モーイ親方 一吹き煙草 殿様の難題 一日殿様(シマグチ)

概要

モーイは、お父さんの言うことはね、なんでも言葉は返さないで、「はい。」と言うがね、それがやり方がまずいんですよ。モーイが煙草をたくさん吸うからね、その父親が、「煙草はね、体のためには、一日に一回吸ったらいいよ。」とおっしゃったから、「そうします。」と言って、このぐらいのマータク竹とね、ちょうど昔の人が今でも持っている人がいるはずよ、ティシリ皿に、あれにシンジューミーといって、煙草がこのぐらいしてあるのがあったさね、これ一回で入れて吸ったから、もう火事じゃないかというぐらい煙が出て、そうしたら、御城のほうでは、「どうしたのか、火事が出ているのか。」と言っているから、御城の方から父親が走ってモーイの家を見に来られてから、「どうなっているのか。家がこんなになって煙たいが、モーイどうしたのか。」と言ったから、「いやあ、私が煙草を吹いているだけですよ。」「お前は一口だけふきなさいといったが、なんで煙管を作ったのか。」と言って見たらマータク竹で作った煙管で一口でふいているんだよ。それで、モーイは、「私は、まだ一回もふき終わっていないよ。」とこれに言葉を返されているんだよ。「平生から少しづつふくんだよ。」と言えばいいのに、「一回にしなさい。」と言ったから、一回にたくさんの煙草を入れるぐらいの煙管を作ったわけさ。それで、モーイは非常にもう頭が良すぎて、こんなであったんだよ。モーイのお父さんは首里の偉い役人だったが、子どもほどの知恵はなかったからね、薩摩から、 「弁ぬ御嶽を崩して持ってきなさい。また、雄鶏の卵も、また灰で縄を作って来い。」といって難題が来たから、もうこれはどれもできる訳がないでしょう。弁ぬ御嶽であっても、ちょうど言うたら、ここの御嶽ぐらいはあるでしょう。もうここを崩して持ってきなさいと言われたら、どうしてできるか。それでお父さんは困っていたんだね。そうしたら、モーイが親に代わって、自分で答えに行って、「弁ぬ御嶽は、崩すのは崩しましたが、これを押す車が沖縄にはこれ押す車と乗せる船がないので、それを貸してください。」と答えたら、これはいくら内地であってもこの時分にこんな御嶽を乗せて押す大きな車はないでしょう。またいくら船がたんさんあっても、乗せる大きな船はないでしょう。雄鶏の卵と向こうから言いつけられているのは、モーイが、「ターリーは出来ません。私が行きます。」ってね。そしたら、父親が、「お前は、子どものくせにませたことを言って、お前、どうやって向こうに返答するのか。」と言うと、モーイは、「私ならできますよ。御城で休んでいてください。」って言って薩摩に出かけて、そして、「難題をときに来ました。」と言ったから、「だ、それでなにを持ってきたか。」と言ってもなにも持ってきてはいないんだから、そしたら、「ターリーは来ないで、どうしてお前が来たか。」と薩摩の王様が聞くと、「ターリーは産気づいて寝ています。」「男が産気づくということがあるか。」と言ったので、「雄鶏が卵を産むことが出来ますか。」とモーイが答えたのさ。「女が子を産むんでしょう。これは分かりきったことだのに、必ず雄鶏の卵を持って来いというのは、これはもうとんでもない話だよ。」と言ったからモーイに言い負かされているわけよね。薩摩の人は、沖縄がどれほどの知恵を持っているかと試しているんだよ。だから、また雄鶏が卵を生まないと分かっていながら出した難題だから、モーイにこう言われたら、もう言い返せないでしょう。だから、薩摩の王様もあとは返さないでいたそうだからね。また、灰綱といったらね、燃やしてある灰よ。これで綱をなってきなさいといっているが、灰で縄がなえるわけがないでしょう。モーイは綱をなって、これを板の上に置いてこの綱を燃やしたから、形があるでしょう。それを持って行っているから、「灰縄を持って来ました。」と言ったわけさ。もう薩摩の王様は三つ難題が失敗したから、「お前の望みは、何でもさせるから、何がいいか。」とモーイに言ったので、「私は、もう一日はここの王様の位をさずけてください。」と言ったら、もうモーイが問答には勝っているんだから、モーイの望みのとおりに、これに一日王様の位をやってね、薩摩の王の座るところに連れていって座らせた。そうして、モーイは、王の座るところに座ったので、薩摩の王様が、「お前はなにが望みか。」と言われたら、「証文の箱を持ってきなさい。」と言って、それを持ってくると、ちょうど沖縄は向こうから借金をしていたんだよ。この証文をもうバラバラに引っ切ってね、燃やして捨ててしまっているんだよ。それを見た薩摩の家来たちが怒ってね、「お前、これは証文を書いて入れてあるものなのに、これを燃やすのか。」と言ったが、もうそのときはモーイは王様だから偉いだろう。だれも薩摩の王様が約束したわけだから、何も言えんわけね。「私は今日一日はここの王様だから、私が優っているんだよ。」と言って、こんなにしてモーイは、沖縄に帰って来たってさ。こんなに、さまざまなモーイの話があるんだよ。

再生時間:6:54

民話詳細DATA

レコード番号 47O361760
CD番号 47O36C066
決定題名 モーイ親方 一吹き煙草 殿様の難題 一日殿様(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 宮城ウシ
話者名かな みやぎうし
生年月日 19001213
性別
出身地 沖縄県那覇市首里
記録日 19811213
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 北中城調査字渡口調査10班T31A08
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 13
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城の民話 P533
キーワード モーイ,マータク竹,火事,首里,役人,弁ぬ御嶽,薩摩,王様,雄鶏の卵,灰綱,灰縄,問答,一日王様,証文,モーイ親方,一吹き煙草,殿様の難題,
梗概(こうがい) モーイは、お父さんの言うことはね、なんでも言葉は返さないで、「はい。」と言うがね、それがやり方がまずいんですよ。モーイが煙草をたくさん吸うからね、その父親が、「煙草はね、体のためには、一日に一回吸ったらいいよ。」とおっしゃったから、「そうします。」と言って、このぐらいのマータク竹とね、ちょうど昔の人が今でも持っている人がいるはずよ、ティシリ皿に、あれにシンジューミーといって、煙草がこのぐらいしてあるのがあったさね、これ一回で入れて吸ったから、もう火事じゃないかというぐらい煙が出て、そうしたら、御城のほうでは、「どうしたのか、火事が出ているのか。」と言っているから、御城の方から父親が走ってモーイの家を見に来られてから、「どうなっているのか。家がこんなになって煙たいが、モーイどうしたのか。」と言ったから、「いやあ、私が煙草を吹いているだけですよ。」「お前は一口だけふきなさいといったが、なんで煙管を作ったのか。」と言って見たらマータク竹で作った煙管で一口でふいているんだよ。それで、モーイは、「私は、まだ一回もふき終わっていないよ。」とこれに言葉を返されているんだよ。「平生から少しづつふくんだよ。」と言えばいいのに、「一回にしなさい。」と言ったから、一回にたくさんの煙草を入れるぐらいの煙管を作ったわけさ。それで、モーイは非常にもう頭が良すぎて、こんなであったんだよ。モーイのお父さんは首里の偉い役人だったが、子どもほどの知恵はなかったからね、薩摩から、 「弁ぬ御嶽を崩して持ってきなさい。また、雄鶏の卵も、また灰で縄を作って来い。」といって難題が来たから、もうこれはどれもできる訳がないでしょう。弁ぬ御嶽であっても、ちょうど言うたら、ここの御嶽ぐらいはあるでしょう。もうここを崩して持ってきなさいと言われたら、どうしてできるか。それでお父さんは困っていたんだね。そうしたら、モーイが親に代わって、自分で答えに行って、「弁ぬ御嶽は、崩すのは崩しましたが、これを押す車が沖縄にはこれ押す車と乗せる船がないので、それを貸してください。」と答えたら、これはいくら内地であってもこの時分にこんな御嶽を乗せて押す大きな車はないでしょう。またいくら船がたんさんあっても、乗せる大きな船はないでしょう。雄鶏の卵と向こうから言いつけられているのは、モーイが、「ターリーは出来ません。私が行きます。」ってね。そしたら、父親が、「お前は、子どものくせにませたことを言って、お前、どうやって向こうに返答するのか。」と言うと、モーイは、「私ならできますよ。御城で休んでいてください。」って言って薩摩に出かけて、そして、「難題をときに来ました。」と言ったから、「だ、それでなにを持ってきたか。」と言ってもなにも持ってきてはいないんだから、そしたら、「ターリーは来ないで、どうしてお前が来たか。」と薩摩の王様が聞くと、「ターリーは産気づいて寝ています。」「男が産気づくということがあるか。」と言ったので、「雄鶏が卵を産むことが出来ますか。」とモーイが答えたのさ。「女が子を産むんでしょう。これは分かりきったことだのに、必ず雄鶏の卵を持って来いというのは、これはもうとんでもない話だよ。」と言ったからモーイに言い負かされているわけよね。薩摩の人は、沖縄がどれほどの知恵を持っているかと試しているんだよ。だから、また雄鶏が卵を生まないと分かっていながら出した難題だから、モーイにこう言われたら、もう言い返せないでしょう。だから、薩摩の王様もあとは返さないでいたそうだからね。また、灰綱といったらね、燃やしてある灰よ。これで綱をなってきなさいといっているが、灰で縄がなえるわけがないでしょう。モーイは綱をなって、これを板の上に置いてこの綱を燃やしたから、形があるでしょう。それを持って行っているから、「灰縄を持って来ました。」と言ったわけさ。もう薩摩の王様は三つ難題が失敗したから、「お前の望みは、何でもさせるから、何がいいか。」とモーイに言ったので、「私は、もう一日はここの王様の位をさずけてください。」と言ったら、もうモーイが問答には勝っているんだから、モーイの望みのとおりに、これに一日王様の位をやってね、薩摩の王の座るところに連れていって座らせた。そうして、モーイは、王の座るところに座ったので、薩摩の王様が、「お前はなにが望みか。」と言われたら、「証文の箱を持ってきなさい。」と言って、それを持ってくると、ちょうど沖縄は向こうから借金をしていたんだよ。この証文をもうバラバラに引っ切ってね、燃やして捨ててしまっているんだよ。それを見た薩摩の家来たちが怒ってね、「お前、これは証文を書いて入れてあるものなのに、これを燃やすのか。」と言ったが、もうそのときはモーイは王様だから偉いだろう。だれも薩摩の王様が約束したわけだから、何も言えんわけね。「私は今日一日はここの王様だから、私が優っているんだよ。」と言って、こんなにしてモーイは、沖縄に帰って来たってさ。こんなに、さまざまなモーイの話があるんだよ。
全体の記録時間数 7:15
物語の時間数 6:54
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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