
蚊と言ったら、方言でガジャンでしょう。その女はとてもべっぴんでね、もう評判の美人で、それで、いつも男がね、とても心配しておる。「この女が、別の男になびきはしないかねえ。」と、いつももう心配なんだよ。そうするうちに、きれいなこの女が、「どうして、あんたは、こんなにいつも顔色が悪いけれど、なにか心配ごとでもあるんですか。」と言ってね。「もう、実はお前がこんなにきれいなので、もう他の人に取られはしないかといつも心配している。」と言ったから、「もう私の心が変わることはないから、もういつまでも二人は一緒ですよ。」と言って、それからまた、「もう、あなたがそう言えば、どこまででも一緒だから、あなたの心のままになびいて行きますよ。」と言って。「どんなことがあってもいい。」と言っていたんだが、もう男が心配しているから、もう女は鎌で切って鼻を落としてしまったんだよ。その女の顔が悪い顔になったら、男はその女の顔を見たくなくなったから、男は女をクムイに落として、死なせてしまっているんだよ。それで、殺すときに、もう浮かんで上がってくるところを、またも竿でもって沈ませてね。そうしたら、その女は死んでしまっているが、そのとき、女は、「お前は仇を討ってやるから。」と言って、その女が水の中で死んだもんだから、死んでから蚊に化けたわけね。死んでからも仇を討つということは、やっぱりみんなに世の中飛んで回って、人の血を飲んでいるでしょう。これは仇ということになっておるんでないかなと思うよ。それで、年寄りの方たちが、「その女が蚊に化けているんだよ。」と言っているんだよ。
| レコード番号 | 47O361860 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C070 |
| 決定題名 | 蚊の由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山城三郎 |
| 話者名かな | やましろさぶろう |
| 生年月日 | 19080502 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19811213 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字島袋調査5班T35A14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 親や先祖から伝わっている |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P312 |
| キーワード | 蚊,ガジャン,美人,復讐 |
| 梗概(こうがい) | 蚊と言ったら、方言でガジャンでしょう。その女はとてもべっぴんでね、もう評判の美人で、それで、いつも男がね、とても心配しておる。「この女が、別の男になびきはしないかねえ。」と、いつももう心配なんだよ。そうするうちに、きれいなこの女が、「どうして、あんたは、こんなにいつも顔色が悪いけれど、なにか心配ごとでもあるんですか。」と言ってね。「もう、実はお前がこんなにきれいなので、もう他の人に取られはしないかといつも心配している。」と言ったから、「もう私の心が変わることはないから、もういつまでも二人は一緒ですよ。」と言って、それからまた、「もう、あなたがそう言えば、どこまででも一緒だから、あなたの心のままになびいて行きますよ。」と言って。「どんなことがあってもいい。」と言っていたんだが、もう男が心配しているから、もう女は鎌で切って鼻を落としてしまったんだよ。その女の顔が悪い顔になったら、男はその女の顔を見たくなくなったから、男は女をクムイに落として、死なせてしまっているんだよ。それで、殺すときに、もう浮かんで上がってくるところを、またも竿でもって沈ませてね。そうしたら、その女は死んでしまっているが、そのとき、女は、「お前は仇を討ってやるから。」と言って、その女が水の中で死んだもんだから、死んでから蚊に化けたわけね。死んでからも仇を討つということは、やっぱりみんなに世の中飛んで回って、人の血を飲んでいるでしょう。これは仇ということになっておるんでないかなと思うよ。それで、年寄りの方たちが、「その女が蚊に化けているんだよ。」と言っているんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:16 |
| 物語の時間数 | 1:40 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |