
火の字の禁‥‥王様は毎日、火の話をしていたので、勝連バーマーが、「今日は『火』の話をしないという賭をしましょう」と言って、王様と火の話を禁じる賭をした。王様は、「バーマ、お前が負けたら首だよ」と言うと、バーマは、「それじゃあ王様がお負けになると、私は生まれてから未だに王様からお辞儀をされたことがありませんので、私はお辞儀をさせますよ」と一つの条件をつくって言った。そして二人は火の話をしないという賭をした。そうして二人は見合って、いろいろな話をした。もういろんな話をして後、王様が忘れたと思われる時分に勝連バーマは、「へえ、今日は世の中で珍しいものが見られるなあ」と言った。王様は、「どうかしたのかバーマ」と聞いたので、バーマは、「あそこで、漁師が木の釜でクヮタクヮタクヮタと魚を炊いているよ。これだけは珍しいものだったなあ」と言った。「それじゃあ、この木の釜は燃えなかったか」と王様が聞くと、バーマは、「はい、私が勝ちました」と言った。「燃さない」と言うのは、火を燃やす話だからね。それでバーマは勝ったから、「王様は、火のことを言ったので負けです。お辞儀をしないんですか」と言った。王様は、「お前達百姓にお辞儀をすると王の身分が下るから、どうしても出来ない」と言った。低頭門・・・その後、バーマは家を造った。この家は、自分でとても門の所を高々にしてから、人が入る入り口は低くしてあった。そして、王様に落成式祝いの御案内をした。王様がいらっしゃった時、戸の入口が低くて、王様は入るときにうつむいて入らないといけないので、その時にはバーマにお辞儀をしたって。バーマは、「今日はもう王様にお辞儀をされた」と言って喜んだそうだ。それで、このように、昔の村々のアサギの柱が低いのは、女は神様で、アサギの中に座敷しているでしょう。普通は男は女にお辞儀をしなかったからね。普通の家は柱を高くしていて入っていっても女にお辞儀をしないから、このアサギに入る時は、頭を下げて女の御神にお辞儀して入るようになっている。それで昔のアサギの柱は五尺しかないんだよ。
| レコード番号 | 47O220215 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C010 |
| 決定題名 | 勝連バーマ 火の字の禁 低頭門(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 勝連バーマ 木ガマ 低頭門 |
| 話者名 | 山城光次郎 |
| 話者名かな | やましろこうじろう |
| 生年月日 | 18921122 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村田嘉里 |
| 記録日 | 19830303 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄県口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村田嘉里T09A12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 『おおぎみの昔話』(平成10年3月31日 大宜味村教育委員会発行)P215 |
| キーワード | - |
| 梗概(こうがい) | 火の字の禁‥‥王様は毎日、火の話をしていたので、勝連バーマーが、「今日は『火』の話をしないという賭をしましょう」と言って、王様と火の話を禁じる賭をした。王様は、「バーマ、お前が負けたら首だよ」と言うと、バーマは、「それじゃあ王様がお負けになると、私は生まれてから未だに王様からお辞儀をされたことがありませんので、私はお辞儀をさせますよ」と一つの条件をつくって言った。そして二人は火の話をしないという賭をした。そうして二人は見合って、いろいろな話をした。もういろんな話をして後、王様が忘れたと思われる時分に勝連バーマは、「へえ、今日は世の中で珍しいものが見られるなあ」と言った。王様は、「どうかしたのかバーマ」と聞いたので、バーマは、「あそこで、漁師が木の釜でクヮタクヮタクヮタと魚を炊いているよ。これだけは珍しいものだったなあ」と言った。「それじゃあ、この木の釜は燃えなかったか」と王様が聞くと、バーマは、「はい、私が勝ちました」と言った。「燃さない」と言うのは、火を燃やす話だからね。それでバーマは勝ったから、「王様は、火のことを言ったので負けです。お辞儀をしないんですか」と言った。王様は、「お前達百姓にお辞儀をすると王の身分が下るから、どうしても出来ない」と言った。低頭門・・・その後、バーマは家を造った。この家は、自分でとても門の所を高々にしてから、人が入る入り口は低くしてあった。そして、王様に落成式祝いの御案内をした。王様がいらっしゃった時、戸の入口が低くて、王様は入るときにうつむいて入らないといけないので、その時にはバーマにお辞儀をしたって。バーマは、「今日はもう王様にお辞儀をされた」と言って喜んだそうだ。それで、このように、昔の村々のアサギの柱が低いのは、女は神様で、アサギの中に座敷しているでしょう。普通は男は女にお辞儀をしなかったからね。普通の家は柱を高くしていて入っていっても女にお辞儀をしないから、このアサギに入る時は、頭を下げて女の御神にお辞儀して入るようになっている。それで昔のアサギの柱は五尺しかないんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 6:29 |
| 物語の時間数 | 6:24 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |