
昔のあの黒金座主。黒金座主は術を使うという話を聞いたが。あれは黒金座主といって、大変術をかけるのがうまかった。黒金座主はそういうふうにして、あちこち荒し回っていたようだ。そうして首里の方で、このままではいけないと思ったんでしょうね。有名な北谷王子と一緒に、この黒金座主というのは、確かに女を騙しているかなと確かめに行ったようだ。昔の女性は、あの後ろ髪を結んでいるでしょう。こっちに簪をつけて、子どもの髪も後ろに結んでね。今の芝居でも髪は結ってあるでしょう。こういうふうにして、箸でとめてあるでしょう。黒金座主は、易者でもあったようだ。そこへ行ってみると、もう後の簪が乱れていることで、乱暴されたということは分かるさあ、髪が乱れていたので、「ああ、確かにこいつは女は騙すんだな。」ということが分かった。それで今度は、北谷王子が出向いたようだね。すると、北谷王子は文学者でもあるから、術をかけることができなかったわけだ。それで二人で碁を打つことになってね。二人で碁を打っている時に、(北谷王子)を騙そうとしたが、術をかけることができずに、お箸を立てて逃げてしまったって。すると、北谷王子は「こいつは!。」と言うなり、すぐさま黒金座主を叩き切ってしまった。そして、黒金座主は悪者だからということで、今度は人通りの多い十字路に葬ったようだ。すると、逆立ち幽霊といって、昔、「大村御殿の角に耳切り坊主が立つよ。」という歌もあったでしょう。あの大村御殿というのは、今はないのだが、戦前は中城御殿ってあったでしょう。後には、儀保の裏手から上った所にあったのだが。リングムイ(注 )か何かがあったと思うが、今はどの辺になっているのかなあ。そうして、昔は大村御殿といって、御殿というのは王様の兄弟ですからね。後に、中城御殿になって、そっちに移って行ったんですよ。だから、あの逆立ち幽霊というのは、逆立ち幽霊となって黒金座主は現われるようになったんだって。そういうわけで、黒金座主を別の場所に移して葬ったという話だよ。昔の唐船ドーイの歌詞にもあるでしょう。『首里(すい)に響(とぅゆ)まりる〔首里に名高い〕大村御殿(うふむらうどぅん)ぬヒラマーチャー〔大村御殿の平松よ〕。』後で中城御殿になってからヒラマーチャーを見に行ったが、見事な物でしたよ。
| レコード番号 | 47O374363 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C189 |
| 決定題名 | 黒金座主(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 仲程亀 |
| 話者名かな | なかほどかめ |
| 生年月日 | 18951010 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村牧原 |
| 記録日 | 19770508 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村牧原T02A12 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | - |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P238 |
| キーワード | 黒金座主,術を使う,北谷王子,女を騙している,後ろ髪を結んでいる,簪,易者,黒金座主を叩き切った,黒金座主は悪者,人通りの多い十字路に葬った,逆立ち幽霊,大村御殿の角,耳切り坊主,中城御殿,儀保,リングムイ,ヒラマーチャー |
| 梗概(こうがい) | 昔のあの黒金座主。黒金座主は術を使うという話を聞いたが。あれは黒金座主といって、大変術をかけるのがうまかった。黒金座主はそういうふうにして、あちこち荒し回っていたようだ。そうして首里の方で、このままではいけないと思ったんでしょうね。有名な北谷王子と一緒に、この黒金座主というのは、確かに女を騙しているかなと確かめに行ったようだ。昔の女性は、あの後ろ髪を結んでいるでしょう。こっちに簪をつけて、子どもの髪も後ろに結んでね。今の芝居でも髪は結ってあるでしょう。こういうふうにして、箸でとめてあるでしょう。黒金座主は、易者でもあったようだ。そこへ行ってみると、もう後の簪が乱れていることで、乱暴されたということは分かるさあ、髪が乱れていたので、「ああ、確かにこいつは女は騙すんだな。」ということが分かった。それで今度は、北谷王子が出向いたようだね。すると、北谷王子は文学者でもあるから、術をかけることができなかったわけだ。それで二人で碁を打つことになってね。二人で碁を打っている時に、(北谷王子)を騙そうとしたが、術をかけることができずに、お箸を立てて逃げてしまったって。すると、北谷王子は「こいつは!。」と言うなり、すぐさま黒金座主を叩き切ってしまった。そして、黒金座主は悪者だからということで、今度は人通りの多い十字路に葬ったようだ。すると、逆立ち幽霊といって、昔、「大村御殿の角に耳切り坊主が立つよ。」という歌もあったでしょう。あの大村御殿というのは、今はないのだが、戦前は中城御殿ってあったでしょう。後には、儀保の裏手から上った所にあったのだが。リングムイ(注 )か何かがあったと思うが、今はどの辺になっているのかなあ。そうして、昔は大村御殿といって、御殿というのは王様の兄弟ですからね。後に、中城御殿になって、そっちに移って行ったんですよ。だから、あの逆立ち幽霊というのは、逆立ち幽霊となって黒金座主は現われるようになったんだって。そういうわけで、黒金座主を別の場所に移して葬ったという話だよ。昔の唐船ドーイの歌詞にもあるでしょう。『首里(すい)に響(とぅゆ)まりる〔首里に名高い〕大村御殿(うふむらうどぅん)ぬヒラマーチャー〔大村御殿の平松よ〕。』後で中城御殿になってからヒラマーチャーを見に行ったが、見事な物でしたよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:20 |
| 物語の時間数 | 4:20 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |