
百姓が、畑の見回りをしているとき、川のそばに行ったら松にきれいな着物がかかっておって、着物が、とてもきれいな着物がね、かかっていたって。それでこの人は、「不思議なことだ、こんなに美しい着物がここにかかっているのは。」と思って、もう目をグルグルさせて川原を見たって。川原を見ると、川原で女が髪を洗っていたって。髪を洗っていたのは、とても美しい女だったので、この男はもう喜んで、この着物をぱっと取って、隠したわけさ、それでこの女の着物は飛び衣装だったって。もうこれを着ないと天に上がることはできない。この女は天から降りてきて、降りてきて髪を洗っていたって。着物は松に下げて。そうしてこの百姓が飛び衣装を持っていって、着物は隠して、この女が着物を捜しているときに、「さあ、私たちの家に行ってお茶でも飲んで休んでいかないか。」と、この女に言ったようだ。それでこの女は、「私は天の人だけど、私の飛び衣装がなくなって天に上がることはできない。」と、言ったので、「そうだったのか。」と話をしたみたいよ、二人。話をしたが、この着物は、この男が隠しているんだから、どんなに捜してもないでしょう。ないからもう、泣く泣く、この着物がなくなったから、この男の言うとおり夫婦になったって。それでもう男の子を二人ほど産んだってよ。この子どもがね、着物を隠してあるのわかっているわけさ。子も二人産まれると、その子がわかっていた。それで、何かこの男の親がいないときによ、男の子が自分の弟をあやしているときにね、歌を歌ったわけさ。この弟をあやすってよ。「母(あんま)が飛衣装(とびいす)や、お父(とー)が蔵(くら)ぬ中(なーか)に隠(かじ)みてぃる〔アンマーの飛び衣装は、おとうが蔵の中に隠してる。〕」と、そういって歌を歌ったみたいだよ。歌を歌ったので、この女の親が聞いてね、この子がこんなに歌っているのを聞いて、その男が畑に行っている間に、蔵を捜してみると、蔵にあったってよ。それで見つけたからね、天に飛ばないといけないって。それで子は残して天に飛んだって。子どもが歌を歌ったから、蔵から自分でこの着物を捜して、着て天に飛んだってよ。
| レコード番号 | 47O382771 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C142 |
| 決定題名 | 天人女房(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 末吉亀吉 |
| 話者名かな | すえよしかめきち |
| 生年月日 | 19081103 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字伊是名 |
| 記録日 | 19800906 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T08 B15 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P23 |
| キーワード | 百姓,畑,川,松,きれいな着物,不思議,川原,髪,美しい女,飛び衣装,お茶,天の人,夫婦,歌,蔵,アンマー |
| 梗概(こうがい) | 百姓が、畑の見回りをしているとき、川のそばに行ったら松にきれいな着物がかかっておって、着物が、とてもきれいな着物がね、かかっていたって。それでこの人は、「不思議なことだ、こんなに美しい着物がここにかかっているのは。」と思って、もう目をグルグルさせて川原を見たって。川原を見ると、川原で女が髪を洗っていたって。髪を洗っていたのは、とても美しい女だったので、この男はもう喜んで、この着物をぱっと取って、隠したわけさ、それでこの女の着物は飛び衣装だったって。もうこれを着ないと天に上がることはできない。この女は天から降りてきて、降りてきて髪を洗っていたって。着物は松に下げて。そうしてこの百姓が飛び衣装を持っていって、着物は隠して、この女が着物を捜しているときに、「さあ、私たちの家に行ってお茶でも飲んで休んでいかないか。」と、この女に言ったようだ。それでこの女は、「私は天の人だけど、私の飛び衣装がなくなって天に上がることはできない。」と、言ったので、「そうだったのか。」と話をしたみたいよ、二人。話をしたが、この着物は、この男が隠しているんだから、どんなに捜してもないでしょう。ないからもう、泣く泣く、この着物がなくなったから、この男の言うとおり夫婦になったって。それでもう男の子を二人ほど産んだってよ。この子どもがね、着物を隠してあるのわかっているわけさ。子も二人産まれると、その子がわかっていた。それで、何かこの男の親がいないときによ、男の子が自分の弟をあやしているときにね、歌を歌ったわけさ。この弟をあやすってよ。「母(あんま)が飛衣装(とびいす)や、お父(とー)が蔵(くら)ぬ中(なーか)に隠(かじ)みてぃる〔アンマーの飛び衣装は、おとうが蔵の中に隠してる。〕」と、そういって歌を歌ったみたいだよ。歌を歌ったので、この女の親が聞いてね、この子がこんなに歌っているのを聞いて、その男が畑に行っている間に、蔵を捜してみると、蔵にあったってよ。それで見つけたからね、天に飛ばないといけないって。それで子は残して天に飛んだって。子どもが歌を歌ったから、蔵から自分でこの着物を捜して、着て天に飛んだってよ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:09 |
| 物語の時間数 | 4:54 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |