
仲順大主の由来記なんだがね。子供を三人生んだのだが、長男、次男、三男とも、未だに心のうちが分からないということで、大主は三人を試すことにした。良い日を取って、今日の良い日に、三人の心をみなくちゃいけないと思ったようだ。それで、長男から呼び寄せた。そこで大主の言い分が、「もう私は食べる事もできないから、生まれた子供を捨てて、私に乳を飲ませてくれ。」と言った。すると嫡子は、「ああ、仲順大主、寄った年、どうして我子を捨てることができましょうか。仲順大主は死ぬんでしたら死ね。」と、そこで反対されてしまった。仲順大主は残念に思った。今度は、次男を呼び寄せた。すると、ちょうど長男と同じようになってしまった。もう次男にも「仲順大主は寄った年、死ぬんだったら死ね。」と、言われてしまった。今度は三男を呼んだら、これはまた親孝行者だった。「親は一人、どうして捨てることができましょうか。子供はまた生めるし。親を救った方が良い。」と答えた。仲順大主は三男を親孝行と見て、「じゃあ、子供を捨てるのだったら、東森に三本小松があるからね。その小松の下に穴を三尺掘って埋めなさい。」と言われた。三男は三本小松はどこにあるんだろうと、もう山中を方々探し歩いた。いよいよ三本小松を見つけたので、そこで「ここだな。」と、穴を三尺掘って埋めようとしたら、すばらしい黄金が出てきた。三男は「これは珍しいことだ。さてさて珍しいことだ。これは何かあるはずだ。」と思った。そうして家に帰って行ったそうだ。すると仲順大主が言うには、そういうことだったら、この黄金はお前達の物だから掬い取りなさい。そのように子供の命も救い、黄金も取って、三男の家族は幸福に暮らしなさいという意味さあ。そのうちに仲順大主はこの世を去っていかれたようだ。亡くなってしまってから、今度は財産の奪い合いが出たようだね。三男が富を得たので、長男と次男が三男を殺そうと企んだようだ。それはもう、嫡子と次男の性質なのだからね。そして仲順大主は神になっていらっしゃるのだから、その人達が喧嘩をするのを見て、そこに神様が現れていらっしゃったようだ。それで、これではいけないと、神様が杖を振り回したら、二人とも途端にひっくり返ってしまって、三男は災難を逃れたって。
| レコード番号 | 47O374326 |
|---|---|
| CD番号 | 47O37C188 |
| 決定題名 | 子供の肝(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 比嘉憲一 |
| 話者名かな | ひがけんいち |
| 生年月日 | 19090308 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県読谷村牧原 |
| 記録日 | 19761219 |
| 記録者の所属組織 | 読谷村民話調査団 |
| 元テープ番号 | 読谷村牧原T01A03 |
| 元テープ管理者 | 読谷村立歴史民俗資料館 |
| 分類 | 12 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 読谷村民話資料集13 大木・長田・牧原の民話P203 |
| キーワード | 仲順大主,子供を三人生んだ,長男,次男,三男,心のうちが分からない,大主は三人を試す,私は食べる事もできない,生まれた子供を捨てて私に乳を飲ませてくれ,死ぬんでしたら死ね,子供はまた生める,親を救った方が良い,三男を親孝行,東森に三本小松,小松の下に穴を三尺掘って埋めなさい,黄金,子供の命も救った |
| 梗概(こうがい) | 仲順大主の由来記なんだがね。子供を三人生んだのだが、長男、次男、三男とも、未だに心のうちが分からないということで、大主は三人を試すことにした。良い日を取って、今日の良い日に、三人の心をみなくちゃいけないと思ったようだ。それで、長男から呼び寄せた。そこで大主の言い分が、「もう私は食べる事もできないから、生まれた子供を捨てて、私に乳を飲ませてくれ。」と言った。すると嫡子は、「ああ、仲順大主、寄った年、どうして我子を捨てることができましょうか。仲順大主は死ぬんでしたら死ね。」と、そこで反対されてしまった。仲順大主は残念に思った。今度は、次男を呼び寄せた。すると、ちょうど長男と同じようになってしまった。もう次男にも「仲順大主は寄った年、死ぬんだったら死ね。」と、言われてしまった。今度は三男を呼んだら、これはまた親孝行者だった。「親は一人、どうして捨てることができましょうか。子供はまた生めるし。親を救った方が良い。」と答えた。仲順大主は三男を親孝行と見て、「じゃあ、子供を捨てるのだったら、東森に三本小松があるからね。その小松の下に穴を三尺掘って埋めなさい。」と言われた。三男は三本小松はどこにあるんだろうと、もう山中を方々探し歩いた。いよいよ三本小松を見つけたので、そこで「ここだな。」と、穴を三尺掘って埋めようとしたら、すばらしい黄金が出てきた。三男は「これは珍しいことだ。さてさて珍しいことだ。これは何かあるはずだ。」と思った。そうして家に帰って行ったそうだ。すると仲順大主が言うには、そういうことだったら、この黄金はお前達の物だから掬い取りなさい。そのように子供の命も救い、黄金も取って、三男の家族は幸福に暮らしなさいという意味さあ。そのうちに仲順大主はこの世を去っていかれたようだ。亡くなってしまってから、今度は財産の奪い合いが出たようだね。三男が富を得たので、長男と次男が三男を殺そうと企んだようだ。それはもう、嫡子と次男の性質なのだからね。そして仲順大主は神になっていらっしゃるのだから、その人達が喧嘩をするのを見て、そこに神様が現れていらっしゃったようだ。それで、これではいけないと、神様が杖を振り回したら、二人とも途端にひっくり返ってしまって、三男は災難を逃れたって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:20 |
| 物語の時間数 | 3:20 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |