
昔、ある所に大きな百姓の家があり、下男や下女を多く使って、穀物なども豊作で豊かに生活していた。そこの家の妻はとっても徳があり、賢かった。ある折目の日に、妻は、祖先や下男下女においしい食べ物をあげて、御主人には、日頃おいしい物を食べているので、食べ物のありがたさを知ってもらおうと考え、粗末な物をあげた。すると、主人は、「どうして使用人達にはおいしい物をやって、私にはこんなまずい物を食べさせるのか。お前を妻にするわけにはいかないから出て行け」といって、妻を家から追い出した。その後、女は再婚していい夫をもって、大変な金持ちになって成功した。元の夫は、妻を離縁した後、金を使いすぎて段々貧乏になり、何年か後には乞食にまで落ちぶれてしまった。そして、あっちの家こっちの家をまわって物乞いして歩いていた。ある時、元の妻がいる所とは知らずに物乞いにきた。そこの家の主人はちょうど、用事で何日か出かけて行って家を留守にしていた。そこへ、元の夫が物乞いに来た。妻は、元の夫が、食べ物も食べずにやせ細って、あまりにもかわいそうだったので、「あなたは私の元の夫ではありませんか」と言って、食べ物を与えた。しかし、元の夫は、あまりにやつれていて運悪く屋敷内で死んでしまった。それで、妻は、「元の夫がこうなっては、主人に申しわけがたたない。早く、雨だれの下に穴を掘って埋めなさい」と言って、死体を埋めさせた。そして、埋めている所から魂が出てきてはいけないからと、「そこに大きな石を持ってきてのせなさい」と言って、大きな石を雨だれの下に持ってこさせて置いた。そして、妻は「このことは主人にも誰にも言ってはいけない」と口止めし、始末した。なぜ、雨だれの下に埋めたのかというと、雨だれの下は、毎日人が足繁く踏みつけている所なので、そこに埋めれば魂は出てこないからということだった。
| レコード番号 | 47O220304 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C015 |
| 決定題名 | 女の徳 後生は雨だれの下(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 女の徳 後生は雨だれの下 |
| 話者名 | 親川富二 |
| 話者名かな | おやかわとみじ |
| 生年月日 | 19161110 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村白浜 |
| 記録日 | 19830305 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村白浜T14B02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | むかしあるとぅくるんかい |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 大きな百姓の家,下男,下女,豊かに生活,妻,徳がある,賢い,折目の日,祖先,おいしい食べ物,御主人,粗末な物,妻を家から追い出す,女は再婚,金持ち,成功,元の夫,段々貧乏,乞食,落ちぶれ,物乞い,恥ずかし,死んだ,雨だれの下,穴を掘って埋める,魂,大きな石,足繁く踏みつけ |
| 梗概(こうがい) | 昔、ある所に大きな百姓の家があり、下男や下女を多く使って、穀物なども豊作で豊かに生活していた。そこの家の妻はとっても徳があり、賢かった。ある折目の日に、妻は、祖先や下男下女においしい食べ物をあげて、御主人には、日頃おいしい物を食べているので、食べ物のありがたさを知ってもらおうと考え、粗末な物をあげた。すると、主人は、「どうして使用人達にはおいしい物をやって、私にはこんなまずい物を食べさせるのか。お前を妻にするわけにはいかないから出て行け」といって、妻を家から追い出した。その後、女は再婚していい夫をもって、大変な金持ちになって成功した。元の夫は、妻を離縁した後、金を使いすぎて段々貧乏になり、何年か後には乞食にまで落ちぶれてしまった。そして、あっちの家こっちの家をまわって物乞いして歩いていた。ある時、元の妻がいる所とは知らずに物乞いにきた。そこの家の主人はちょうど、用事で何日か出かけて行って家を留守にしていた。そこへ、元の夫が物乞いに来た。妻は、元の夫が、食べ物も食べずにやせ細って、あまりにもかわいそうだったので、「あなたは私の元の夫ではありませんか」と言って、食べ物を与えた。しかし、元の夫は、あまりにやつれていて運悪く屋敷内で死んでしまった。それで、妻は、「元の夫がこうなっては、主人に申しわけがたたない。早く、雨だれの下に穴を掘って埋めなさい」と言って、死体を埋めさせた。そして、埋めている所から魂が出てきてはいけないからと、「そこに大きな石を持ってきてのせなさい」と言って、大きな石を雨だれの下に持ってこさせて置いた。そして、妻は「このことは主人にも誰にも言ってはいけない」と口止めし、始末した。なぜ、雨だれの下に埋めたのかというと、雨だれの下は、毎日人が足繁く踏みつけている所なので、そこに埋めれば魂は出てこないからということだった。 |
| 全体の記録時間数 | 7:33 |
| 物語の時間数 | 7:21 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |