
あるときですね、殿内のウミングヮが寂しいといって、乳母を連れて浜に遊びに行かれたら、ここのほうの魚が若者に化けて現れたから、ウミングワは、これに一目惚れしてね、「この里之子はこんなにきれい。」と言って、それからもう思い焦がれて、毎日、毎日通ったそうですね。そうして、その若者に、「あなたは、どこのウミングワであられますか。」と言って、この女が問うても、若者は、うす笑いだけをしてね、返事をしない。だから、娘は、「変だな。珍しいことだな。」と思ったから、「この里之主は、どこの方ですかと問うても、返事をしないが、アンマー、どうしたらいいかな。」とアンマーに言ったら、アンマーの話は、「とう、それじゃあ、あやしいから、化け物かもわからない。」とアンマーに言われて、そうして、アンマーが、「白糸を針に通して、さあ、今日お出でになるときに、その若者が聞いて答えないなら、この針を袖をつかんで、袖に縫い込めなさいよ。」と言って、渡したから、その若者に逢ったとき、白糸を縫い込めて、「また明日、会いましょうね。」と言って、その日は帰って行ってね、その翌朝行って見たら、浜辺のほうに、白いお腹に針を刺した魚が死んでいたって。そして、このときから女は、「海の化け物であったんだなあ。これからは、海に行ってはいけないねえ。」と言って、それっきり、海にはお出でになられなかったって。
| レコード番号 | 47O361896 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C072 |
| 決定題名 | 里之子に化けた魚(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19101103 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村補足調査7班T38A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お年寄りや母親から聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P392 |
| キーワード | 魚,ウミングワは,里之子,里之子に化けた魚 |
| 梗概(こうがい) | あるときですね、殿内のウミングヮが寂しいといって、乳母を連れて浜に遊びに行かれたら、ここのほうの魚が若者に化けて現れたから、ウミングワは、これに一目惚れしてね、「この里之子はこんなにきれい。」と言って、それからもう思い焦がれて、毎日、毎日通ったそうですね。そうして、その若者に、「あなたは、どこのウミングワであられますか。」と言って、この女が問うても、若者は、うす笑いだけをしてね、返事をしない。だから、娘は、「変だな。珍しいことだな。」と思ったから、「この里之主は、どこの方ですかと問うても、返事をしないが、アンマー、どうしたらいいかな。」とアンマーに言ったら、アンマーの話は、「とう、それじゃあ、あやしいから、化け物かもわからない。」とアンマーに言われて、そうして、アンマーが、「白糸を針に通して、さあ、今日お出でになるときに、その若者が聞いて答えないなら、この針を袖をつかんで、袖に縫い込めなさいよ。」と言って、渡したから、その若者に逢ったとき、白糸を縫い込めて、「また明日、会いましょうね。」と言って、その日は帰って行ってね、その翌朝行って見たら、浜辺のほうに、白いお腹に針を刺した魚が死んでいたって。そして、このときから女は、「海の化け物であったんだなあ。これからは、海に行ってはいけないねえ。」と言って、それっきり、海にはお出でになられなかったって。 |
| 全体の記録時間数 | 1:47 |
| 物語の時間数 | 1:38 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |