
松川童小は、ちょうど首里の坂下にいてね、あの子の親は畑を耕していたって。そしたら、薩摩の国からこられた武士のはずだが、首里城への向かう途中あったが、もうその武士は百姓をたいへん見下していたんだよ。そうしたら、畑を耕している松川童小の親を見ると、「私が首里城に行って来る間に、お前は鍬の刃を幾つ落としたかちゃんと数えておきなさい。」と言われたから、始めはこのお父さんも数えていたというが何回打ったとしても、ずっと打っているだし、仕事をしながらだからもうこんなに数えられないだろう。これを数えられる訳がないから、「ずっと鍬を落とすたびにどんなして数えるかな。」と言ううちに忘れてしまってね。そうしたら、松川童小という子が、「私が返答をするから、どうもないよ。」と言ったから、「お前は何を言うか。分からないのに子どもが大人ぶって喋るな。どうしてお前に返答できるか。」と言ったけど、「大丈夫だから打っていてください。」と言っているときに、首里城から薩摩の武士が戻ってそこまで来たんだよ。そうして、「お前は、鍬の刃はいくつ落としたか。」と言ったから、この子どもが、「あなた様が乗られている馬の足は御城から帰ってくる行き戻りする間に何回足を運びましたか。それが分かったら返事します。」と言ったから、もう武士は返答しきれない。「これは優れた子が生まれているなあ。これが大きくなったら大変だ。」と思ってね、そうして饅頭を買って来るとその二つくっつけて、「二つを重ねて食べなさい。」と言われから松川童小は、ハイと食べたらしいですよ。すると侍が、「どっちが美味しかったか。」と言ったが、二つとも同じ饅頭だから、二つ重ねて食べてもどれが美味しいなんて言えないでしょう。そうしたら、この松川童は手をパンと叩いてね、「私の手は、どれがよく鳴りましたか。」と言って、返答してね、言い逃れしたって。「この子どもは頭が優れすぎている。これが大きくなったら、また戦を始めるかもしれない。」と言って後で松川童は殺されているらしいよ。だから優れていても殺されることもある。
| レコード番号 | 47O361494 |
|---|---|
| CD番号 | 47O36C056 |
| 決定題名 | 松川童 鍬の数 鳴るのはどちら(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 宮城ウシ |
| 話者名かな | みやぎうし |
| 生年月日 | 19001217 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県那覇市首里 |
| 記録日 | 19810923 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 北中城村字渡口調査2班T19B10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 北中城の民話 P575 |
| キーワード | 松川童,首里,畑,薩摩,武士,首里城,鍬の数,鍬,饅頭 |
| 梗概(こうがい) | 松川童小は、ちょうど首里の坂下にいてね、あの子の親は畑を耕していたって。そしたら、薩摩の国からこられた武士のはずだが、首里城への向かう途中あったが、もうその武士は百姓をたいへん見下していたんだよ。そうしたら、畑を耕している松川童小の親を見ると、「私が首里城に行って来る間に、お前は鍬の刃を幾つ落としたかちゃんと数えておきなさい。」と言われたから、始めはこのお父さんも数えていたというが何回打ったとしても、ずっと打っているだし、仕事をしながらだからもうこんなに数えられないだろう。これを数えられる訳がないから、「ずっと鍬を落とすたびにどんなして数えるかな。」と言ううちに忘れてしまってね。そうしたら、松川童小という子が、「私が返答をするから、どうもないよ。」と言ったから、「お前は何を言うか。分からないのに子どもが大人ぶって喋るな。どうしてお前に返答できるか。」と言ったけど、「大丈夫だから打っていてください。」と言っているときに、首里城から薩摩の武士が戻ってそこまで来たんだよ。そうして、「お前は、鍬の刃はいくつ落としたか。」と言ったから、この子どもが、「あなた様が乗られている馬の足は御城から帰ってくる行き戻りする間に何回足を運びましたか。それが分かったら返事します。」と言ったから、もう武士は返答しきれない。「これは優れた子が生まれているなあ。これが大きくなったら大変だ。」と思ってね、そうして饅頭を買って来るとその二つくっつけて、「二つを重ねて食べなさい。」と言われから松川童小は、ハイと食べたらしいですよ。すると侍が、「どっちが美味しかったか。」と言ったが、二つとも同じ饅頭だから、二つ重ねて食べてもどれが美味しいなんて言えないでしょう。そうしたら、この松川童は手をパンと叩いてね、「私の手は、どれがよく鳴りましたか。」と言って、返答してね、言い逃れしたって。「この子どもは頭が優れすぎている。これが大きくなったら、また戦を始めるかもしれない。」と言って後で松川童は殺されているらしいよ。だから優れていても殺されることもある。 |
| 全体の記録時間数 | 2:17 |
| 物語の時間数 | 2:12 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |