
源河金持(げんかうぇーき)という大金持ちがいた。その息子カナーが源河一番の美人チルーを好きになった。チルーの親はチルーに、カナーが大金持ちなので、嫁さんになるようすすめる。昔は親が縁組みを決めた時代だった。カナーは頭に5つ、6つのカンパチがあって、顔もあまりよくなかった。チルーは親に、「こんなヤナカーギーの嫁にはならない」と言った。親は、「大金持ちだから是非とも結婚させなければ」と考えた。それから、親は、村のチルーの友達と相談して、チルーとカナーを島の前の岩に連れて行くことになった。チルーの友達10名ぐらいでにぎわって、この岩まで二人を連れて行った。そこで、歌ったり踊ったりした。友達はかねてからの親との相談だったので、カナーとチルー二人を置いて、すぐ家に戻ってきた。カナーとチルーは二人だけ残された。夜になって、大変寒くなったので、二人はガタガタ震えていた。友達は家に帰ってしまっていたので、泳いで帰ることもできない。その時、カナーが「チルーよ、寒いだろう」と言った。この頃は、着物一枚だけしか着けない世の中だったが、カナーは金持ちだったので綿入れを着ていた。それで、カナーはチルーに綿入れを着せた。チルーはあたたかくなったので、カンパチャーカナーに、「里が御心は 今どぅうめしゆる(あなたの優しい心を 今知りました) いちぐいちまでぃん つびちならや(いついつまでも 仲良くしましょう)」という歌を送った。そのまま二人は抱き合って、夜の明けるのも分からなかった。夜が明けて、親が迎えに行ったら、二人抱き合って眠っていた。それから二人は夫婦になった。そして、子供も多く産まれて、よりよき源河金持になった。それから、この石はそれまではただの源河前の大石と呼ばれていたが、夫を振ったことから、ことが始まるので、夫振岩と呼ばれるようになった。本当に夫婦というものは仲むつまじくしていたら、子や孫もたくさんできて幸せになる。また、男はカンパチャーでも心の持ち方が一番大切なのである。
| レコード番号 | 47O220422 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C020 |
| 決定題名 | 夫振岩(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 夫振岩 |
| 話者名 | 富原神太郎 |
| 話者名かな | とみはらかんたろう |
| 生年月日 | 19040701 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村大兼久 |
| 記録日 | 19830304 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村大兼久T18B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | めいじじだいぬはなしやしが |
| 伝承事情 | 源河の長老から |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 源河金持,大金持ち,息子カナー,美人チルー,親,嫁さんになる,縁組み,カンパチ,ヤナカーギー,結婚させなければ,友達,相談,島の前の岩,連れて行く,歌ったり,踊ったり,二人を置いて,夜,大変寒い,カナー,着物一枚,綿入れ,歌,源河前の大石,夫振岩 |
| 梗概(こうがい) | 源河金持(げんかうぇーき)という大金持ちがいた。その息子カナーが源河一番の美人チルーを好きになった。チルーの親はチルーに、カナーが大金持ちなので、嫁さんになるようすすめる。昔は親が縁組みを決めた時代だった。カナーは頭に5つ、6つのカンパチがあって、顔もあまりよくなかった。チルーは親に、「こんなヤナカーギーの嫁にはならない」と言った。親は、「大金持ちだから是非とも結婚させなければ」と考えた。それから、親は、村のチルーの友達と相談して、チルーとカナーを島の前の岩に連れて行くことになった。チルーの友達10名ぐらいでにぎわって、この岩まで二人を連れて行った。そこで、歌ったり踊ったりした。友達はかねてからの親との相談だったので、カナーとチルー二人を置いて、すぐ家に戻ってきた。カナーとチルーは二人だけ残された。夜になって、大変寒くなったので、二人はガタガタ震えていた。友達は家に帰ってしまっていたので、泳いで帰ることもできない。その時、カナーが「チルーよ、寒いだろう」と言った。この頃は、着物一枚だけしか着けない世の中だったが、カナーは金持ちだったので綿入れを着ていた。それで、カナーはチルーに綿入れを着せた。チルーはあたたかくなったので、カンパチャーカナーに、「里が御心は 今どぅうめしゆる(あなたの優しい心を 今知りました) いちぐいちまでぃん つびちならや(いついつまでも 仲良くしましょう)」という歌を送った。そのまま二人は抱き合って、夜の明けるのも分からなかった。夜が明けて、親が迎えに行ったら、二人抱き合って眠っていた。それから二人は夫婦になった。そして、子供も多く産まれて、よりよき源河金持になった。それから、この石はそれまではただの源河前の大石と呼ばれていたが、夫を振ったことから、ことが始まるので、夫振岩と呼ばれるようになった。本当に夫婦というものは仲むつまじくしていたら、子や孫もたくさんできて幸せになる。また、男はカンパチャーでも心の持ち方が一番大切なのである。 |
| 全体の記録時間数 | 6:28 |
| 物語の時間数 | 6:25 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |