炭焼き長者(方言)

概要

隣の人が、お前の妻が男の子を産んでも、私の妻が女の子を産んでも遠くにはやらない(二人を結婚させる)、と男同士で酒盃を交わした。年頃になって、自分の親が亡くなったので、その女は男の家に入り込んできた。その男の子の親は、井戸神の南側の神を見ると、「ナカジンに子供が生まれたので名前を付けた」という。「なんと付けたか」ときくと、「テールバーキと付けた」という。その後、女が生まれると、井戸の神が名前を付けたとソバの神にいった。「なんと付けたか」ときくと、「ユタカーと付けた」と答える。その二人は成長して夫婦になった。その女は腹を空かしていても隣の人にあげたので、いつもその夫婦はお腹いっぱいになることはなかった。夫は屋根に上がって妻が食事の支度をしているのを見ると、その女はしゃもじを持って、門の前で待っていた。夫は降りていったが残り物しかないので、「そのしゃもじは私たちの腹を空かせるから捨てた」という。すると妻は、「あなたに徳の神は捨てられたので出て行く」といって、少しばかりの黄金を懐に入れて、しゃもじを探しに出て行った。雨がチラチラ降ってきたので、畑の小屋に隠れると、そこでタンメーがそのしゃもじを使っていた。「イーノカミトコノカミはここに来ているので妻にしてください」と女はそのタンメー小にいった。するとタンメー小は、「どうして私のような百姓が侍のような方と結ばれようか」といった。女が、「この宝(持ってきた黄金)はあなたの道具(持ち物)の中に隠してください」といって渡すと、「それはイサバマにはたくさんある。私はそれで鳥をとっている」という。その妻は、「あなたは徳がたいので、石になっているので私を連れて行ってください」といって、イサバマへ行った。その人には全部黄金になって見えた。「浜の神よ、この宝は全部私にください」と願った。すると、この浜の精は、「まだ早いから、子供が出来たらこの宝を持って帰れ」といった。そして女は男の子を産んだので、イサバマへ行き、「生まれましたのでこの宝をください」といって持って帰ると、その人は金持ちになり、家も二階建てになった。元の夫のティールバーキ売りが、その家に物乞いに来たので、その人(女)は女中に、「私たちが食べる物を分けて、腹いっぱい食べさせてやりなさい」といった。物乞いが、「ここはどこの殿内ですか。私のような物乞いに美味しい物をくださる殿内は何という殿内ですか」ときくと、「フルキジール シランアターミ(         )」というと、 「アキサミヨ」といってその人は下をかみ切って死んだ。それで女中に葬らせた。 するとその男が葬られたところから生姜が生えた。すると妻は女中たちに、「この生姜はハジチリショウガ(恥を知らない生姜)だから、すぐには食べるな。つばでよく洗ってから食べなさい」といった。

再生時間:8:53

民話詳細DATA

レコード番号 47O230020
CD番号 47O23C002  
決定題名 炭焼き長者(方言)
話者がつけた題名 井ーぬ神の話
話者名 末吉カマ
話者名かな すえよしかま
生年月日 18880805
性別
出身地 沖縄県粟国村字浜
記録日 19760816
記録者の所属組織 沖縄国際大学口承研
元テープ番号 粟国T02A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 福分,幸運の妻,貧しい百姓,黄金発見,
梗概(こうがい) 隣の人が、お前の妻が男の子を産んでも、私の妻が女の子を産んでも遠くにはやらない(二人を結婚させる)、と男同士で酒盃を交わした。年頃になって、自分の親が亡くなったので、その女は男の家に入り込んできた。その男の子の親は、井戸神の南側の神を見ると、「ナカジンに子供が生まれたので名前を付けた」という。「なんと付けたか」ときくと、「テールバーキと付けた」という。その後、女が生まれると、井戸の神が名前を付けたとソバの神にいった。「なんと付けたか」ときくと、「ユタカーと付けた」と答える。その二人は成長して夫婦になった。その女は腹を空かしていても隣の人にあげたので、いつもその夫婦はお腹いっぱいになることはなかった。夫は屋根に上がって妻が食事の支度をしているのを見ると、その女はしゃもじを持って、門の前で待っていた。夫は降りていったが残り物しかないので、「そのしゃもじは私たちの腹を空かせるから捨てた」という。すると妻は、「あなたに徳の神は捨てられたので出て行く」といって、少しばかりの黄金を懐に入れて、しゃもじを探しに出て行った。雨がチラチラ降ってきたので、畑の小屋に隠れると、そこでタンメーがそのしゃもじを使っていた。「イーノカミトコノカミはここに来ているので妻にしてください」と女はそのタンメー小にいった。するとタンメー小は、「どうして私のような百姓が侍のような方と結ばれようか」といった。女が、「この宝(持ってきた黄金)はあなたの道具(持ち物)の中に隠してください」といって渡すと、「それはイサバマにはたくさんある。私はそれで鳥をとっている」という。その妻は、「あなたは徳がたいので、石になっているので私を連れて行ってください」といって、イサバマへ行った。その人には全部黄金になって見えた。「浜の神よ、この宝は全部私にください」と願った。すると、この浜の精は、「まだ早いから、子供が出来たらこの宝を持って帰れ」といった。そして女は男の子を産んだので、イサバマへ行き、「生まれましたのでこの宝をください」といって持って帰ると、その人は金持ちになり、家も二階建てになった。元の夫のティールバーキ売りが、その家に物乞いに来たので、その人(女)は女中に、「私たちが食べる物を分けて、腹いっぱい食べさせてやりなさい」といった。物乞いが、「ここはどこの殿内ですか。私のような物乞いに美味しい物をくださる殿内は何という殿内ですか」ときくと、「フルキジール シランアターミ(         )」というと、 「アキサミヨ」といってその人は下をかみ切って死んだ。それで女中に葬らせた。 するとその男が葬られたところから生姜が生えた。すると妻は女中たちに、「この生姜はハジチリショウガ(恥を知らない生姜)だから、すぐには食べるな。つばでよく洗ってから食べなさい」といった。
全体の記録時間数 9:29
物語の時間数 8:53
言語識別 方言
音源の質 △ 周囲の声が大きい
テープ番号
予備項目1

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