
婿がね、自分が婿に入っている家の父親が、早く亡くなってね。この父親の子が、まだ幼いときに親は亡くなったわけさ。だけど、婿を捜しているわけさ。女の子が大きかったので、所帯を持たせたんでしょうね。だから、婿にこの家庭を世話させたわけさあ。頼んだわけさ。「この子が成長しないうちに、私は死んでいないだろうから、お前がめんどう見てくれよ、成長するまではめんどう見てくれよ。」と頼んだわけよ。だけど、もしもね、この親の心配はね、思っていることは、「何かこれは、書いて置かないと、この婿が『私がここで奉行した代りに財産分けてくれ』と言って、言ってくることは間違いないからね、何か書きおきを置いておかないといけない。」と思ってね、それで親が考えたのには、床の前のね、床の前にね書きものがあるさあね、軸がね、あれには字があるさあね、必ずあるでしょう。こんなにさがっているの。あの軸には字が書かれているでしょう。それで、あの字の中に(遺言を)書いて入れておいたってよ。「これは、こんな問題が出たときには、絶対財産は分けてあげるなよ。」と言って、書きおきを字の中に入れたって。それで親がね、親が書き物の中に、親の絵を書いたわけ。そしてこの親が、指をさしているさあね、この軸に、こんなして指をさしているみたいよ。それの意味は、「ここを開けて見なさい。」という意味だったってね。そして(親が亡くなったあと)全員で相談するときに、この婿が、「私が今まで、この家で苦労したかわり、財産を分けてくれ。」と言って、亡くなった親が考えていた通り、申し出てきたって。それで、「これは亡くなった親の遺言があるからできない。」と断った。書き物がさげてあります。自分の親の絵だよ。写真だよ。だから親が指をさしたのは、「ここを開けて見なさい。」という意味だけど、それを誰が感じたことやら、「これはとても珍しいことだ。ここを指をさしているのは珍しいことだ。」と言って、「この軸は開くのか、ここ開けられるかどうか、ねっ、開けて見てみよう。」と言って、やってみたから、そこは開けられてね。開けられて、そこに書類を書いて入れてあったって。見てみると、「この財産は絶対に、よそに分けるな。取らすなよ。」と書いてあった。それで解決したらしいんですよ。そういう話もありますよ。
| レコード番号 | 47O382659 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C137 |
| 決定題名 | 絵の遺言(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 親の遺言 掛け軸 |
| 話者名 | 伊礼亀助 |
| 話者名かな | いれいかめすけ |
| 生年月日 | 19021124 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字諸見 |
| 記録日 | 19800905 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T05 B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P83 |
| キーワード | 婿,所帯,世話,奉行,財産,床,書きもの,軸,字,遺言,絵 |
| 梗概(こうがい) | 婿がね、自分が婿に入っている家の父親が、早く亡くなってね。この父親の子が、まだ幼いときに親は亡くなったわけさ。だけど、婿を捜しているわけさ。女の子が大きかったので、所帯を持たせたんでしょうね。だから、婿にこの家庭を世話させたわけさあ。頼んだわけさ。「この子が成長しないうちに、私は死んでいないだろうから、お前がめんどう見てくれよ、成長するまではめんどう見てくれよ。」と頼んだわけよ。だけど、もしもね、この親の心配はね、思っていることは、「何かこれは、書いて置かないと、この婿が『私がここで奉行した代りに財産分けてくれ』と言って、言ってくることは間違いないからね、何か書きおきを置いておかないといけない。」と思ってね、それで親が考えたのには、床の前のね、床の前にね書きものがあるさあね、軸がね、あれには字があるさあね、必ずあるでしょう。こんなにさがっているの。あの軸には字が書かれているでしょう。それで、あの字の中に(遺言を)書いて入れておいたってよ。「これは、こんな問題が出たときには、絶対財産は分けてあげるなよ。」と言って、書きおきを字の中に入れたって。それで親がね、親が書き物の中に、親の絵を書いたわけ。そしてこの親が、指をさしているさあね、この軸に、こんなして指をさしているみたいよ。それの意味は、「ここを開けて見なさい。」という意味だったってね。そして(親が亡くなったあと)全員で相談するときに、この婿が、「私が今まで、この家で苦労したかわり、財産を分けてくれ。」と言って、亡くなった親が考えていた通り、申し出てきたって。それで、「これは亡くなった親の遺言があるからできない。」と断った。書き物がさげてあります。自分の親の絵だよ。写真だよ。だから親が指をさしたのは、「ここを開けて見なさい。」という意味だけど、それを誰が感じたことやら、「これはとても珍しいことだ。ここを指をさしているのは珍しいことだ。」と言って、「この軸は開くのか、ここ開けられるかどうか、ねっ、開けて見てみよう。」と言って、やってみたから、そこは開けられてね。開けられて、そこに書類を書いて入れてあったって。見てみると、「この財産は絶対に、よそに分けるな。取らすなよ。」と書いてあった。それで解決したらしいんですよ。そういう話もありますよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:54 |
| 物語の時間数 | 3:28 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |