
仲順大主がね、この子どもたちの心を見るために、「これだけの財産を誰に譲ろうかね、誰が親孝行をしてくれるかな。」って、試しをしたんだろう。そうしたから、嫡子を呼んで、「おい、私はぜひとも乳を飲まないといけないがね、お前の子を殺して捨ててね、私に、お前の妻の乳を飲ませてくれないか。」と言ったら、嫡子が、「へえ、こんなには出来ない。子より宝がありません。このことは出来ません。」と言って、断ったって。そうしたから、こんどは次男を呼んだ。次男にね、「おい、お前は子を捨てて、私にお前の妻の乳を飲ませてくれないか。」と言ったから、「あなたは、おかしくなっている。子より宝はないからね、私は子にこの乳を飲ませます。あなたに飲ませる乳はない。」って、断ったって。「ああ、そうか。」と言って、こんどは三男を呼んだって。三男に、「おい、私はこんなだからお前の子を殺してね、妻の乳を私に飲ませてくれないか。」と、言ったからね、「親というのは、またとは拝むことができない。子は産めばまた出来るから、私は、それじゃあ、この乳は親に差し上げます。」と言われたからね、仲順大主は、「トウ、それじゃあね、この子はどこのどこに捨てなさいよ。」と言って、子ども連れて行って、穴を掘って捨てるところを教えたらしい。三男は、そこに行って穴を掘って、「この子は、この穴に入れる。」と言って、一鍬打って子の顔を見たら泣いて、また一鍬打って子の顔を見たら泣いておったんだろう。そうしたら、親であっても、孫を殺す考えではないでしょう。産んだ子をここに入れようとしたら、そこに、すぐ黄金の花が咲いたそうです。そうしたから、「へええ。」と言って、三男は驚いてね、子を抱き上げたんだろう。そうしたら、「しばし待て。」と言って、仲順大主が止めてね。「さあ、今日はね、私の子は、親孝行するために、どうやって孝行するか思って、子どもたちの三人に聞いたんだが、二人の者は出来ないと言って断った。お前はね、親はまたとは拝まれないと言ってね、親孝行しただろう。それで、お前に黄金を渡してね、財産も渡すからね、この子を立派に育ててくれよ。」と仲順大主が言ってね、その宝物をね、三男に渡した。そうして、この三男はね、仲順大主の財産をゆずってもらったんだから、たいへんな金持ちになったって。この三男は、とっても親孝行だったんだろう。
| レコード番号 | 47O361903 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C072 |
| 決定題名 | 子どもの肝 仲順流れ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19101103 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村補足調査7班T38A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お年寄りや母親から聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P67 |
| キーワード | 子どもの肝,仲順流れ,仲順大主 |
| 梗概(こうがい) | 仲順大主がね、この子どもたちの心を見るために、「これだけの財産を誰に譲ろうかね、誰が親孝行をしてくれるかな。」って、試しをしたんだろう。そうしたから、嫡子を呼んで、「おい、私はぜひとも乳を飲まないといけないがね、お前の子を殺して捨ててね、私に、お前の妻の乳を飲ませてくれないか。」と言ったら、嫡子が、「へえ、こんなには出来ない。子より宝がありません。このことは出来ません。」と言って、断ったって。そうしたから、こんどは次男を呼んだ。次男にね、「おい、お前は子を捨てて、私にお前の妻の乳を飲ませてくれないか。」と言ったから、「あなたは、おかしくなっている。子より宝はないからね、私は子にこの乳を飲ませます。あなたに飲ませる乳はない。」って、断ったって。「ああ、そうか。」と言って、こんどは三男を呼んだって。三男に、「おい、私はこんなだからお前の子を殺してね、妻の乳を私に飲ませてくれないか。」と、言ったからね、「親というのは、またとは拝むことができない。子は産めばまた出来るから、私は、それじゃあ、この乳は親に差し上げます。」と言われたからね、仲順大主は、「トウ、それじゃあね、この子はどこのどこに捨てなさいよ。」と言って、子ども連れて行って、穴を掘って捨てるところを教えたらしい。三男は、そこに行って穴を掘って、「この子は、この穴に入れる。」と言って、一鍬打って子の顔を見たら泣いて、また一鍬打って子の顔を見たら泣いておったんだろう。そうしたら、親であっても、孫を殺す考えではないでしょう。産んだ子をここに入れようとしたら、そこに、すぐ黄金の花が咲いたそうです。そうしたから、「へええ。」と言って、三男は驚いてね、子を抱き上げたんだろう。そうしたら、「しばし待て。」と言って、仲順大主が止めてね。「さあ、今日はね、私の子は、親孝行するために、どうやって孝行するか思って、子どもたちの三人に聞いたんだが、二人の者は出来ないと言って断った。お前はね、親はまたとは拝まれないと言ってね、親孝行しただろう。それで、お前に黄金を渡してね、財産も渡すからね、この子を立派に育ててくれよ。」と仲順大主が言ってね、その宝物をね、三男に渡した。そうして、この三男はね、仲順大主の財産をゆずってもらったんだから、たいへんな金持ちになったって。この三男は、とっても親孝行だったんだろう。 |
| 全体の記録時間数 | 2:37 |
| 物語の時間数 | 2:27 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |