
今、ちょっとお話しするのは、アシガキの話ですよ。題目はね、それで、コオロギともいいますけれど。コオロギはですね、何で、田んぼの畦にですね、そばに、「ガーク、ガーク。」と、夜も昼も泣くのは、どうしてかと言いますが、それは、お父さんが、ちょうど、病気になったわけですよね、それで、「甘い水、汲んでおいでなさい。」と、言ったら、辛い水汲んで来るわけですよね。それで、「辛い水、汲んで来なさい。」と、言ったら、甘い水汲んで、反対になるわけですよね。それで、とうとう、一カ月も二カ月も続けると、このお父さんは、病気で亡くなられたわけよね、それで、とうとう死んだけれど、「墓は、どこにもって行くか。山にもっていくかねえ。」と、考えたけれど、このコオロギはですね、「私はね、親不孝だから、お父さんに対して申し訳ないですから、お父さんが、いつでも『甘い水、甘い水』と言ってたけれど、私は反対にして、とうとう親を……、お父さんも亡くした。そのかわりに、お父さんが甘い水をほしいと言った気持ちを忘れないために、(お父さんが言ったとおり)、田んぼのそばに、今から、死んでからでも孝行しようか。」と、思う気持ちで、田んぼのそばに、置いたわけですよね。それで、置いたのは、「お父さんも、お母さんもね、私を親不孝と思わないで、今から孝行してあげますから。残念ながら、もう、親に対して申し訳ないから。」と、言って、それで、夜も昼も、「ガーク、ガーク。」と、泣くのは、規に対して申し訳ないと。今から親孝行をしますと言ってね、それで泣くわけって。ん。それだけは、聞いた覚えがありますから、今、話しておるわけですね。
| レコード番号 | 47O382609 |
|---|---|
| CD番号 | 47O38C135 |
| 決定題名 | 雨蛙不孝 こおろぎ(共通語) |
| 話者がつけた題名 | コオロギの親不孝 |
| 話者名 | 前川シズ |
| 話者名かな | まえかわしず |
| 生年月日 | 18800918 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県島尻郡伊是名村字仲田 |
| 記録日 | 19800904 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 島尻郡伊是名村 T04 A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 11 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 小学校三年生の時、兼城節子先生から聞いた。 |
| 文字化資料 | いぜな島の民話 P121 |
| キーワード | アシガキ,コオロギ,田んぼ,畦,病気,甘い水,辛い水,反対,墓,親不孝,親孝行 |
| 梗概(こうがい) | 今、ちょっとお話しするのは、アシガキの話ですよ。題目はね、それで、コオロギともいいますけれど。コオロギはですね、何で、田んぼの畦にですね、そばに、「ガーク、ガーク。」と、夜も昼も泣くのは、どうしてかと言いますが、それは、お父さんが、ちょうど、病気になったわけですよね、それで、「甘い水、汲んでおいでなさい。」と、言ったら、辛い水汲んで来るわけですよね。それで、「辛い水、汲んで来なさい。」と、言ったら、甘い水汲んで、反対になるわけですよね。それで、とうとう、一カ月も二カ月も続けると、このお父さんは、病気で亡くなられたわけよね、それで、とうとう死んだけれど、「墓は、どこにもって行くか。山にもっていくかねえ。」と、考えたけれど、このコオロギはですね、「私はね、親不孝だから、お父さんに対して申し訳ないですから、お父さんが、いつでも『甘い水、甘い水』と言ってたけれど、私は反対にして、とうとう親を……、お父さんも亡くした。そのかわりに、お父さんが甘い水をほしいと言った気持ちを忘れないために、(お父さんが言ったとおり)、田んぼのそばに、今から、死んでからでも孝行しようか。」と、思う気持ちで、田んぼのそばに、置いたわけですよね。それで、置いたのは、「お父さんも、お母さんもね、私を親不孝と思わないで、今から孝行してあげますから。残念ながら、もう、親に対して申し訳ないから。」と、言って、それで、夜も昼も、「ガーク、ガーク。」と、泣くのは、規に対して申し訳ないと。今から親孝行をしますと言ってね、それで泣くわけって。ん。それだけは、聞いた覚えがありますから、今、話しておるわけですね。 |
| 全体の記録時間数 | 2:41 |
| 物語の時間数 | 2:18 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |