
一貫匁って言っていうね。この方は、大変な名医で、脈を取られて、もうこれでみんな病気を判断なされたらしい。ある家の嫡子の一人息子が十八になる場合に、この一貫匁という医者が、これの家の前を通ったそうだよ。それで、その息子き顔を見て、「あい、この子どはこんなにもう立派に生まれているが、お前の命は十八までだね。」と言うのをこの子が聞いていたんだな。その息子は、もう自分のことだから、心配で、家に帰ると、「もうこんなでありましたよ。」と親にもう報告しているんだよ。親の方も驚いて、「もうお前一人が、一人の男の子であるのに、もうお前がいなくなったら、この家はたいへんになるが。」って親はもうすぐに倒れて、「それで、もうその方はどこにおられるかね。」とまた一貫匁って医者を捜して来たそうだ。それで、その一貫匁っていう医者に、息子の命を助ける方法を聞いたら、この人のいい分は、「このお前たちの子どもは、これだけの運命だけどね、この子ぬ方の七里ある森を登って行ったら、そこで子ヌ方の神様と午ヌ方の神様が帳簿を広げて、みんなの運勢を調べておられるから、向こうでお願いしてきなさい。」「そんなにできますかね。」って。「さあ、夜明けどきには、会いなさいよ。」って言うから、なるほど行ったら二人の神様が帳簿を広げて、「これはいくつの運勢、これはいくつまで。」って運勢を決めていて、みんな側は見ていないらしい。これの親は、ぜんぶ支度させて、「杯をどうぞ。」と言ってすすめるけど、一つも返答されない。もう一回、「どうぞ。」ってしたら、後はやっと通られて、「なんで、お前たちは、ここになにしに来たか。」もう一人っきりの嫡子が、もうこれは十八までの運命って言われているから、「もう実は、これこれこうで、もう私の嫡子は、十八までの食い分だと言われて、ここで頼めば年を延ばすことが出来るから教えてもらったから、拝みに来ました。どうにか助けてください。」「さあ、それじゃあ。」といって。後からは杯は受けていたらしい。そして、「さあ、それじゃあ、十八に八を重ねて、八八の運命にしようね。」って言って、それで、そのときから、八八のトシビー祝ってこれ始まっているらしいよ。この人は嫡子、次男、三男まで生んで、そして、一人は島尻、一人は中頭、一人は国頭にやらせた。それで、中頭はフーチバー、国頭はサンチラ、島尻はンジャナバーってだったかね。これを皆に作らせて、そうしたら、島尻から山原から弟たちがここの中城に来て、兄弟がはち合わせして世を栄させて、世を終えたんだよ。それで、そうやったからね、昔ほどは、この中頭のフーチバーは、薬草としてはきかなくなったとの話。それから、もうまたわんぱくな子どもがいたらしいがね、この話を聞いてきて、「あれはもう年を延ばしてもらって、うまいことになっているな。私もこの医者の前で、もういたずらしてみよう。」と思って、この青年がわざと転んで、「アキサミヨー、アキサミヨー。お腹痛いよう。」と言って転だらね、その方は、脈取ってから、そうしたら、「これはもうこれだけの食い分だな。もう魂を取られて助からないなあ。」と言ったら、それで、本当に助からなかったらしい。
| レコード番号 | 47O361890 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C072 |
| 決定題名 | 子どもの寿命 イッカンメの米寿由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大城善光 |
| 話者名かな | おおしろぜんこう |
| 生年月日 | 19300910 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村字和仁屋 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村補足調査1班T37B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P424 |
| キーワード | 一貫匁,名医,子ヌ方,神様,トシビー,子供の寿命,八十八,米寿 |
| 梗概(こうがい) | 一貫匁って言っていうね。この方は、大変な名医で、脈を取られて、もうこれでみんな病気を判断なされたらしい。ある家の嫡子の一人息子が十八になる場合に、この一貫匁という医者が、これの家の前を通ったそうだよ。それで、その息子き顔を見て、「あい、この子どはこんなにもう立派に生まれているが、お前の命は十八までだね。」と言うのをこの子が聞いていたんだな。その息子は、もう自分のことだから、心配で、家に帰ると、「もうこんなでありましたよ。」と親にもう報告しているんだよ。親の方も驚いて、「もうお前一人が、一人の男の子であるのに、もうお前がいなくなったら、この家はたいへんになるが。」って親はもうすぐに倒れて、「それで、もうその方はどこにおられるかね。」とまた一貫匁って医者を捜して来たそうだ。それで、その一貫匁っていう医者に、息子の命を助ける方法を聞いたら、この人のいい分は、「このお前たちの子どもは、これだけの運命だけどね、この子ぬ方の七里ある森を登って行ったら、そこで子ヌ方の神様と午ヌ方の神様が帳簿を広げて、みんなの運勢を調べておられるから、向こうでお願いしてきなさい。」「そんなにできますかね。」って。「さあ、夜明けどきには、会いなさいよ。」って言うから、なるほど行ったら二人の神様が帳簿を広げて、「これはいくつの運勢、これはいくつまで。」って運勢を決めていて、みんな側は見ていないらしい。これの親は、ぜんぶ支度させて、「杯をどうぞ。」と言ってすすめるけど、一つも返答されない。もう一回、「どうぞ。」ってしたら、後はやっと通られて、「なんで、お前たちは、ここになにしに来たか。」もう一人っきりの嫡子が、もうこれは十八までの運命って言われているから、「もう実は、これこれこうで、もう私の嫡子は、十八までの食い分だと言われて、ここで頼めば年を延ばすことが出来るから教えてもらったから、拝みに来ました。どうにか助けてください。」「さあ、それじゃあ。」といって。後からは杯は受けていたらしい。そして、「さあ、それじゃあ、十八に八を重ねて、八八の運命にしようね。」って言って、それで、そのときから、八八のトシビー祝ってこれ始まっているらしいよ。この人は嫡子、次男、三男まで生んで、そして、一人は島尻、一人は中頭、一人は国頭にやらせた。それで、中頭はフーチバー、国頭はサンチラ、島尻はンジャナバーってだったかね。これを皆に作らせて、そうしたら、島尻から山原から弟たちがここの中城に来て、兄弟がはち合わせして世を栄させて、世を終えたんだよ。それで、そうやったからね、昔ほどは、この中頭のフーチバーは、薬草としてはきかなくなったとの話。それから、もうまたわんぱくな子どもがいたらしいがね、この話を聞いてきて、「あれはもう年を延ばしてもらって、うまいことになっているな。私もこの医者の前で、もういたずらしてみよう。」と思って、この青年がわざと転んで、「アキサミヨー、アキサミヨー。お腹痛いよう。」と言って転だらね、その方は、脈取ってから、そうしたら、「これはもうこれだけの食い分だな。もう魂を取られて助からないなあ。」と言ったら、それで、本当に助からなかったらしい。 |
| 全体の記録時間数 | 5:27 |
| 物語の時間数 | 5:03 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |