
牛が物を言ったのはね、山田スン殿内の牛だったそうだ。山田スン殿内は牛を若牛の時から酷使してね、年を取ったら役にたたないといって、毛もクイを打ったまま結ばれていた。そうしたらその牛は、どうして物を言ったかというと、道から人が通たので、「少し待ってくれ、青年」と物を言ったそうだ。「へー」と振り向いたらて、「どうしてここには人は居ないのになー」と歩いて行こうとしたら、「もう少し待ってくれ、青年」と叫んでいたって。「へー、牛が物を言っている」と、「牛が物を言っている」と行ってみると、その牛は何処の牛であったかというと、山田スン殿内の牛だった。「しかし酷使されて、役立たなくなったら私はこのように捨てられてね」とこの牛の話。 山田スン殿内は非常に欲をして儲けているのでね、「おまえの牛とむこうの牛に強い牛がいるので、どっちが強いか賭けをしてごらん」とその牛が青年に言ったら、「はい」と返事した。「しかし向こうの牛は強い牛なので、私の牛が勝てない」と言うと、「いいえ、勝てる」。この牛は神様だったのでね。それで右の角にはハカリ、左の角には枡を結んで闘いにいきなさいよと。「そのようにして行きなさいよ」と牛が話たって。「そうなのか」と言って。牛が「向こうは店だけどね、ハカリからも欲して、枡からも欲して、そのようにして儲けて金持ちになっているのでね、そうしなさいよ」と言った。教えた通りに、その青年は牛を闘いに連れていったら、向こうの強い牛は向かってはこないでプープーして逃げた。それでこの牛が勝ったという話から牛が物言ったという。(カンカーぬはてぃぬ話) カンカーというのは、カンカーが生まれたのは、この捨てられた牛の話って。 どういうことかというとね。カンカーはフーチゲーシ、シマクサラシとあるからね。私はね、私を殺してね、その牛は、そうしたら私は極楽だから。「私を殺して、殺す時は道の十字路で殺してくれ」と。「それから通る人皆に私の肉をあげなさい。そうしたら病気にかからない。病気にもかからない」と言って、それでカンカーの由来記はその牛の話から出た。道で皆に配ってあげたので、それからカンカーは村々にあるが。 家では牛は殺さないで豚を潰したが、カンカー門といって必ず道で豚を殺して、そこで煮た。それから拝みはどうしたかというと、村の入口でやって、病気を追い払い、それからまたカンカーの肉をそこに供えた。それを食べて病気を追い払い、病気はここには来ないでくれと、あれは病気を追い払うって。カンカーの由来記はそれからでたという。
| レコード番号 | 47O374913 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C211 |
| 決定題名 | もの言う牛(方言) |
| 話者がつけた題名 | もの言う牛 |
| 話者名 | 大湾三郎 |
| 話者名かな | おおわんさぶろう |
| 生年月日 | 18900119 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村渡具知 |
| 記録日 | 19770224 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団第4班 |
| 元テープ番号 | 読谷村渡具知T02A14 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集15渡具知・比謝・比謝矼の民話 P122 |
| キーワード | 牛が物を言う,山田スン殿内,酷使,賭け,神様,右の角にはハカリ,左の角には枡,金持ち,カンカー,フーチゲーシ,シマクサラシ,十字路 |
| 梗概(こうがい) | 牛が物を言ったのはね、山田スン殿内の牛だったそうだ。山田スン殿内は牛を若牛の時から酷使してね、年を取ったら役にたたないといって、毛もクイを打ったまま結ばれていた。そうしたらその牛は、どうして物を言ったかというと、道から人が通たので、「少し待ってくれ、青年」と物を言ったそうだ。「へー」と振り向いたらて、「どうしてここには人は居ないのになー」と歩いて行こうとしたら、「もう少し待ってくれ、青年」と叫んでいたって。「へー、牛が物を言っている」と、「牛が物を言っている」と行ってみると、その牛は何処の牛であったかというと、山田スン殿内の牛だった。「しかし酷使されて、役立たなくなったら私はこのように捨てられてね」とこの牛の話。 山田スン殿内は非常に欲をして儲けているのでね、「おまえの牛とむこうの牛に強い牛がいるので、どっちが強いか賭けをしてごらん」とその牛が青年に言ったら、「はい」と返事した。「しかし向こうの牛は強い牛なので、私の牛が勝てない」と言うと、「いいえ、勝てる」。この牛は神様だったのでね。それで右の角にはハカリ、左の角には枡を結んで闘いにいきなさいよと。「そのようにして行きなさいよ」と牛が話たって。「そうなのか」と言って。牛が「向こうは店だけどね、ハカリからも欲して、枡からも欲して、そのようにして儲けて金持ちになっているのでね、そうしなさいよ」と言った。教えた通りに、その青年は牛を闘いに連れていったら、向こうの強い牛は向かってはこないでプープーして逃げた。それでこの牛が勝ったという話から牛が物言ったという。(カンカーぬはてぃぬ話) カンカーというのは、カンカーが生まれたのは、この捨てられた牛の話って。 どういうことかというとね。カンカーはフーチゲーシ、シマクサラシとあるからね。私はね、私を殺してね、その牛は、そうしたら私は極楽だから。「私を殺して、殺す時は道の十字路で殺してくれ」と。「それから通る人皆に私の肉をあげなさい。そうしたら病気にかからない。病気にもかからない」と言って、それでカンカーの由来記はその牛の話から出た。道で皆に配ってあげたので、それからカンカーは村々にあるが。 家では牛は殺さないで豚を潰したが、カンカー門といって必ず道で豚を殺して、そこで煮た。それから拝みはどうしたかというと、村の入口でやって、病気を追い払い、それからまたカンカーの肉をそこに供えた。それを食べて病気を追い払い、病気はここには来ないでくれと、あれは病気を追い払うって。カンカーの由来記はそれからでたという。 |
| 全体の記録時間数 | 4:24 |
| 物語の時間数 | 4:24 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |