手なし娘(方言)

概要

ある侍の家に一人の女の子が生まれた。その後、妻が死んでしまったので後妻を迎えた。後妻にも女の子が生まれた。侍は自分が死ぬ時、妻に「娘に賢い夫をもたせて、この家を継がせてくれ」と頼んだ。後妻は自分の実の娘にこの家を継がせようと思った。継母にはニングル(男)がいた。男は夜になるとやって来た。子供が「お母さん、夜になるとやって来る男は誰ですか」ときいた。継母は「あなたのお父さんがお金を借りていたので、お金を取りに来るんだよ」と言った。夜になって男が来たので、娘は「お金を取りに来るのは夜じゃなく昼にいらしてください」と言った。継母が「私たち二人は、この娘にダメにされてしまう」と言い、二人で手を引っ張りぬいてこの家から追い出した。金持ちの家では「タルガニーよ。家に私一人で育てた年頃の娘がいるので、あの中から妻をとるように」と言った。手を抜かれた娘は金持ちの家の門の前に立っていた。タルガニーは「お母さん外に立っている女が不思議で気になるので連れてきてください」と言った。連れて来て、「どうして私たちの門の前に立っているのか」ときいた。すると、「あなた方の家で働かせてください」と女は言った。そして、その家で働くことにした。マチガニーは「お母さん、私が石を投げるので、その石に当たった人が私の妻になる人だよ」と言った。家の中にいる女たちは、「里主はきっと私たちの中から嫁を選ぶ」と言い、女たちは化粧をしている。でも、里主はこの女たちには見向きもしなかった。そして台所にいる女に石を投げた。母親は「あんな手もない人を嫁にするつもりで石を投げたのか」と怒った。里主は「でも、私はあの女が好きです」と言った。そして、この女は男の子を生んだ。するとその女(子の母親)は大そう喜んだ。里主は城勤めで留守だったので、女(その母親)は、「りっぱな長男が生まれたよ」という内容の手紙を書いて里主(タルガニー)のところへ持って行くようにとマチャーを使いにやった。手がない女の実家は首里に向かう途中にあったが、夜になったので、マチャーは女の実家に行って、首里に行くが夜になってしまったので泊めてくれるように頼んだ。すると女を追い出した継母は、「お前はどうして首里に行くのか」ときいた。マチャーは「はい、珍しいことですよ。手のない女が子供を産んだので、里主のところに手紙を持って行くところです」と言った。すると継母は、その人の懐から手紙を取り出して読んだ。そして、「手のない女が子供を育てることはできないので、この女を追い出すよ」と手紙を書き変えた。城(里主)からの返事は、自分が帰えるまで追い出さないでくれというものだった。マチャーは、またこの家で泊まった。継母は手紙を見て、すぐ女を追い出しなさい、と手紙を書き変えた。マチャーはこの手紙を持って帰った。母親(姑)は城からの手紙を読み、「タルガニーがあなたをすぐ追い出しなさいといって手紙が来ているので、すぐ出て行くように」と言った。継母は、子供はこの家に残していくようにと言ったが、女(子の親)は「この子は自分が産んだのですから、たとえ物乞いになっても育てる」と言って連れて出た。川を渡ろうとしてその子を川に落としてしまった。子供はがたがたふるえている。すると突然女の両手が生えた。女は子供を助けることができた。その頃、マチャーが女を探しに来ていた。里主は自分の母親に、「私が帰るまで置いておくようにと言ったのにどうして追い出したのか」と言って、ウンナムに登りあっちこっち探していた。「マチャーよー、私はお前に騙された」と嘆いた。そして、ウンナムイ、ヌブテ、ウンナ、マチガニが、ティフィタサと歌をうたっていた。 

再生時間:6:44

民話詳細DATA

レコード番号 47O230090
CD番号 47O23C005  
決定題名 手なし娘(方言)
話者がつけた題名
話者名 末吉カマ
話者名かな すえよしかま
生年月日 18900000
性別
出身地 沖縄県粟国村浜 
記録日 19760818
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 粟国T04A11
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 粟国島の民話P192
キーワード 継母,手紙,手の切断
梗概(こうがい) ある侍の家に一人の女の子が生まれた。その後、妻が死んでしまったので後妻を迎えた。後妻にも女の子が生まれた。侍は自分が死ぬ時、妻に「娘に賢い夫をもたせて、この家を継がせてくれ」と頼んだ。後妻は自分の実の娘にこの家を継がせようと思った。継母にはニングル(男)がいた。男は夜になるとやって来た。子供が「お母さん、夜になるとやって来る男は誰ですか」ときいた。継母は「あなたのお父さんがお金を借りていたので、お金を取りに来るんだよ」と言った。夜になって男が来たので、娘は「お金を取りに来るのは夜じゃなく昼にいらしてください」と言った。継母が「私たち二人は、この娘にダメにされてしまう」と言い、二人で手を引っ張りぬいてこの家から追い出した。金持ちの家では「タルガニーよ。家に私一人で育てた年頃の娘がいるので、あの中から妻をとるように」と言った。手を抜かれた娘は金持ちの家の門の前に立っていた。タルガニーは「お母さん外に立っている女が不思議で気になるので連れてきてください」と言った。連れて来て、「どうして私たちの門の前に立っているのか」ときいた。すると、「あなた方の家で働かせてください」と女は言った。そして、その家で働くことにした。マチガニーは「お母さん、私が石を投げるので、その石に当たった人が私の妻になる人だよ」と言った。家の中にいる女たちは、「里主はきっと私たちの中から嫁を選ぶ」と言い、女たちは化粧をしている。でも、里主はこの女たちには見向きもしなかった。そして台所にいる女に石を投げた。母親は「あんな手もない人を嫁にするつもりで石を投げたのか」と怒った。里主は「でも、私はあの女が好きです」と言った。そして、この女は男の子を生んだ。するとその女(子の母親)は大そう喜んだ。里主は城勤めで留守だったので、女(その母親)は、「りっぱな長男が生まれたよ」という内容の手紙を書いて里主(タルガニー)のところへ持って行くようにとマチャーを使いにやった。手がない女の実家は首里に向かう途中にあったが、夜になったので、マチャーは女の実家に行って、首里に行くが夜になってしまったので泊めてくれるように頼んだ。すると女を追い出した継母は、「お前はどうして首里に行くのか」ときいた。マチャーは「はい、珍しいことですよ。手のない女が子供を産んだので、里主のところに手紙を持って行くところです」と言った。すると継母は、その人の懐から手紙を取り出して読んだ。そして、「手のない女が子供を育てることはできないので、この女を追い出すよ」と手紙を書き変えた。城(里主)からの返事は、自分が帰えるまで追い出さないでくれというものだった。マチャーは、またこの家で泊まった。継母は手紙を見て、すぐ女を追い出しなさい、と手紙を書き変えた。マチャーはこの手紙を持って帰った。母親(姑)は城からの手紙を読み、「タルガニーがあなたをすぐ追い出しなさいといって手紙が来ているので、すぐ出て行くように」と言った。継母は、子供はこの家に残していくようにと言ったが、女(子の親)は「この子は自分が産んだのですから、たとえ物乞いになっても育てる」と言って連れて出た。川を渡ろうとしてその子を川に落としてしまった。子供はがたがたふるえている。すると突然女の両手が生えた。女は子供を助けることができた。その頃、マチャーが女を探しに来ていた。里主は自分の母親に、「私が帰るまで置いておくようにと言ったのにどうして追い出したのか」と言って、ウンナムに登りあっちこっち探していた。「マチャーよー、私はお前に騙された」と嘆いた。そして、ウンナムイ、ヌブテ、ウンナ、マチガニが、ティフィタサと歌をうたっていた。 
全体の記録時間数 6:55
物語の時間数 6:44
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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