てんぷくちふく
ある所に親孝行の子供がいたが、この子は大変貧乏だった。その子は早くに父を亡くして母親に育てられた。この子はいい年になっても貧乏のため妻を探すこともできずにいた。毎日、昼間は一貫ニ貫をもらって人の畑を耕し、夜は月が上がるまで100坪くらいしかない自分の畑を耕して、親を養っていた。ある月夜の晩に畑を耕していると100才くらいになる女神が来て「お前は親孝行な子なのでどこどこに黄金があるから、それをお前にあげよう、見てきなさい」と言った。子は「それなら明日見てきます」と言って、行ってみると、そこには確かに黄金に入っているカメがあった。しかし、「それは2、3日後に取りに来い」と言われたので、そのままにして帰った。その子の家の隣には妻子のある一番の友達が住んでいた。その子がその話をすると、その友達はすぐにその場所に行った。言われたとおり、そこにはカメがあった。中を見てみると、そこには黄金はなくハブがいた。友達は、自分を騙してハブに咬ませようとしたと怒って、そのハブの入ったカメを風呂敷で覆い、その子の家に持って行って、その子が眠っている座敷に、ハブをこぼして反対に殺してやろうと考えた。カメを転がすとハブが這い出してくるのを見て家に帰った。翌朝、もう死んでいるはずだと、窓から覗いてみると、友達は起きていて「何でこの黄金がここにあるのか、神様が持ってきたのか」と言ってこぼれている黄金を拾い集めていると、友達が窓から覗いているのが見えたので「ここに来なさい」と言った。友達はいたたまれず逃げていった。それから友達は来なくなり、縁が切れた。
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レコード番号 | 47O380189 |
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CD番号 | 47O38C008 |
決定題名 | 天福地福(方言) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 久高将亀 |
話者名かな | くだかしょうき |
生年月日 | 19000525 |
性別 | 男 |
出身地 | 沖縄県具志川市赤納 |
記録日 | 19790802 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 東村字宮城 T06 A09 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 12 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | - |
キーワード | 親孝行,子供,貧乏,女神,黄金,友達,カメ,ハブ |
梗概(こうがい) | ある所に親孝行の子供がいたが、この子は大変貧乏だった。その子は早くに父を亡くして母親に育てられた。この子はいい年になっても貧乏のため妻を探すこともできずにいた。毎日、昼間は一貫ニ貫をもらって人の畑を耕し、夜は月が上がるまで100坪くらいしかない自分の畑を耕して、親を養っていた。ある月夜の晩に畑を耕していると100才くらいになる女神が来て「お前は親孝行な子なのでどこどこに黄金があるから、それをお前にあげよう、見てきなさい」と言った。子は「それなら明日見てきます」と言って、行ってみると、そこには確かに黄金に入っているカメがあった。しかし、「それは2、3日後に取りに来い」と言われたので、そのままにして帰った。その子の家の隣には妻子のある一番の友達が住んでいた。その子がその話をすると、その友達はすぐにその場所に行った。言われたとおり、そこにはカメがあった。中を見てみると、そこには黄金はなくハブがいた。友達は、自分を騙してハブに咬ませようとしたと怒って、そのハブの入ったカメを風呂敷で覆い、その子の家に持って行って、その子が眠っている座敷に、ハブをこぼして反対に殺してやろうと考えた。カメを転がすとハブが這い出してくるのを見て家に帰った。翌朝、もう死んでいるはずだと、窓から覗いてみると、友達は起きていて「何でこの黄金がここにあるのか、神様が持ってきたのか」と言ってこぼれている黄金を拾い集めていると、友達が窓から覗いているのが見えたので「ここに来なさい」と言った。友達はいたたまれず逃げていった。それから友達は来なくなり、縁が切れた。 |
全体の記録時間数 | 6:36 |
物語の時間数 | 6:22 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |