
女の名前はわからないさ。男の名前はサンダーというさ。サンダーというんだけど……。昔、継子の兄弟が二人、二人。あの二号の子どもは一人さ、ね。兄弟は二人で、一号の子はいつでも何でもできる子。親は死んでいないけれどね。二号の子は何もできない子で、一号の子は何でもできる。継母はたくらみを持って、一号の子を殺すって。どうしてこの子を殺そうかと、継母はいつも、そのことを考えていた。今度もまた考えついて、「私がお腹が痛いというやり方でないと、継子は知恵がありすぎるから殺すことができないなあ。」と思って、「お腹が痛いよう。」と、この継母が、お腹が痛いと言ったので、継子は薬やら、何やら、せんじだ薬まで取ってきてあげても納得しない。「私は、どうしても七つになるサンデーの肝を食べないと治らない。」と。治らないと言ったので、「ああ、七つになるサンデーは、私なのに……。」と思って、それで墓に、ほんとうの親のところへ行って、「アンマー(おかあさん)あなたは私を残して後生に行って、アンマーは先に逝っているので、私もいっしょに連れて行って下さい。私の肝を食べたら病気が治ると、あの継母はそう言うのだけど、私はどうしたらいいんですか。」と、この子はそう言ったので、そう言ってその子が、「五(いち)ちなたくとぅ親(うや)に捨(し)てぃらりてぃ〔五つになったら親に捨てられて、〕 七(なな)ちなたくとぅ母(はは)拝(うが)でぃ〔七つになったから母をおがむ〕」と親の墓の前へ行って、その子がそう歌ったので、亡くなった親が現れて、その子は、母を見ることができたって。「継母がいうのは何も聞くな、継母が言うのは何も聞かずに、早く一生けん命働きなさい。そして、人より優れなさいよ、サンデー。」とアンマーがそう言ったって。だからそれだけ。
| レコード番号 | 47O382613 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C135 |
| 決定題名 | 継子の生肝(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉政子 |
| 話者名かな | なかまさこ |
| 生年月日 | 19040701 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字仲田 |
| 記録日 | 19800904 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T04 A05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12,60 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P78 |
| キーワード | サンダー,継子,兄弟,継母,知恵,薬,肝,墓,アンマー,後生,病気,歌 |
| 梗概(こうがい) | 女の名前はわからないさ。男の名前はサンダーというさ。サンダーというんだけど……。昔、継子の兄弟が二人、二人。あの二号の子どもは一人さ、ね。兄弟は二人で、一号の子はいつでも何でもできる子。親は死んでいないけれどね。二号の子は何もできない子で、一号の子は何でもできる。継母はたくらみを持って、一号の子を殺すって。どうしてこの子を殺そうかと、継母はいつも、そのことを考えていた。今度もまた考えついて、「私がお腹が痛いというやり方でないと、継子は知恵がありすぎるから殺すことができないなあ。」と思って、「お腹が痛いよう。」と、この継母が、お腹が痛いと言ったので、継子は薬やら、何やら、せんじだ薬まで取ってきてあげても納得しない。「私は、どうしても七つになるサンデーの肝を食べないと治らない。」と。治らないと言ったので、「ああ、七つになるサンデーは、私なのに……。」と思って、それで墓に、ほんとうの親のところへ行って、「アンマー(おかあさん)あなたは私を残して後生に行って、アンマーは先に逝っているので、私もいっしょに連れて行って下さい。私の肝を食べたら病気が治ると、あの継母はそう言うのだけど、私はどうしたらいいんですか。」と、この子はそう言ったので、そう言ってその子が、「五(いち)ちなたくとぅ親(うや)に捨(し)てぃらりてぃ〔五つになったら親に捨てられて、〕 七(なな)ちなたくとぅ母(はは)拝(うが)でぃ〔七つになったから母をおがむ〕」と親の墓の前へ行って、その子がそう歌ったので、亡くなった親が現れて、その子は、母を見ることができたって。「継母がいうのは何も聞くな、継母が言うのは何も聞かずに、早く一生けん命働きなさい。そして、人より優れなさいよ、サンデー。」とアンマーがそう言ったって。だからそれだけ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:27 |
| 物語の時間数 | 3:20 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |