
読谷王子という人とてもすぐれた人であった。この人の兄は頭がはげており、坊主御主(王様)といっていた。その人は髪の毛が一本もなく、横の方に少ししかなかった。カタカシラという結い方があるが、この人は上で結うことができずそばにもっていってここでカンプーを結った。これからカタカシラとなった。この王様はとてものんきで「私はもう隠居をさせてくれませんか。」といって家を建てそこで百姓をした。そして妻も連れて行かないで、使用人と女中を連れて行って畑仕事をしていた。そして、この人は冬瓜をよく作って田舎の人のような恰好をしていた。百姓が「坊主御主が冬瓜をつくったので私たちの冬瓜が売れない。」と言われて憎まれてしまった。それで村の人に憎まれていたので、二男の読谷王子は「このままではいけない。この人を懲らしめてやろう。」といって馬に乗って姿を変えて坊主御主の畑を一生懸命踏み荒らして、畑にいる使用人の恰好をした坊主御主に「坊主御主のいるところはどこか。」と聞き、「坊主御主がいるのはずっと向こうである。」と言われたので、坊主御主が身支度を整えられれるよう遠回りをしていって、「兄上様はいらっしゃいますか。」と言ったので座敷に通され、きれいな格好をした坊主御主にあった。「兄上様、お元気ですか。」とあいさつをし、坊主御主も「お前も元気であったか、久しぶりだな。」と返した。そして王子が「近頃の噂によると、良い作物を安すぎる値段で売って村の人々を困らせる人がいるようですね。」と言った。坊主御主は「そうか、それは知らなかった。お前から聞くまで知らなかった。」と言った。北谷王子は「あなたは王様だから知っていらっしゃるはずだと思った。」と言ったが、坊主御主は「私の耳には入っていないよ。」としらを切ったが、それ以来、その人が畑に出ることはなくなった。また、この王子は長男の代わりに支那に行った。その支那に行ったときに大火事があった。山火事であった。それで読谷王子に「山火事があって一大事になった。この火はこの城に向かっている。」と言うと下から上に登っていき、センスを抜いて広げて「神様に霊力がある大雨を降らせて山火事を消してください。。」と言って三回扇をふった。すると大きな雨が降ってその火は消えた。この時からこの部落では火事の時に「読谷城王子、読谷城王子」といって水をかける。そうすれば早く火が消えるという。
| レコード番号 | 47O361564 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C059 |
| 決定題名 | 読谷城王子(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 名嘉真敏子 |
| 話者名かな | なかまとしこ |
| 生年月日 | 19120429 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810925 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字荻道調査班T22A03 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 支那の珍という人から聞いた |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P317 |
| キーワード | 読谷王子,坊主御主,カタカシラ,冬瓜,山火事,読谷城王子 |
| 梗概(こうがい) | 読谷王子という人とてもすぐれた人であった。この人の兄は頭がはげており、坊主御主(王様)といっていた。その人は髪の毛が一本もなく、横の方に少ししかなかった。カタカシラという結い方があるが、この人は上で結うことができずそばにもっていってここでカンプーを結った。これからカタカシラとなった。この王様はとてものんきで「私はもう隠居をさせてくれませんか。」といって家を建てそこで百姓をした。そして妻も連れて行かないで、使用人と女中を連れて行って畑仕事をしていた。そして、この人は冬瓜をよく作って田舎の人のような恰好をしていた。百姓が「坊主御主が冬瓜をつくったので私たちの冬瓜が売れない。」と言われて憎まれてしまった。それで村の人に憎まれていたので、二男の読谷王子は「このままではいけない。この人を懲らしめてやろう。」といって馬に乗って姿を変えて坊主御主の畑を一生懸命踏み荒らして、畑にいる使用人の恰好をした坊主御主に「坊主御主のいるところはどこか。」と聞き、「坊主御主がいるのはずっと向こうである。」と言われたので、坊主御主が身支度を整えられれるよう遠回りをしていって、「兄上様はいらっしゃいますか。」と言ったので座敷に通され、きれいな格好をした坊主御主にあった。「兄上様、お元気ですか。」とあいさつをし、坊主御主も「お前も元気であったか、久しぶりだな。」と返した。そして王子が「近頃の噂によると、良い作物を安すぎる値段で売って村の人々を困らせる人がいるようですね。」と言った。坊主御主は「そうか、それは知らなかった。お前から聞くまで知らなかった。」と言った。北谷王子は「あなたは王様だから知っていらっしゃるはずだと思った。」と言ったが、坊主御主は「私の耳には入っていないよ。」としらを切ったが、それ以来、その人が畑に出ることはなくなった。また、この王子は長男の代わりに支那に行った。その支那に行ったときに大火事があった。山火事であった。それで読谷王子に「山火事があって一大事になった。この火はこの城に向かっている。」と言うと下から上に登っていき、センスを抜いて広げて「神様に霊力がある大雨を降らせて山火事を消してください。。」と言って三回扇をふった。すると大きな雨が降ってその火は消えた。この時からこの部落では火事の時に「読谷城王子、読谷城王子」といって水をかける。そうすれば早く火が消えるという。 |
| 全体の記録時間数 | 7:53 |
| 物語の時間数 | 7:12 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |