猿長者(方言)

概要

下男を多く使うほどの大金持ちの家の隣に貧しい爺と婆がいた。年越しの肉や米を買えない二人が火正月をしようとしているところへ、旅の坊さんが隣の金持ちの家で宿を乞うたが断られたので泊めてくれと尋ねて来た。二人が快く泊めてくれたので、坊さんはなぜ正月のご馳走がないかと尋ねた。二人が貧乏で火正月をしているのだと答えると、坊さんはそれでは隣の家から大きな鍋を借りてきて湯を沸かしなさいと言った。二人がその通りにすると、坊さんは袋の中から何やら取り出し、口で何かを唱えながら鍋に入れた。すると鍋一つにご飯や汁などのご馳走が出てきた。坊さんが二人に一番望むことは何かと二人に尋ねると、二人と若くなりたいと答えた。翌朝、坊さんは再び鍋に湯を沸かさせると、また袋から何やら入れて、そのお湯を二人にかけてやった。すると二人はたちまち若返った。若返った婆さんが隣の家に鍋を返しにいくと、金持ち夫婦はどうして若返ったのかと尋ねたので一部始終教えてやった。すると金持ちは馬を走らせて坊さんを自分の家に連れ戻して若返らせてくれと頼んだ。坊さんは沸かせたお湯に袋から何やら取り出して金持ちや下男たちにかけてやった。すると下男は烏になって飛んでいき、二人は猿になった。金持ちの家が空き家になったので若返った二人がその家に住むようになった。ある日、坊さんがその家によって二人に困ったことはないかとたずねると、若返った二人は猿になった金持ちが毎日来ては家や財産を返せと騒ぐので困っていると話した。坊さんは猿が来て座る石臼に焼き石を置いておくように教えてくれたので、言われたとおりにすると、猿がやってきてその石に座ったので、尻をチャーラ、チャーラと焼かれて逃げて行った。この坊さんの薬は心の良い人間が浴びると若返るが、心の悪い人間が浴びると猿になる薬だった。坊さんは神様だった。金持ちの家は染屋だったので猿の爪が黒くなった。尻は焼かれたので赤くなった。

再生時間:8:59

民話詳細DATA

レコード番号 47O380417
CD番号 47O38C020
決定題名 猿長者(方言)
話者がつけた題名
話者名 翁長ナヘ
話者名かな おながなえ
生年月日 19070803
性別
出身地 沖縄県国頭郡東村字有銘
記録日 19790803
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 東村字有銘 T15 B02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 12
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 下男,大金持ち,爺と婆,年越し,火正月,旅,坊さん,ご馳走,大きな鍋,湯,若返る,烏,猿,石臼,焼き石,尻,薬,神様,染屋,爪
梗概(こうがい) 下男を多く使うほどの大金持ちの家の隣に貧しい爺と婆がいた。年越しの肉や米を買えない二人が火正月をしようとしているところへ、旅の坊さんが隣の金持ちの家で宿を乞うたが断られたので泊めてくれと尋ねて来た。二人が快く泊めてくれたので、坊さんはなぜ正月のご馳走がないかと尋ねた。二人が貧乏で火正月をしているのだと答えると、坊さんはそれでは隣の家から大きな鍋を借りてきて湯を沸かしなさいと言った。二人がその通りにすると、坊さんは袋の中から何やら取り出し、口で何かを唱えながら鍋に入れた。すると鍋一つにご飯や汁などのご馳走が出てきた。坊さんが二人に一番望むことは何かと二人に尋ねると、二人と若くなりたいと答えた。翌朝、坊さんは再び鍋に湯を沸かさせると、また袋から何やら入れて、そのお湯を二人にかけてやった。すると二人はたちまち若返った。若返った婆さんが隣の家に鍋を返しにいくと、金持ち夫婦はどうして若返ったのかと尋ねたので一部始終教えてやった。すると金持ちは馬を走らせて坊さんを自分の家に連れ戻して若返らせてくれと頼んだ。坊さんは沸かせたお湯に袋から何やら取り出して金持ちや下男たちにかけてやった。すると下男は烏になって飛んでいき、二人は猿になった。金持ちの家が空き家になったので若返った二人がその家に住むようになった。ある日、坊さんがその家によって二人に困ったことはないかとたずねると、若返った二人は猿になった金持ちが毎日来ては家や財産を返せと騒ぐので困っていると話した。坊さんは猿が来て座る石臼に焼き石を置いておくように教えてくれたので、言われたとおりにすると、猿がやってきてその石に座ったので、尻をチャーラ、チャーラと焼かれて逃げて行った。この坊さんの薬は心の良い人間が浴びると若返るが、心の悪い人間が浴びると猿になる薬だった。坊さんは神様だった。金持ちの家は染屋だったので猿の爪が黒くなった。尻は焼かれたので赤くなった。
全体の記録時間数 10:48
物語の時間数 8:59
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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