
親が、継親だったわけ、母親がね。言えば、父親は一人で腹違いだから、夫の先妻の子は継子になるわけさあ。先妻が亡くなったので、今度は後妻を娶ったんでしょう。後妻にも子供ができたという意味さあ。それは自分が生んだ子ではないから、嫡子は継子になっているわけさあ。継子はいよいよ大きくなって、性格も良く育っていったって。それから後妻と生まれた子は、後妻にとっては嫡子なんだが、先妻の子がいるものだから次男になって。それでもう是非、上の子をどうにかして取り除かなければいけないと、母親は思うようになってしまった。これはどうにかして殺すかしなければいけないという意味さあ。もう先妻の子は嫡子で、自分の子は次男になっているから、自分の子を嫡子にしたいという気持ちがあったようだね。嫡子を殺そうという気持ちはあっても、刃物をかけて殺すということはできないから、何かを利用して、毒でも飲ませて殺そうと考えた。そうして、ある時に、(まあ自由に遠足でもさせたんでしょう)。平生は弟ほどには、食事も満足に与えずに不味い物を食べさせられていたということだが、遠足に行く日になったので、弁当も美味しく作って持たせた(その頃は米も自由にはなかったはずだが)。ご飯の弁当を作って、美味しそうに作って持たせたって。そういうふうに一人っきりの遠足でしょう。もう何もいないし、後は山中の田圃のある所まで行ったようだ。すると、そこで良い時分になって、おなかが空いてきたので、弁当を食べようと思って広げようとしたら、その近辺に烏が来たって。烏が来てガーガー鳴いたが、どうして烏がここに来てこんなに鳴くんだろうと思っていた。また、昔の人は烏が鳴いたら厄とか何とか、何か事があるというふうに忌み嫌っていた。継子もその時に、どうして烏が急に集まって、そんなに鳴くのだろうと思い、胸さわぎがした。開けて食べようと弁当を置いたまま、少しも口にせずに、そのまま逃げたようだ。弁当を開けて置いたまま、側に逃げて隠れていた。すると、烏が追って来て、その弁当を食ったって。その弁当を食べたら、烏はそのまま急に毒が回ったんでしょうね。それから転げ回って、田圃の中に転げ落ちて行ったって。転んで行って、このように地面から一本だけ生えて、ゆらゆらして一葉だけ出ているのを食べたら元気になったようだ。それも昔話であったと思うのだがね。そういうふうに元気になったら、弁当は美味しいのだから、また食べたりしていた。言わばもう、弁当は美味しいから食べたりして、毒返しとして浮き草を食べると良いということを知っていたと思うよ。烏が物知りだと言われるのはそういうことだよ。烏は何羽もの鳥で、弁当を食べては、また浮き草を食べたりして、みんな平らげてしまった。継子は、「珍しいことだなあ。」と大変不思議に思った。もうおなかは空いているのだが仕方がない、家に帰らねばと思って帰って行った。すると、継母は「ヘえ、それは毒じゃなかったのかな。」と。「(殺そうと思って)あんなに美味しく作ったのに、毒ではなかったのかな。」と思いながら、今度は次男に食べさせたようだね。すると、それを食べた次男はそのまま死んでしまったって。
| レコード番号 | 47O374345 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C188 |
| 決定題名 | 継子話 カラスと弁当(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 勢理客宗武 |
| 話者名かな | せりきゃくそうぶ |
| 生年月日 | 18931003 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村牧原 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村牧原T01B05 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P197 |
| キーワード | 継親,母親,父親は一人で腹違い,先妻の子は継子,後妻を娶った,嫡子は継子,次男,嫡子を殺す,毒,食事,不味い物,遠足,弁当も美味しく作って持たせた,山中の田圃,烏,浮き草,次男はそのまま死んでしまった |
| 梗概(こうがい) | 親が、継親だったわけ、母親がね。言えば、父親は一人で腹違いだから、夫の先妻の子は継子になるわけさあ。先妻が亡くなったので、今度は後妻を娶ったんでしょう。後妻にも子供ができたという意味さあ。それは自分が生んだ子ではないから、嫡子は継子になっているわけさあ。継子はいよいよ大きくなって、性格も良く育っていったって。それから後妻と生まれた子は、後妻にとっては嫡子なんだが、先妻の子がいるものだから次男になって。それでもう是非、上の子をどうにかして取り除かなければいけないと、母親は思うようになってしまった。これはどうにかして殺すかしなければいけないという意味さあ。もう先妻の子は嫡子で、自分の子は次男になっているから、自分の子を嫡子にしたいという気持ちがあったようだね。嫡子を殺そうという気持ちはあっても、刃物をかけて殺すということはできないから、何かを利用して、毒でも飲ませて殺そうと考えた。そうして、ある時に、(まあ自由に遠足でもさせたんでしょう)。平生は弟ほどには、食事も満足に与えずに不味い物を食べさせられていたということだが、遠足に行く日になったので、弁当も美味しく作って持たせた(その頃は米も自由にはなかったはずだが)。ご飯の弁当を作って、美味しそうに作って持たせたって。そういうふうに一人っきりの遠足でしょう。もう何もいないし、後は山中の田圃のある所まで行ったようだ。すると、そこで良い時分になって、おなかが空いてきたので、弁当を食べようと思って広げようとしたら、その近辺に烏が来たって。烏が来てガーガー鳴いたが、どうして烏がここに来てこんなに鳴くんだろうと思っていた。また、昔の人は烏が鳴いたら厄とか何とか、何か事があるというふうに忌み嫌っていた。継子もその時に、どうして烏が急に集まって、そんなに鳴くのだろうと思い、胸さわぎがした。開けて食べようと弁当を置いたまま、少しも口にせずに、そのまま逃げたようだ。弁当を開けて置いたまま、側に逃げて隠れていた。すると、烏が追って来て、その弁当を食ったって。その弁当を食べたら、烏はそのまま急に毒が回ったんでしょうね。それから転げ回って、田圃の中に転げ落ちて行ったって。転んで行って、このように地面から一本だけ生えて、ゆらゆらして一葉だけ出ているのを食べたら元気になったようだ。それも昔話であったと思うのだがね。そういうふうに元気になったら、弁当は美味しいのだから、また食べたりしていた。言わばもう、弁当は美味しいから食べたりして、毒返しとして浮き草を食べると良いということを知っていたと思うよ。烏が物知りだと言われるのはそういうことだよ。烏は何羽もの鳥で、弁当を食べては、また浮き草を食べたりして、みんな平らげてしまった。継子は、「珍しいことだなあ。」と大変不思議に思った。もうおなかは空いているのだが仕方がない、家に帰らねばと思って帰って行った。すると、継母は「ヘえ、それは毒じゃなかったのかな。」と。「(殺そうと思って)あんなに美味しく作ったのに、毒ではなかったのかな。」と思いながら、今度は次男に食べさせたようだね。すると、それを食べた次男はそのまま死んでしまったって。 |
| 全体の記録時間数 | 6:02 |
| 物語の時間数 | 6:02 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |