
昔ね、ある殿内でハーメーがユタを頼んで連れて行ったって。そうしたらね、ユタがもうなんども御願を直し、直しして、今日も御願、明日も御願となったからね、もうそこの主が怒って意地悪をされてね、「おい、ハーメー。御願は何度直しても足りないのか。お前は毎日御願かあ。」と言われてね、そして、「それじゃあ、ハーメー、餅がないと御願は通らないなら、もう私たちの家は毎日餅を作るのかあ。」と言われたらね、ユタが、「餅があったら御願は通りますからね、ぜひとも餅は作ってくださいよ。」と言ったからね、夫婦で言い合いするうちに後は使用人のハーメーを呼んでね、「なんだこんなことをして、毎日餅作ってはいかんよ。きなさい。御願というのは、こうして拝むのであってね、ただご馳走をお供えするだけが御願ではないよ。おい、これの中にね、石を砕いて入れてね、餅を作りなさい。」と石を砕いてから、この餅の中に石を入れてね、そうして餅を作らせてね、出したって。「どうだ。アンマー。御願は通りますか。」「エータイ、お旦那、もう御願は立派にお通りしていますよ。それで、今日の餅で通っていますから、大きく作ってあるからね、とってもよく通っていますよ。」と言ったからね、「さあ、アンマー、餅を食べてください。」と言うと、ユタは、「そんな、お旦那様より私は先に食べれますか。」と言うと旦那が召し上がるのは、どこの方って印を入れてあったんだろう。それで、使用人がね、「それじゃあ、旦那様から差し上げましょう。」と言って、これは石が入らないところを取ってね、旦那のところに置いているだ。旦那がそれを食べて、「おいしいね。ハーメー、さあ、あなたもあがってください。」と言われてね、石を砕いて入れているのをハーメーにあげてからね、「どうですか、ハーメー、おいしいですか。」と言ったから、「どうしたのかな、今日の餅は乾いているのかなあ。固いですねえ。」と言ったからね、「ああ、そうですか。もうこんなのでも御願が通っているなら、御願はいい加減でもいいね。」と言われてね、このユタのハーメーは、とっても恥をかいていたって。そうしてね、ユタが家に行って餅を開けて見たからね、中に石が入っていたって。それだからね、その旦那は、「ユタが言うのは、本当だと思うな。十言ううちの一つが正しいって言うだろう。今からはユタに御願はさせないよ。」と言われたって。王様の中城御殿ご存知でしょう。私たちはね、あそこにね、お母さんの親が拝みに行きよったのよ。そして、私はお供していきよったのよ。そこでね、またみんな集まるでしょう。そこで、こんないろいろな話聞いて、またお婆さんからもいろいろな話聞いてね、帰りよったわけさ。
| レコード番号 | 47O361575 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C060 |
| 決定題名 | ユタの話(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19120429 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810926 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字荻堂調査3班T23A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 13 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P588 |
| キーワード | ユタ,御願,餅 |
| 梗概(こうがい) | 昔ね、ある殿内でハーメーがユタを頼んで連れて行ったって。そうしたらね、ユタがもうなんども御願を直し、直しして、今日も御願、明日も御願となったからね、もうそこの主が怒って意地悪をされてね、「おい、ハーメー。御願は何度直しても足りないのか。お前は毎日御願かあ。」と言われてね、そして、「それじゃあ、ハーメー、餅がないと御願は通らないなら、もう私たちの家は毎日餅を作るのかあ。」と言われたらね、ユタが、「餅があったら御願は通りますからね、ぜひとも餅は作ってくださいよ。」と言ったからね、夫婦で言い合いするうちに後は使用人のハーメーを呼んでね、「なんだこんなことをして、毎日餅作ってはいかんよ。きなさい。御願というのは、こうして拝むのであってね、ただご馳走をお供えするだけが御願ではないよ。おい、これの中にね、石を砕いて入れてね、餅を作りなさい。」と石を砕いてから、この餅の中に石を入れてね、そうして餅を作らせてね、出したって。「どうだ。アンマー。御願は通りますか。」「エータイ、お旦那、もう御願は立派にお通りしていますよ。それで、今日の餅で通っていますから、大きく作ってあるからね、とってもよく通っていますよ。」と言ったからね、「さあ、アンマー、餅を食べてください。」と言うと、ユタは、「そんな、お旦那様より私は先に食べれますか。」と言うと旦那が召し上がるのは、どこの方って印を入れてあったんだろう。それで、使用人がね、「それじゃあ、旦那様から差し上げましょう。」と言って、これは石が入らないところを取ってね、旦那のところに置いているだ。旦那がそれを食べて、「おいしいね。ハーメー、さあ、あなたもあがってください。」と言われてね、石を砕いて入れているのをハーメーにあげてからね、「どうですか、ハーメー、おいしいですか。」と言ったから、「どうしたのかな、今日の餅は乾いているのかなあ。固いですねえ。」と言ったからね、「ああ、そうですか。もうこんなのでも御願が通っているなら、御願はいい加減でもいいね。」と言われてね、このユタのハーメーは、とっても恥をかいていたって。そうしてね、ユタが家に行って餅を開けて見たからね、中に石が入っていたって。それだからね、その旦那は、「ユタが言うのは、本当だと思うな。十言ううちの一つが正しいって言うだろう。今からはユタに御願はさせないよ。」と言われたって。王様の中城御殿ご存知でしょう。私たちはね、あそこにね、お母さんの親が拝みに行きよったのよ。そして、私はお供していきよったのよ。そこでね、またみんな集まるでしょう。そこで、こんないろいろな話聞いて、またお婆さんからもいろいろな話聞いてね、帰りよったわけさ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:52 |
| 物語の時間数 | 2:45 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |