
七掘畑といってあるがね、この畑は何でも七回、主の手を渡ったので七掘畑よいわれるようになった。この畑はまた七掘墓という前の方にあったようだ。そして、その七掘墓から出る女が、白衣装を着て洗い髪で、もう乳のみ子を残して亡くなった若い女がね。この女が毎夜もう、子どものことを思って苦労して、このようにして家へ行き来しているのを見られてしまった。畑にいる人に見られてしまった。「もうその墓は幽霊が出るので、私はこれを人に売ってしまおう」とまたも売って、またも売って七回売られた畑があるってさ、あそこに。現にあるんだってよ、そこに。七掘畑とあるが、この道理はまた、「乳もなくて泣いているだろうと、私は軒下に行き来して、その子の泣き声を聞きに行っているんですよ」と。それを見られてしまったのでね」。それはまた私達の祖先のタンメー、カマーからだったって。それから、那覇からタルマチャーディールを担いで七月や正月には来るでしょう。車もないので担いで来る時に、白衣装を着た女が道の側に立っていた。「何処に行きますか」と聞くと、「私は那覇からの帰り家に行くところだよ」、「それはちょうどよいことで、私も一緒に道連れにして下さい」と言うと「はい」ヤナムンは言った。「それは、私も良かった。一緒に行こう女」と、まともな女だと思ったんでしょうね。考えてみると、その七掘畑の前へ来ると、「私はここに行くんですよ、もう貴方はゆっくり行って下さいね」と言ったって。そう言ったので「どうしたのか、お前はまともか、生きている人かマジムンなのか、私に本当のことを言わないのなら、今日は叩きのめしてやろう。私の魂を取るつもりなのか、何なのか」と、そのお爺さんは怒った。「いいえ魂は取りません、私は何も取りません。私には思いがあって後生極楽へも行けず、このように私は道を歩いているのです」と、「どうしたのか」と聞いたらお爺さんにそう言ったようだ。「私には乳飲み子がいますが、泣いているのではと思うといつも後生道中で、後生娯楽へは行けなくて、このような暮らしをしるんですよ」と言ったら、「そうか、では私の魂を取るんじゃないよ」「はい、取りません。一緒に道連れさせていただいてありがとうございました。貴方は行って下さい」「お前から行きなさい、女」と言うと、「いいえ私から行くと、貴方は怖がって私の後を見ることは出来ません」と言ったって。霊魂の後姿は骨なんだってよ。前から見ると美しい女だが、後からは本当の悪霊だそうだ。骸骨なんだって、骨」。だから、「私の後は見ないで下さいよ。貴方から先にどうぞ」と言われたが、このお爺さんはそれでももう、「私が先に行くと魂を取られるかもしれない」と思って頑張って立っていたって。しまいには、タルマチャーディールを取って担ごうとして、松のひげに躓いて転んだそうだ。するとその女はすぐにいなくなっていたって。転ばせてそのように逃げて行ったようだね。そして、ハーメーが来て「ハーメー、ハーメー早く戸を開けてくれ。私に塩水をどんどんかけてくれ」「あれ何だろう」「今日、私はこんなものを見たよ。さあもう、私を追って来てないかな、もうなんて怖かったんだろう」と、すぐ塩水を撒いたそうだ。家にも人にも何処もかもにね。
| レコード番号 | 47O375048 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C216 |
| 決定題名 | 七掘畑(方言) |
| 話者がつけた題名 | 七堀畑 |
| 話者名 | 仲宗根カマ |
| 話者名かな | なかそねかま |
| 生年月日 | 19060125 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡具知 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第10班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡具知T06B10 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 20 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集15渡具知・比謝・比謝矼の民話 P111 |
| キーワード | 七掘畑,七回,七掘墓,白衣装,洗い髪,乳のみ子,幽霊,那覇,タルマチャーディール,七月や正月,ヤナムン,後生極楽,霊魂の後姿は骨,塩水 |
| 梗概(こうがい) | 七掘畑といってあるがね、この畑は何でも七回、主の手を渡ったので七掘畑よいわれるようになった。この畑はまた七掘墓という前の方にあったようだ。そして、その七掘墓から出る女が、白衣装を着て洗い髪で、もう乳のみ子を残して亡くなった若い女がね。この女が毎夜もう、子どものことを思って苦労して、このようにして家へ行き来しているのを見られてしまった。畑にいる人に見られてしまった。「もうその墓は幽霊が出るので、私はこれを人に売ってしまおう」とまたも売って、またも売って七回売られた畑があるってさ、あそこに。現にあるんだってよ、そこに。七掘畑とあるが、この道理はまた、「乳もなくて泣いているだろうと、私は軒下に行き来して、その子の泣き声を聞きに行っているんですよ」と。それを見られてしまったのでね」。それはまた私達の祖先のタンメー、カマーからだったって。それから、那覇からタルマチャーディールを担いで七月や正月には来るでしょう。車もないので担いで来る時に、白衣装を着た女が道の側に立っていた。「何処に行きますか」と聞くと、「私は那覇からの帰り家に行くところだよ」、「それはちょうどよいことで、私も一緒に道連れにして下さい」と言うと「はい」ヤナムンは言った。「それは、私も良かった。一緒に行こう女」と、まともな女だと思ったんでしょうね。考えてみると、その七掘畑の前へ来ると、「私はここに行くんですよ、もう貴方はゆっくり行って下さいね」と言ったって。そう言ったので「どうしたのか、お前はまともか、生きている人かマジムンなのか、私に本当のことを言わないのなら、今日は叩きのめしてやろう。私の魂を取るつもりなのか、何なのか」と、そのお爺さんは怒った。「いいえ魂は取りません、私は何も取りません。私には思いがあって後生極楽へも行けず、このように私は道を歩いているのです」と、「どうしたのか」と聞いたらお爺さんにそう言ったようだ。「私には乳飲み子がいますが、泣いているのではと思うといつも後生道中で、後生娯楽へは行けなくて、このような暮らしをしるんですよ」と言ったら、「そうか、では私の魂を取るんじゃないよ」「はい、取りません。一緒に道連れさせていただいてありがとうございました。貴方は行って下さい」「お前から行きなさい、女」と言うと、「いいえ私から行くと、貴方は怖がって私の後を見ることは出来ません」と言ったって。霊魂の後姿は骨なんだってよ。前から見ると美しい女だが、後からは本当の悪霊だそうだ。骸骨なんだって、骨」。だから、「私の後は見ないで下さいよ。貴方から先にどうぞ」と言われたが、このお爺さんはそれでももう、「私が先に行くと魂を取られるかもしれない」と思って頑張って立っていたって。しまいには、タルマチャーディールを取って担ごうとして、松のひげに躓いて転んだそうだ。するとその女はすぐにいなくなっていたって。転ばせてそのように逃げて行ったようだね。そして、ハーメーが来て「ハーメー、ハーメー早く戸を開けてくれ。私に塩水をどんどんかけてくれ」「あれ何だろう」「今日、私はこんなものを見たよ。さあもう、私を追って来てないかな、もうなんて怖かったんだろう」と、すぐ塩水を撒いたそうだ。家にも人にも何処もかもにね。 |
| 全体の記録時間数 | 4:22 |
| 物語の時間数 | 4:22 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |