
昔々、支那と沖縄が勢力争いをするといって、「まず初めに絵描き比べをしよう」ということになった。支那は、虎とバラの絵をとてもうまく描いた。沖縄には絵の具も何もないので、白い紙いっぱいに墨を塗り、少しのすき間もなく塗りつぶした。そして、審査をする審判官達に見せると、「支那の描いた絵は立派だが、お前達のは少し基礎ができていない」と言ったので、沖縄の人は、「これは闇のなかの烏です」と言った。支那の絵は欠点があったらしいけど、沖縄の絵はもう直しようがない。それで、「沖縄にはかなわない」と言って、沖縄は一番になって、あそこは頭を下げたって。それからまた、「大物比べをしようじゃないか」と言って、動物の大物比べをすることになった。支那からは、大きな象がさし出された。でも、沖縄には大きな動物がいないので、また考えて、「沖縄には、象をなめるものがいますよ」と言った。そしたら、もうびっくりしてね、支那の人達は勝負に負けて帰った。後で、「あんたが大物と言ったのは、いったい何だね」と聞いたら、それはメダカのことだったって。だからもう沖縄の人の頭は優れていると言って、支那の方からは、戦もしかけてくることができなかったという話。昔は、戦の仕方も分からない。それで、「農民たちに、みんな粟飯を炊かせろ」と言って、首里城の周囲に、その粟飯を流した。そして、一斗甕を支那の兵隊が攻めて来る方へ向かわせて待っていたら、支那の方は、「大砲を向けられたのでは、こちらは及ばない」と言って、帰って行ったって。
| レコード番号 | 47O220484 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C023 |
| 決定題名 | 沖縄と支那の智恵くらべ 闇夜の烏(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 沖縄と支那の智恵くらべ 闇夜の烏 |
| 話者名 | 前田スミ |
| 話者名かな | まえだすみ |
| 生年月日 | 19180115 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村根路銘安根 |
| 記録日 | 19830304 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村饒波T20A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13,20 |
| 発句(ほっく) | むかしむかし |
| 伝承事情 | 昔、おじいさんとか、おばあさんから |
| 文字化資料 | 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P224 |
| キーワード | 支那,沖縄,勢力争い,絵描き比べ,虎とバラの絵,絵の具,白い紙,墨を塗る,審査,審判官,闇のなかの烏,一番,大物比べ,動物,大きな象,メダカ,頭は優れている,戦の仕方,農民たち,首里城の周囲,粟飯を流す,一斗甕,大砲 |
| 梗概(こうがい) | 昔々、支那と沖縄が勢力争いをするといって、「まず初めに絵描き比べをしよう」ということになった。支那は、虎とバラの絵をとてもうまく描いた。沖縄には絵の具も何もないので、白い紙いっぱいに墨を塗り、少しのすき間もなく塗りつぶした。そして、審査をする審判官達に見せると、「支那の描いた絵は立派だが、お前達のは少し基礎ができていない」と言ったので、沖縄の人は、「これは闇のなかの烏です」と言った。支那の絵は欠点があったらしいけど、沖縄の絵はもう直しようがない。それで、「沖縄にはかなわない」と言って、沖縄は一番になって、あそこは頭を下げたって。それからまた、「大物比べをしようじゃないか」と言って、動物の大物比べをすることになった。支那からは、大きな象がさし出された。でも、沖縄には大きな動物がいないので、また考えて、「沖縄には、象をなめるものがいますよ」と言った。そしたら、もうびっくりしてね、支那の人達は勝負に負けて帰った。後で、「あんたが大物と言ったのは、いったい何だね」と聞いたら、それはメダカのことだったって。だからもう沖縄の人の頭は優れていると言って、支那の方からは、戦もしかけてくることができなかったという話。昔は、戦の仕方も分からない。それで、「農民たちに、みんな粟飯を炊かせろ」と言って、首里城の周囲に、その粟飯を流した。そして、一斗甕を支那の兵隊が攻めて来る方へ向かわせて待っていたら、支那の方は、「大砲を向けられたのでは、こちらは及ばない」と言って、帰って行ったって。 |
| 全体の記録時間数 | 2:47 |
| 物語の時間数 | 2:40 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |