
昔、常平生は他人と大変仲良くして、実の兄弟とはとっても仲が悪い兄弟がおったそうです。ある時、ある部落で、ナスビ畑が盗み荒らされた。で、これは突き止めて、捕まえないといかんと思うて、夜、大きなこん棒を持って、藪の中にうずくまって、これが出るのを待っていた。それで、川の面から人が通る音がしよったって。それで、この人は、泥棒が来たと思って、こん棒構えて、やったらめったらに殴った。それで、この人は、「これは動かなくなった、死んでおるなあ」と思って、触ってみたら、真っ黒くして人間みたいであった。「これは大変」と思って、家に帰って、普段いつも親しくしている親友の所へ行った。「実はこうこうで畑泥棒を殺してしまったから、今のうちに片づけを手伝ってください」と言って、頼みに行った。その友人は、「人殺したら大変だから、あんたとはもう今度絶交だ。私は友達ならなくても、そういうことは出来ません」と言って、断った。それで仕方なしに、普通はいつも仲の悪い兄弟だが、訳を言うて、「実はこうこうだから、助けてくれ。二人で片づけないと、番所の人が廻って来られたら大変だから、今のうちに片づけよう」と言った。やっぱり兄弟は兄弟だ。普通はとっても仲の悪い兄弟だが、いざとなると、兄弟はもう、人を殺したら大変だからって、二人行った。明かりを点けて、片付けに行ったら、大きな猪だったらしい。それで、どんな他人と良くしてもいざとなったら身内より頼もしいのは無いというわけ。
| レコード番号 | 47O220503 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C024 |
| 決定題名 | 兄弟の仲直り 猪(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 兄弟の仲直り 猪 |
| 話者名 | 崎山喜明 |
| 話者名かな | さきやまきめい |
| 生年月日 | 19110507 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村宮城 |
| 記録日 | 19830304 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村宮城T21A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | むかし |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P113 |
| キーワード | 仲が悪い兄弟,ナスビ畑,盗み荒らされ,夜,こん棒,藪の中,泥棒,親友,人殺し,絶交,猪 |
| 梗概(こうがい) | 昔、常平生は他人と大変仲良くして、実の兄弟とはとっても仲が悪い兄弟がおったそうです。ある時、ある部落で、ナスビ畑が盗み荒らされた。で、これは突き止めて、捕まえないといかんと思うて、夜、大きなこん棒を持って、藪の中にうずくまって、これが出るのを待っていた。それで、川の面から人が通る音がしよったって。それで、この人は、泥棒が来たと思って、こん棒構えて、やったらめったらに殴った。それで、この人は、「これは動かなくなった、死んでおるなあ」と思って、触ってみたら、真っ黒くして人間みたいであった。「これは大変」と思って、家に帰って、普段いつも親しくしている親友の所へ行った。「実はこうこうで畑泥棒を殺してしまったから、今のうちに片づけを手伝ってください」と言って、頼みに行った。その友人は、「人殺したら大変だから、あんたとはもう今度絶交だ。私は友達ならなくても、そういうことは出来ません」と言って、断った。それで仕方なしに、普通はいつも仲の悪い兄弟だが、訳を言うて、「実はこうこうだから、助けてくれ。二人で片づけないと、番所の人が廻って来られたら大変だから、今のうちに片づけよう」と言った。やっぱり兄弟は兄弟だ。普通はとっても仲の悪い兄弟だが、いざとなると、兄弟はもう、人を殺したら大変だからって、二人行った。明かりを点けて、片付けに行ったら、大きな猪だったらしい。それで、どんな他人と良くしてもいざとなったら身内より頼もしいのは無いというわけ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:14 |
| 物語の時間数 | 3:08 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◯ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |