尚円王 逆田 釣り針(共通語)

概要

尚円王はとても徳のある人で、非常にきれいな人でね、王様では、一番偉い人だがね、この人伊是名に生まれましたが、向こうではもう男前だから非常にもててさ。今派出所のあるところで、拝所になっておるところだそうだがね。その人の田は、八〇坪の広さで、一番上の水を引くには悪いところにある田なんだがね、日照りになった場合には、低いところにある田は水はないんだが、その人の田には水が豊富にあって稲が倍も出来ているそうだよ。これは、一説ではこの人は技術で水溜めたとの話はあるがね。また女たちがバケツで水を持ってきて入れたという説もあるんだよ。どっちが本当か知らんけれども、とうとう、部落の人に憎まれて、「この人を殺してやらなあいかない。」と言うているのを女の人が告げてくれたから、そこにおれんようになってね、「こっちから逃げないと大変。」と言うて、国頭に逃げようとしていたら、ちょうど船から出るときに、人が集まって来てやがて殺されそうになったそうだ。ようやくこっちから追われて、国頭の奥間というところに逃げてね、あっちに逃げてもまた同じようなことがあって、こっちもおれんでね。で、奥間カンジャーという人が、「あんたは、こっちにおったら大変だから、早く逃げないとまた殺されるから。」と教えてくれたから、今度は東村の方に逃げて行って、あっちでも女にもてて、津波の人が憎んでいるから、おれんようになったそうだよ。また追われて、そんで、首里に向かって行ったところ、ちょうど越来で尚泰久王が向こうの地頭か何かしておって、そこでこの人に会ったら、「この人はいい人だから使おう。」と言って使ったらね、そこで、石畳のハミイシみたようなのがあるね、この人が道で転ぶとそこに穴掘ってそこにある石を埋めたそうだ。そうしたら出ている石がなくなるから道ガラガラならんでしょう。それからはめ石というのが始まってね、石畳というのは、あの人から始まったそうだ。そこで成功して、越来の山内の祝女との間には子供できて、この後あっちこっち行くんだがね、それから、尚泰久が王になると、首里に勤めていたら、越来のモリデーとなって、いろんなことを発見してね、内間御殿といって、西原の内間御殿ありますがね。あっちの地頭して、あんときまでで、四十余りなっておるが、本当の奥さんはあるんだが、子供あっちこっちおったんだよ。そのころ、その人は、西原の内間というところにね、海に釣りしに行くときにね、こう釣り針は曲げるでしょう。それを見て、「あんた方は、欲張ってこうしているから、なかなか魚が釣れない。」とこの人は、釣針を真っ直ぐにしてこうして伸ばして、「これで、掛かるから。」と言って釣ったら、しこたま魚が掛かるそうだ。で、その人の釣りしたところは、海に岩があるがね。今は御願所になっている。その人は非常に偉い人で、あの人が一番まあ一般のためにしたのは、いろんなことたくさんあるけれどもね、非常に徳のある人でね、四九で王になっておるがね、まあ、約十ヵ年ぐらい王を努めて、四九で一八の娘を嫁に求めて、それで、たくさんの女から子供は出来ておるわけね。本当の奥さんというのはおらんわけよ。

再生時間:5:40

民話詳細DATA

レコード番号 47O383447
CD番号 47O38C176
決定題名 尚円王 逆田 釣り針(共通語)
話者がつけた題名
話者名 新垣善蒲
話者名かな あらがきぜんぽ
生年月日 19020506
性別
出身地 沖縄県中頭郡北中城村字石平
記録日 19810705
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 中頭郡北中城村 T12 A10
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 20
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 北中城村の民話 P314
キーワード 尚円王,徳,王様,伊是名,拝所,田,日照り,国頭,奥間,奥間カンジャー,東村,津波,首里,越来,尚泰久王,地頭,石畳,め石,山内,祝女,モリデー,内間御殿,釣針,御願所
梗概(こうがい) 尚円王はとても徳のある人で、非常にきれいな人でね、王様では、一番偉い人だがね、この人伊是名に生まれましたが、向こうではもう男前だから非常にもててさ。今派出所のあるところで、拝所になっておるところだそうだがね。その人の田は、八〇坪の広さで、一番上の水を引くには悪いところにある田なんだがね、日照りになった場合には、低いところにある田は水はないんだが、その人の田には水が豊富にあって稲が倍も出来ているそうだよ。これは、一説ではこの人は技術で水溜めたとの話はあるがね。また女たちがバケツで水を持ってきて入れたという説もあるんだよ。どっちが本当か知らんけれども、とうとう、部落の人に憎まれて、「この人を殺してやらなあいかない。」と言うているのを女の人が告げてくれたから、そこにおれんようになってね、「こっちから逃げないと大変。」と言うて、国頭に逃げようとしていたら、ちょうど船から出るときに、人が集まって来てやがて殺されそうになったそうだ。ようやくこっちから追われて、国頭の奥間というところに逃げてね、あっちに逃げてもまた同じようなことがあって、こっちもおれんでね。で、奥間カンジャーという人が、「あんたは、こっちにおったら大変だから、早く逃げないとまた殺されるから。」と教えてくれたから、今度は東村の方に逃げて行って、あっちでも女にもてて、津波の人が憎んでいるから、おれんようになったそうだよ。また追われて、そんで、首里に向かって行ったところ、ちょうど越来で尚泰久王が向こうの地頭か何かしておって、そこでこの人に会ったら、「この人はいい人だから使おう。」と言って使ったらね、そこで、石畳のハミイシみたようなのがあるね、この人が道で転ぶとそこに穴掘ってそこにある石を埋めたそうだ。そうしたら出ている石がなくなるから道ガラガラならんでしょう。それからはめ石というのが始まってね、石畳というのは、あの人から始まったそうだ。そこで成功して、越来の山内の祝女との間には子供できて、この後あっちこっち行くんだがね、それから、尚泰久が王になると、首里に勤めていたら、越来のモリデーとなって、いろんなことを発見してね、内間御殿といって、西原の内間御殿ありますがね。あっちの地頭して、あんときまでで、四十余りなっておるが、本当の奥さんはあるんだが、子供あっちこっちおったんだよ。そのころ、その人は、西原の内間というところにね、海に釣りしに行くときにね、こう釣り針は曲げるでしょう。それを見て、「あんた方は、欲張ってこうしているから、なかなか魚が釣れない。」とこの人は、釣針を真っ直ぐにしてこうして伸ばして、「これで、掛かるから。」と言って釣ったら、しこたま魚が掛かるそうだ。で、その人の釣りしたところは、海に岩があるがね。今は御願所になっている。その人は非常に偉い人で、あの人が一番まあ一般のためにしたのは、いろんなことたくさんあるけれどもね、非常に徳のある人でね、四九で王になっておるがね、まあ、約十ヵ年ぐらい王を努めて、四九で一八の娘を嫁に求めて、それで、たくさんの女から子供は出来ておるわけね。本当の奥さんというのはおらんわけよ。
全体の記録時間数 5:50
物語の時間数 5:40
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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