
昔、姥捨山というのがあった。六十を過ぎたら、みんな山に連れて行って捨てた。昔、私のお婆さんが話をしたのはね、ある人が、おぶっていたら、「絶対に私は姥捨山に行かないよ。捨てられたくないよ」と言うけれど、それでも無理に連れて行かれて、丘に登って行って、そこからつき落とした。そこはまた捨て山といって、みんな筵を敷いて、そのへんにうっちゃらかして置いて、たとえ元気でも、無理やり、みんな連れて行かれるわけ。そして、置き去りにして行くんだ。ある人は親孝行な人だったので、捨てることができないわけ。そこに親を残して、人には見られないようにいつもご飯を持って、夜になるとそこへ行き通った。でも、ほかの人がつき落とすのを見て、この人も自分の親をつき落としてね。そして、二、三日はまた、その婆さんのところへ見に来なかったって。来なかったので、「どうしたの、お前。二、三日も来ないで、こんなに顔色を悪くして」と言ったら、「村に神様がおいでになって、ハブを二匹捕まえて、『どれが雄で、どれが雌か。いついつまでに返事をしなければ、この村を全滅させる』といって、天へお帰りになったけど、誰も分からない」と、お婆さんに言ったわけ。すると、お婆さんが、「そんなことも分からないのか。こうやってつかまえていたら、うんと暴れるのが雄で、あまり暴れないのが雌だよ」と教えた。また神様が来て、「この問題を当てきれないうちは、村を全滅させるぞ」と言ったって。するとこの親から習ってきた人が、二匹のハブを見て、「うんと暴れているのが雄です」と当てたんだって。当てたので、「どうしてあんた。どこからこれを聞いてきたのか」と、みんな不思議がってね。そのときからは、年寄りを姥捨山に捨てなかったそうだよ。
| レコード番号 | 47O220489 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C023 |
| 決定題名 | 親捨山 難題(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 親捨山 難題 |
| 話者名 | 前田カナ |
| 話者名かな | まえだかな |
| 生年月日 | 19020404 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村饒波 |
| 記録日 | 19830304 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村饒波T20B03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | ふぇーく、おばすてやまいちあいや |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P151 |
| キーワード | 姥捨山,六十過ぎ,山,連れて行って,捨てた,無理やり,置き去り,親孝行な人,ご飯を持って,通った,神様,ハブを二匹,どれが雄,どれが雌,いつまでに返事,村を全滅,暴れるのが雄,暴れないのが雌 |
| 梗概(こうがい) | 昔、姥捨山というのがあった。六十を過ぎたら、みんな山に連れて行って捨てた。昔、私のお婆さんが話をしたのはね、ある人が、おぶっていたら、「絶対に私は姥捨山に行かないよ。捨てられたくないよ」と言うけれど、それでも無理に連れて行かれて、丘に登って行って、そこからつき落とした。そこはまた捨て山といって、みんな筵を敷いて、そのへんにうっちゃらかして置いて、たとえ元気でも、無理やり、みんな連れて行かれるわけ。そして、置き去りにして行くんだ。ある人は親孝行な人だったので、捨てることができないわけ。そこに親を残して、人には見られないようにいつもご飯を持って、夜になるとそこへ行き通った。でも、ほかの人がつき落とすのを見て、この人も自分の親をつき落としてね。そして、二、三日はまた、その婆さんのところへ見に来なかったって。来なかったので、「どうしたの、お前。二、三日も来ないで、こんなに顔色を悪くして」と言ったら、「村に神様がおいでになって、ハブを二匹捕まえて、『どれが雄で、どれが雌か。いついつまでに返事をしなければ、この村を全滅させる』といって、天へお帰りになったけど、誰も分からない」と、お婆さんに言ったわけ。すると、お婆さんが、「そんなことも分からないのか。こうやってつかまえていたら、うんと暴れるのが雄で、あまり暴れないのが雌だよ」と教えた。また神様が来て、「この問題を当てきれないうちは、村を全滅させるぞ」と言ったって。するとこの親から習ってきた人が、二匹のハブを見て、「うんと暴れているのが雄です」と当てたんだって。当てたので、「どうしてあんた。どこからこれを聞いてきたのか」と、みんな不思議がってね。そのときからは、年寄りを姥捨山に捨てなかったそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:45 |
| 物語の時間数 | 2:37 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |