さるちょうじゃ
正月の夜に神様が乞食の姿になって天から降りてきた。その乞食は最初に金持ちの家へ行って一夜の宿を乞うた。その家の人は「あなたのような乞食を泊めるわけにはいかない」と言った。それからその乞食は貧乏人の家を訪ねた。その家には年寄り夫婦だけだった。老夫婦は火にあたたまって正月をおくろうと考えていた。乞食が訪ねて来たので隣りに金持ちの家があるからそこに頼んでみたらどうかと言った。乞食は貧乏人の家に泊まりたいと言った。それで泊まることになった。老夫婦が「食べ物はないので火であたたまってください。」と言った。するとその乞食は鍋を用意させて、その中に少しの粒を入れた。すると鍋いっぱいにご飯やご馳走ができた。一晩泊まって翌朝老夫婦に湯浴みさせると二人は若返った。若返った二人は隣りの金持ちの家に火種をもらいにいった。金持ちは若返った二人を見てわけをたずねた。今までの出来事を話すと、金持ち夫婦はその老人を呼び返し私たちも若くなりたいと言った。それで湯浴みすると金持ちは猿と烏になり山に逃げて行った。それからその家は若返った二人が住んだ。すると猿が毎日家にやって来て「私の家を帰せ」とうるさい。乞食は若返った二人に猿がいつも座る庭の石を焼いておきなさいと言った。その通りにすると猿がいつものようにやってきて石の上に座った。猿の尻は焼けて赤くなり山の中に逃げて行った。それ以来猿のお尻は赤くなった。
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レコード番号 | 47O382150 |
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CD番号 | 47O38C111 |
決定題名 | 猿長者(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 金城ナベ |
話者名かな | きんじょうなべ |
生年月日 | 18910201 |
性別 | 女 |
出身地 | 不明 |
記録日 | 19750505 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
元テープ番号 | 国頭郡国頭村 T57 B10 |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 12 |
発句(ほっく) | - |
伝承事情 | - |
文字化資料 | - |
キーワード | 正月,神様,乞食,天,金持ち,宿,貧乏人,老夫婦,火,鍋,ご馳走,湯浴み,猿,烏,庭の石,尻 |
梗概(こうがい) | 正月の夜に神様が乞食の姿になって天から降りてきた。その乞食は最初に金持ちの家へ行って一夜の宿を乞うた。その家の人は「あなたのような乞食を泊めるわけにはいかない」と言った。それからその乞食は貧乏人の家を訪ねた。その家には年寄り夫婦だけだった。老夫婦は火にあたたまって正月をおくろうと考えていた。乞食が訪ねて来たので隣りに金持ちの家があるからそこに頼んでみたらどうかと言った。乞食は貧乏人の家に泊まりたいと言った。それで泊まることになった。老夫婦が「食べ物はないので火であたたまってください。」と言った。するとその乞食は鍋を用意させて、その中に少しの粒を入れた。すると鍋いっぱいにご飯やご馳走ができた。一晩泊まって翌朝老夫婦に湯浴みさせると二人は若返った。若返った二人は隣りの金持ちの家に火種をもらいにいった。金持ちは若返った二人を見てわけをたずねた。今までの出来事を話すと、金持ち夫婦はその老人を呼び返し私たちも若くなりたいと言った。それで湯浴みすると金持ちは猿と烏になり山に逃げて行った。それからその家は若返った二人が住んだ。すると猿が毎日家にやって来て「私の家を帰せ」とうるさい。乞食は若返った二人に猿がいつも座る庭の石を焼いておきなさいと言った。その通りにすると猿がいつものようにやってきて石の上に座った。猿の尻は焼けて赤くなり山の中に逃げて行った。それ以来猿のお尻は赤くなった。 |
全体の記録時間数 | 5:02 |
物語の時間数 | 4:55 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |