
男と女がいてよ、子供が恵まれなかったって。で、「ぜひ子供が欲しいなあ。」ととっても子どもを欲しがっていたって。そしたら、男の子が生まれたらしい。そこで、自分の家の子どもが生まれた七日のお祝いね、あのときにもうみんな友達、親戚なんか呼びよせてね、お祝いしようと思っていたから、自分の親しい辻の女を思い出してね、「女を呼んでお祝いしようかねえ。」と言って、このお父さんが辻町に行ってさがしたが、自分の親しくしていた女がいなかったって。で、辻からの帰りがけにとっても美人の女がいたって。そして、「さあさあ、これがもう一番いい都合だ。」と言って、この女によ、「もう今日は自分の子供が七日のお祝いだから、あんたも行って一緒にお祝いしてくれないか。」と言って、その美人をお家に連れてきたって。女が入ったからもうみんな揃って、とってもお祝いの真っ最中にね、隣のお婆さんが、「なんでこっちの家はこんなにドンチャン騒ぎしているかね。」と思って節穴から見たって。そしたら、お父さんが連れて来た美人は、首から上はあるが、首から下はなかったって。でもう、「これは幽霊だねえ。」と言って、ちょっとそのお父さんを呼んでね、「あんた。こっちから見てごらん。あんたが連れて来た女は、美人だけど幽霊だよ。」と話したからね、そのお父さんも節穴から見たらね、「ああ、やっぱし幽霊だねえ。」と言って、そして、「今追い出したらね、もうみんなせっかくお祝いにいらっしゃっているのに、どうするかね。」と言って、考えてもう、「みんなが行ってから出て行かそうか。」と言ってね、そして、もうお祝いが終わって、みんなが帰って行ったから、その美人の女にもね、「もう今日はどうもありがとうございました。あんたのお陰でこんなにお祝いもすることが出来たよ。」と言ってね、その美人も帰したらしいんですよね。「どうもありがとう。」と言って、帰って行ったから、その男の家は那覇でなかったかねえ、その男がこっそりついて行ったら、その女は今の波上からお墓がたくさんある辻原のほうに行って、そこには、亀甲墓も、破風墓もあったそうだがね、こっちへ行って立ち止まって、「ただいま帰りました。」と合図したそうですがね。そしたら、その墓の中から、「なんであんたそんなに遅くなったね。」と言って墓の鍵が開けてもらえなかったって。それで、その中に、「いえ、私は今日は実はお祝いに呼ばれてね、今まで遅くなったからね、ごめんなさい。ではね、その証拠にこの赤ちゃんはね、私が連れてこっちに帰って来るから。」と言ったから、「あんたはどうして、その赤ちゃんを連れ出すことが出来るねえ。」と墓の中から言ったから、「くしゃみしたらそれは取れるからね、私の証拠に赤ちゃんを取ってくる。」と言って、で、また墓の中から、「もしもね、あんたがくしゃみしたら取ろうとしてね、その向こうの家族がね、クスケーと言ったらどうしても連れてこられんが、あんたどうするね。」と言ったそうだ。これを聞いていたお父さんはね、「すぐこれはクスケーと言わないと大変だねえ。」と言って家に帰ってね、みんなに伝えて、「赤ちゃんがくしゃみしたら、これは命を取られるからすぐクスケーと言いなさいよ。」と言ったって。そして、もうこの幽霊が命を取りに来たらしいんですよね。そしたら、そのときからこの赤ちゃんがくしゃみしたそうだがね、それで、くしゃみするたんびにみんなが、「クスケー、クスケー」と言ったから、もうこの幽霊はね、命を取って行くことが出来なかったそうだね。くしゃみのときにクスケーと言うのは、それからの伝えって。
| レコード番号 | 47O361622 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C062 |
| 決定題名 | クスケー由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 上里ミツ |
| 話者名かな | うえざとみつ |
| 生年月日 | 19160612 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県北中城村字瑞慶覧 |
| 記録日 | 19810924 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字屋宜原調査3班T26A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P501 |
| キーワード | クスケー由来,クスケー,くしゃみ |
| 梗概(こうがい) | 男と女がいてよ、子供が恵まれなかったって。で、「ぜひ子供が欲しいなあ。」ととっても子どもを欲しがっていたって。そしたら、男の子が生まれたらしい。そこで、自分の家の子どもが生まれた七日のお祝いね、あのときにもうみんな友達、親戚なんか呼びよせてね、お祝いしようと思っていたから、自分の親しい辻の女を思い出してね、「女を呼んでお祝いしようかねえ。」と言って、このお父さんが辻町に行ってさがしたが、自分の親しくしていた女がいなかったって。で、辻からの帰りがけにとっても美人の女がいたって。そして、「さあさあ、これがもう一番いい都合だ。」と言って、この女によ、「もう今日は自分の子供が七日のお祝いだから、あんたも行って一緒にお祝いしてくれないか。」と言って、その美人をお家に連れてきたって。女が入ったからもうみんな揃って、とってもお祝いの真っ最中にね、隣のお婆さんが、「なんでこっちの家はこんなにドンチャン騒ぎしているかね。」と思って節穴から見たって。そしたら、お父さんが連れて来た美人は、首から上はあるが、首から下はなかったって。でもう、「これは幽霊だねえ。」と言って、ちょっとそのお父さんを呼んでね、「あんた。こっちから見てごらん。あんたが連れて来た女は、美人だけど幽霊だよ。」と話したからね、そのお父さんも節穴から見たらね、「ああ、やっぱし幽霊だねえ。」と言って、そして、「今追い出したらね、もうみんなせっかくお祝いにいらっしゃっているのに、どうするかね。」と言って、考えてもう、「みんなが行ってから出て行かそうか。」と言ってね、そして、もうお祝いが終わって、みんなが帰って行ったから、その美人の女にもね、「もう今日はどうもありがとうございました。あんたのお陰でこんなにお祝いもすることが出来たよ。」と言ってね、その美人も帰したらしいんですよね。「どうもありがとう。」と言って、帰って行ったから、その男の家は那覇でなかったかねえ、その男がこっそりついて行ったら、その女は今の波上からお墓がたくさんある辻原のほうに行って、そこには、亀甲墓も、破風墓もあったそうだがね、こっちへ行って立ち止まって、「ただいま帰りました。」と合図したそうですがね。そしたら、その墓の中から、「なんであんたそんなに遅くなったね。」と言って墓の鍵が開けてもらえなかったって。それで、その中に、「いえ、私は今日は実はお祝いに呼ばれてね、今まで遅くなったからね、ごめんなさい。ではね、その証拠にこの赤ちゃんはね、私が連れてこっちに帰って来るから。」と言ったから、「あんたはどうして、その赤ちゃんを連れ出すことが出来るねえ。」と墓の中から言ったから、「くしゃみしたらそれは取れるからね、私の証拠に赤ちゃんを取ってくる。」と言って、で、また墓の中から、「もしもね、あんたがくしゃみしたら取ろうとしてね、その向こうの家族がね、クスケーと言ったらどうしても連れてこられんが、あんたどうするね。」と言ったそうだ。これを聞いていたお父さんはね、「すぐこれはクスケーと言わないと大変だねえ。」と言って家に帰ってね、みんなに伝えて、「赤ちゃんがくしゃみしたら、これは命を取られるからすぐクスケーと言いなさいよ。」と言ったって。そして、もうこの幽霊が命を取りに来たらしいんですよね。そしたら、そのときからこの赤ちゃんがくしゃみしたそうだがね、それで、くしゃみするたんびにみんなが、「クスケー、クスケー」と言ったから、もうこの幽霊はね、命を取って行くことが出来なかったそうだね。くしゃみのときにクスケーと言うのは、それからの伝えって。 |
| 全体の記録時間数 | 5:11 |
| 物語の時間数 | 4:57 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |