
旧家の娘がノハの青年達とノハの海岸で遊んでいた。そこで、新屋カーという人と親しくなり、ときどき家の人の目を盗んで青年に会いにいった。そのうちに親が気がつき、娘に「お前は体がおかしいのではないか」と言って、「今日は畑にもどこにも出してはいけない。この子に私から話がある」と、多勢の下男達を集めて言った。そして、その子の体を調べてみると、乳房がおかしいと感じ、何かあると思ったが、何も話さないので、そのままにしていた。男は娘が何日も会いに来ないのでおかしいと思い、昼は行けないので、夜牛を連れて山を越えて喜如嘉に会いに来て、そこで大きな木に牛をくくって木に登り、大きな声で歌を自分の声が娘の所まで届くようにと歌った。その時、娘は部屋で錠をかけられ、食事を運んで来て食べるようにされていた。男は娘が来ないのでおかしいと思い、ある日、自分の友達を集めて酒を飲ませ、米も一俵持ってきて、娘の家に行き、会わせてくれと頼んだ。しかし、娘の家も一流の大金持ちだったので、酒 一斗持っていっても、「お前は自分のことを貧乏人だと思っているのか。お前達の何倍も自分の所は金持ちだ。君のところにめぐまれないと娘を育てていけないと思っているのか」と言われ、返されてしまった。男は日に日にやせていった。それでも男は毎晩毎晩通って来て、大声で歌を、歌だけでも聞いてくれとばかりに歌っていた。娘の家の長男が死んだので、葬式の時、娘を見るのだという気持ちでアダンのしげみにかくれて、娘の顔は見えないかも知れないが、何か月も家の外へ出ずに監禁されていたので、他の百姓達の足と違って、真っ白なはずだ。足だけでもいいから見たいと思い、待っていた。男は「見えた」と大きな声を出したので、人々はみな振り返った。その後、男は安心した。そのうちに自分の方がだんだん体をこわしていって、死んでしまった。娘の母が、「お前はまだその人の所へ行きたいか」と娘に聞くと、娘はその男の子を産んでいたので、「行きたい」と言った。その後、娘はノハに行き、位牌と結婚し、男とのの子である女の子を育てながら一生独身で暮らした。
| レコード番号 | 47O220043 |
|---|---|
| CD番号 | 47O22C002 |
| 決定題名 | 位牌と結婚した女(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 位牌と結婚した女 |
| 話者名 | 前田平松 |
| 話者名かな | まえだひらまつ |
| 生年月日 | 19050403 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県大宜味村喜如嘉 |
| 記録日 | 19810503 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 大宜味村喜如嘉T02A06 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 食後、おじいさんおばあさんから。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 旧家の娘,家人の目を盗んで青年に会いにいく,牛を連れて,山越えて,喜如嘉,会いに来る,大きな木に牛をくくる,木に登り大声で歌う,娘の家に行き会わせてくれと頼む,返される,男は日に日にやせる,アダンのしげみ,足だけでも見たい,男の子を産む,位牌と結婚 |
| 梗概(こうがい) | 旧家の娘がノハの青年達とノハの海岸で遊んでいた。そこで、新屋カーという人と親しくなり、ときどき家の人の目を盗んで青年に会いにいった。そのうちに親が気がつき、娘に「お前は体がおかしいのではないか」と言って、「今日は畑にもどこにも出してはいけない。この子に私から話がある」と、多勢の下男達を集めて言った。そして、その子の体を調べてみると、乳房がおかしいと感じ、何かあると思ったが、何も話さないので、そのままにしていた。男は娘が何日も会いに来ないのでおかしいと思い、昼は行けないので、夜牛を連れて山を越えて喜如嘉に会いに来て、そこで大きな木に牛をくくって木に登り、大きな声で歌を自分の声が娘の所まで届くようにと歌った。その時、娘は部屋で錠をかけられ、食事を運んで来て食べるようにされていた。男は娘が来ないのでおかしいと思い、ある日、自分の友達を集めて酒を飲ませ、米も一俵持ってきて、娘の家に行き、会わせてくれと頼んだ。しかし、娘の家も一流の大金持ちだったので、酒 一斗持っていっても、「お前は自分のことを貧乏人だと思っているのか。お前達の何倍も自分の所は金持ちだ。君のところにめぐまれないと娘を育てていけないと思っているのか」と言われ、返されてしまった。男は日に日にやせていった。それでも男は毎晩毎晩通って来て、大声で歌を、歌だけでも聞いてくれとばかりに歌っていた。娘の家の長男が死んだので、葬式の時、娘を見るのだという気持ちでアダンのしげみにかくれて、娘の顔は見えないかも知れないが、何か月も家の外へ出ずに監禁されていたので、他の百姓達の足と違って、真っ白なはずだ。足だけでもいいから見たいと思い、待っていた。男は「見えた」と大きな声を出したので、人々はみな振り返った。その後、男は安心した。そのうちに自分の方がだんだん体をこわしていって、死んでしまった。娘の母が、「お前はまだその人の所へ行きたいか」と娘に聞くと、娘はその男の子を産んでいたので、「行きたい」と言った。その後、娘はノハに行き、位牌と結婚し、男とのの子である女の子を育てながら一生独身で暮らした。 |
| 全体の記録時間数 | 8:26 |
| 物語の時間数 | 8:08 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |