが。」と、思って、「世間の人が始末できないので、もう私がどうにかして、はかりごとを出して、始末しなければいけない。」と、そう思って、「とう、今日はね、親の。親は、自分たち二人は親に捨てられ、このように二人だけで、暮してきたけどね、いつもね、あまりおいしいものは、食べたこともないのでね、今日は姉さんがね、とてもおいしい餅を作って、それを持って行って、景色の良い、一番ながめの、ながめの良いところに行って、二人でながめて、景色をながめながら、お父さん、お母さんに手を合わせに行こうね。行って景色もながめてこようね。」と、すかしながら、高い崖に連れて行った。そこでこの弁当を開けて食べながら、餅も食べさせながら、自分はまた、下の方を開けて、開けながら、「さあ、早く、たくさん食べなさいよ。」と、開けたまま、「食べなさいよ。」と、言うと、弟が何か急に、姉を見上げて、「どうしたのか、私の姉さんは気が狂ったのだろうか、今までこんなしたことはないのに。下の方を広げて。」と、餅を食べながら、開けている下の方を見ると、「はっ。」と驚いて、すぐ、そこに、下に崖があることを知らずに、ポトンと落ちて、自分で、自分を殺したので、さあ、これはまた、姉は、「お前は、実は今日は、こんなにしたのはね、お前がこんな鬼になる生まれをして、人にこんなに迷惑をかけて、世の中にこんなに迷惑をかけて。私はね、自分の弟のお前を始末しなければいけなくなった。私のはからいだったんだよ。私を恨んでくれるなよ、お前がやった、お前自身の罪なんだから。」と、手を合わせながら、「今からはね、世の中に、お前みたいな人間が出ないように、お前一人でこの罪をかぶりなさいね、世の中を立派に治めさせてくれよ。」と手を合わせて、この姉は、この弟をここで、生き焼香までして拝んできた。この日が、十二月の八日だったので、この八日の日は、エータイといって、エータイムッチーといって、そのときに出たので、十二月の八日にはエータイムッチーをお供えするようになったって。これはエータイムッチーともいうし、また ホーハイムッチーともいう話ですが、これはほんとうのことかうそなのかわかりませんが、昔の話ということです。
| レコード番号 | 47O382944 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C151 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 恩納ハツ |
| 話者名かな | おんなはつ |
| 生年月日 | 19251017 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字仲田 |
| 記録日 | 19810402 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T13 A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P86 |
| キーワード | 十二月八日,エータイムッチー,姉,弟,鬼,はかりごと,餅,崖,ホーハイムッチー |
| 梗概(こうがい) | 昔、十二月八日の エータイムッチーの話だけど、ほんとうのことかうそなのか、それは知らないけど、昔からの話なんですが、おとぎ話なのか、何なのかわからないけれど。(話してみましょうね)姉と弟がいたという話ですけど、両親に捨てられて、姉弟で暮しているうちに、弟は恐ろしい鬼になって、毎日、人を殺したり、人を食ったりして、始末におえないので、村中の人が、「どうにかして、この弟をもう……。この弟を先に殺してしまわないと、大変なことになる。」と、相談するけど、この弟は力も強くて、これに勝てるような人はいないので始末することができない。それで、この姉は、もう、「どうにかして、私が、私がはかりごとを出して、始末しないといけないが。」と、思って、「世間の人が始末できないので、もう私がどうにかして、はかりごとを出して、始末しなければいけない。」と、そう思って、「とう、今日はね、親の。親は、自分たち二人は親に捨てられ、このように二人だけで、暮してきたけどね、いつもね、あまりおいしいものは、食べたこともないのでね、今日は姉さんがね、とてもおいしい餅を作って、それを持って行って、景色の良い、一番ながめの、ながめの良いところに行って、二人でながめて、景色をながめながら、お父さん、お母さんに手を合わせに行こうね。行って景色もながめてこようね。」と、すかしながら、高い崖に連れて行った。そこでこの弁当を開けて食べながら、餅も食べさせながら、自分はまた、下の方を開けて、開けながら、「さあ、早く、たくさん食べなさいよ。」と、開けたまま、「食べなさいよ。」と、言うと、弟が何か急に、姉を見上げて、「どうしたのか、私の姉さんは気が狂ったのだろうか、今までこんなしたことはないのに。下の方を広げて。」と、餅を食べながら、開けている下の方を見ると、「はっ。」と驚いて、すぐ、そこに、下に崖があることを知らずに、ポトンと落ちて、自分で、自分を殺したので、さあ、これはまた、姉は、「お前は、実は今日は、こんなにしたのはね、お前がこんな鬼になる生まれをして、人にこんなに迷惑をかけて、世の中にこんなに迷惑をかけて。私はね、自分の弟のお前を始末しなければいけなくなった。私のはからいだったんだよ。私を恨んでくれるなよ、お前がやった、お前自身の罪なんだから。」と、手を合わせながら、「今からはね、世の中に、お前みたいな人間が出ないように、お前一人でこの罪をかぶりなさいね、世の中を立派に治めさせてくれよ。」と手を合わせて、この姉は、この弟をここで、生き焼香までして拝んできた。この日が、十二月の八日だったので、この八日の日は、エータイといって、エータイムッチーといって、そのときに出たので、十二月の八日にはエータイムッチーをお供えするようになったって。これはエータイムッチーともいうし、また ホーハイムッチーともいう話ですが、これはほんとうのことかうそなのかわかりませんが、昔の話ということです。 |
| 全体の記録時間数 | 3:59 |
| 物語の時間数 | 3:32 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |